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林 功 院長の独自取材記事

林医院

(西宮市/甲子園口駅)

最終更新日:2019/08/28

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甲子園口駅から徒歩3分の場所にある「林医院」。独自の体制で診療にあたる、遠方から通う患者も多いクリニックだ。診療内容は糖尿病内科、甲状腺・内分泌代謝内科、一般内科。「一人ひとりの患者さんに合わせたチーム医療でしっかり丁寧にサポートしていきたい」と語る林功院長は、穏やかな笑顔とざっくばらんな人柄に包容力が感じられるドクターだ。院内に一歩入ると、吹き抜けの大きな窓から日の光が差し込み、床やドアなどに天然木と白壁が配された空間は、クリニックとは思えないような“ホッとできる空間”。これも待合室で過ごす患者のストレスを少しでも軽減させるよう、林院長の配慮からなる設計なのだとか。そんな林院長に、糖尿病の診療・治療へのこだわりなどについて聞いた。
(取材日2019年2月28日)

専門の医師と医療スタッフによる“多職種チーム医療”

開院した時期と経緯についてお聞かせください。

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開院したのは、2014年です。大学を卒業してから大阪大学医学部附属病院の分子制御内科に入局し、その後市立伊丹病院・大阪大学医学部附属病院・吹田市民病院での勤務を経て、さらに専門的な知識を得たいと思い関西労災病院へ。当時糖尿病内科に臨床でよく知られる先生がいらっしゃったので、その先生を慕って糖尿病内分泌内科で6年間勤めさせていただき、その後開院しました。このクリニックでは、糖尿病内科・内科・リハビリテーション科を掲げていますが、約7割は糖尿病の患者さんです。

糖尿病にはいくつか種類があるそうですね。

糖尿病って、皆さん1種類だと思っている方が多いんですが、1型糖尿病と2型糖尿病、その他の糖尿病、妊娠糖尿病と分類は多種にわたるんですね。その中でも大きく分けると1型と2型に分かれていて、これはもうまったく違う病気と考えられます。2型は生活習慣病を中心に血糖値が上がり、加齢とともに悪化していきやすい傾向があるんですが、1型糖尿病というのは自己免疫機序などでいきなり発症してしまう。そして、インスリンを打たないことには生存ができない状態まで追い込まれてしまうことも。発症する年齢は幅広く、乳幼児が発症することもあります。

こちらの糖尿病の診療における特徴はなんでしょうか?

1型糖尿病専門の外来を設け、多職種によるチーム医療で糖尿病の診療にあたっていることです。クリニックでありながら、臨床心理士・理学療法士・栄養士・検査技師までそろえて、多職種によるチーム医療でそれぞれ抱える問題や環境が違う患者さん一人ひとりに合わせて対応しています。診察室で僕が診られる時間は限られていても、チーム医療をしていると、患者さんに必要なことをそれぞれの専門スタッフが1時間でも2時間でもたっぷり時間をかけて療養指導をすることができます。なので、より丁寧にしっかり対応していくには、チーム医療というのはとても大事だと思っています。治療方針としては、僕の考え方をスタッフが共有し、それぞれのスタッフの専門分野での知識を集結して患者さんに対応していくという感じですね。

開業時から心がけていることは?

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開業時からの一つの目標が、大学病院と同じレベルの医療を提供しようということです。大学病院や基幹病院で勤務していて思ったのは、学生や働いている人は、限られた予約外来の時間内に通院するのは難しいなということ。でもクリニックだと、夜診や土曜日の診療があるので通院しやすい。だからこそ、クリニックで高いレベルの診療を提供できるような環境を整えることを、常に心がけています。

