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北垣 幸央 院長の独自取材記事

北垣クリニック

(西宮市/洲先駅)

最終更新日:2019/11/13

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阪神・武庫川線の洲先駅徒歩3分にある「北垣クリニック」は、高血圧や糖尿病など生活習慣病の患者を中心に、子どもから高齢者まで幅広い年齢層の患者が訪れる。北垣幸央(きたがき・ゆきひさ)院長は大学病院の循環器系疾患の集中治療室で長年診療経験を積み、地元であるこの地で1997年に開業。西宮市医師会の活動も積極的に行うほか、長らく近隣小学校の校医も務めるなど、地域に密着した医療を提供している。強制はせず、患者主体の治療を行うことをモットーとする北垣院長に、クリニックの特色や取り組み、医師会活動、今後の展望などを語ってもらった。
(取材日2019年10月28日)

「北垣先生」から「北垣さん」へ。患者の身近な存在に

開業までの経緯を教えてください。

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鳥取県で生まれ、中学生の頃にここ西宮に来て地元の県立高校に進学しました。父、祖父をはじめ、親族の多くが医師でしたので自然と医師への道を選んでいましたね。国立高知医科大学卒業後は兵庫医科大の循環器内科、CCU(冠動脈疾患集中治療室)に長年勤務しました。1995年の阪神・淡路大震災を経験したことで、救急の患者さんばかりを診ていていいのか、という思いを持つようになったことが開業のきっかけの一つです。父も祖父も開業医でしたし、本来「町医者」であることが自分の求める医師の姿なのではないかと感じたんです。そして震災から2年後の1997年に、この地に開業しました。

大学病院勤務時代と開業医では、求められる役割も変わったのではないでしょうか。

開業したら、皆さん「先生」ではなく「さん」づけで呼んでくださるので、地域の方の身近な存在になれたかなと思っています。大学で診療していた頃も仕事はとても充実していましたが、論文を書かなかったり大学の行事をさぼったり、「大学病院の先生」の型にははまらない人間でした。しかし外来はとても好きでしたから、そういった意味では開業医に向いていたのかもしれません。医師にはノーベル賞を受賞するような研究をしたり最先端の手術を行っていたり、いろいろなタイプがいますよね。地域に密着した開業医である私は、いわば交番にいるお巡りさんと同じ。「いつでも相談に来てください」というスタンスです。

患者層を教えてください。

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もともとの専門が循環器ですので、高血圧や高コレステロール血症、糖尿病など中高年の患者さんが多く、生活習慣病診療に力を入れています。また開業当初よりも認知症がどんどん増えてきていますね。一方、小学校の校医もずっとやってきているので小児患者も少なくありません。小学校から頂いた児童のメッセージは大切に院内に掲示しています。開業当初はまだ小さかったお子さんが成人してからも通ってくれていたり、働き盛りだった方がリタイアされたり。2世代、3世代でご家族を診られるのは、開業医としての醍醐味でもありますね。また地元なので中高時代の友人たちも患者さんとしてたくさん来てくれています。

強制することなく、患者主体の治療を提供

患者さんに接する際に心がけていることはありますか?

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私は“緩い”医師ですから、「○○したほうがいいですね」とだけお伝えし、あとは患者さんの選択にお任せします。どんなに血圧や血糖値が高くても、どうしても薬は飲みたくないという方もいます。それはその患者さんの人生観だと思いますので、否定するつもりはありません。高血圧や高血糖が心筋梗塞や脳卒中のリスクが高いこと、認知症にも関連することなどリスクや投薬の重要性は時間をかけて説明していきますが、選ぶのは患者さんです。ただ治療をしたいというのであれば、できる限りのサポートはします。「薬は一生飲まないといけないですか」と質問を受けることもあるのですが、必要だから飲むだけで、きちんと治療して生活を改善していけば将来的に薬をやめたり減らしたりすることは可能であることも、しっかりと説明しています。

医師会の仕事にも積極的に参加されていると伺いました。

私は古い言い方をすると「体育会系」なので、1人でやるよりも、先輩・後輩が力を合わせて取り組みたいという気持ちが強いんです。西宮の医師会では現在、地域の病診連携に力を入れて取り組んでいます。総合病院には検査や入院治療をお任せする一方、診療はわれわれクリニックがしっかりと担当するなど、情報交換しながら互いが力を発揮して患者さんの治療を継続していくというのが病診連携です。もう一つは在宅医療に関すること。国の方針で病床数がどんどん減っており在宅患者さんが増えています。在宅医療を行っている医師もすべての患者さんに24時間対応できるとは限りませんので、会員医師たちがサポートし合うという取り組みのトライアルが始まっています。

日々の診療や医師会のお仕事など、お忙しいですね。

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さまざまな方に出会えますので、西宮に限らず医師の集まる勉強会などがあれば、主に情報交換を目的として積極的に参加するようにしています。そういった場で新しい医療知識を習得するのはもちろん大切ですが、一方でそれを実践することは地域に密着した開業医においては患者さんから希望されていないと考えています。患者さんは最先端の医療を提供するクリニックよりも、なんでも気軽に相談できる場を求めていると感じるんです。最先端の知識はしっかり勉強しつつ、その実践は近隣にある大学病院や総合病院にお任せしています。

地域密着の開業医だからこそできる、早期発見・治療を

2019年6月より院外処方に変更されたと伺いました。

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当院の真横に薬局がオープンしました。院内処方よりも少し手間はおかけしますが、天候が悪い日でもそれほど負担なく薬を受け取れるかなと思っています。院内処方だと薬の在庫が限られますので、例えば総合病院でもらっていた薬と同じものをご用意できないケースもあり、「よく似た薬で様子を見ましょう」となることがありました。院外処方だと患者さんの希望する薬を、薬局さんに入れてもらうこともできますし、新しい薬もすぐに導入してもらうこともできます。また院内処方だと私や看護師が薬の説明をしていましたが、薬局であればより専門的な薬の知識をしっかりと時間を割いて説明してくれますし、「お薬手帳」などを活用して、薬の重複や飲み合わせなども確認してくれるというメリットがあります。

今後の展望を教えてください。

循環器に関連する病気はどんどん増えてきていますし、高血圧、高コレステロール血症、糖尿病など生活習慣病診療をもっと積極的に前面に出していきたいなと考えています。そして認知症の早期発見と治療、そして進行予防に取り組んでいきたいと考えています。大学病院の勤務医時代だったら、例えば月1回の外来通院だけしか患者さんとの接点がなく、患者さんのパーソナルな部分を知ることはできませんでした。しかし開業医であれば、ご家族全員で通院してくれていたり、たまたま町で会って立ち話をしたり、公園でグラウンドゴルフをしている姿を見かけたり、開業医は患者さんと非常に近い、家族構成や生活スタイルが見える位置にいますので、認知症などの早期発見・治療のお役に立てる部分があると考えています。

読者へのメッセージをお願いいたします。

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「早寝、早起き、腹八分、なんでもほどほどに」とお伝えしたいですね。テレビなどのメディアの言うこと、そして医師の言うこともうのみにせず、ご自身でいろいろな情報を集めてご自身で考えて判断していただきたいと思っています。テレビなどの知識で誤ったものがあれば「それは違いますよ」「サプリメントではなく薬を飲んで治しましょう」などお伝えしますが、最終の判断は患者さんご自身です。医師があれこれと上から言っても、人間は強制されると長続きはしませんし、私はそういう医師でもありません。高血圧や糖尿病などは本気で治療するのであれば一生かけて付き合っていくものですし、自己管理も必要です。私からはきっちりと説明はさせていただきますが、選ぶのは患者さん。強制はしませんが、本気で取り組みたいという方はしっかりサポートしたいと考えています。

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