1型糖尿病患者の強い味方としてSAP療法を外来導入

導入している治療法について教えてください。

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患者さんが持っている端末を通して、日々の血糖値や食事内容、バイタルサインなどの患者さんのデータをクラウド上にアップしてもらい、そのクラウドを共有することで、治療における環境を医療従事者と患者さんが共有できるシステムを導入しています。食事内容を写真に撮ってもらってそのままアップしてもらうと、インスリンの投与量がわかりますので、こちらは血糖の動きなど生活環境を把握して分析し、指導していくことができるわけです。あとはSAP療法といって、パーソナルCGM機能を搭載したインスリンポンプ療法ですね。患者さんの肌からリアルタイムで測定される血糖値の変動を患者さん自身がモニタリングしながら、プログラミングしたインスリン量が注入されていくというものです。

SAP療法の、患者さんにとっての一番のメリットはなんですか?

やはり低血糖を起こしにくくなることですね。インスリン治療のリスクに低血糖があって、低血糖自体が脳梗塞や心筋梗塞の発症のリスクになってきますから、低血糖症を防ぐというのはすごく大事なんですね。SAP療法の場合、低血糖になったらインスリンの注入を自動停止してくれるので、より適切に血糖コントロールができます。患者さんの精神的な負担も少なくなってくるということですね。このSAP療法を開院当時から導入していますが、クリニックで外来導入しているところは兵庫県下でも少ないといわれています。そのせいか、遠方からもこの治療を希望して来院される方が多くいらっしゃいますね。皆さん、クチコミやインターネットで調べて来院することが多いです。中には四国から通ってくださる患者さんもいます。

他科の医師とのネットワークが充実していると聞きました。

糖尿病の3大合併症として、網膜症・腎症・神経障害があり、糖尿病の治療には他科の医師とのネットワークはとても重要です。眼科においては、クリニック内で硝子体出血まで対応ができる先生と連携しています。神経障害についても専門のクリニックや大学病院と連携し、腎症については腎臓内科や透析クリニックと密接に関わり合いながら、適切な段階で患者さんのステージに合わせた治療が提供できるようにしています。基本的には、糖尿病に詳しく自分が一番信頼できる医師にサポートしてもらっています。もちろん患者さんが希望する病院がある場合は、それを優先します。

子どもの1型患者に向けて取り組んでいることはありますか?

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1型糖尿病の人にとっては、基礎疾患が難病疾患になるわけです。だから小児の1型の患者さんの場合だと、学校関係者と医療スタッフの連携が必要。そのため、患者さんをサポートするために学校とのチームをつくるようにしています。また子どもだけでなく、大きな病院に通いにくい地方の患者さんに向けて、1型糖尿病患者向けのサイトで、動画配信をしています。かわいらしいキャラクターや音楽で子どもにもわかりやすく、「食べ方と血糖コントロール」や「低血糖のサイン」など、気楽に見ることができ、より治療のモチベーションが上がるような動画を配信し指導しています。

1型糖尿病患者の会や糖尿病教室を開催

患者会や糖尿病教室も開いているのですね。

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1型患者の会を当院と兵庫医科大学病院で立ち上げて、年に数回兵庫医科大学病院で行っています。1型患者・2型患者対象の糖尿病教室は2ヵ月に1回、院内で行っています。糖尿病教室では、理学療法士が運動療法を紹介したり、食事療法を伝えるときはレシピを教えるのを兼ねて食事会を開いたり。患者さんに自由に参加してもらっています。

お忙しい毎日だと思いますが、先生のリフレッシュ法は何ですか?

リフレッシュする時間はあまりないですね(笑)。平日は診療時間以外にもやることがあるので、朝8時から夜11時30分くらいまで仕事です。だから開業してから平日は家で夕飯を食べたことがないんです。休日は日曜日くらいかな。日曜日は普段家にいない分、家族のために掃除・洗濯・料理をしてあげて……。日曜日は一番気合を入れています(笑)。趣味は音楽かな。クラブミュージックがすごく好きで、音楽イベントの協賛などもしています。音楽は老若男女関係ないので、いいですよ。近隣の若者の音楽シーンを少しでもいいので支えていきたいと思っています。

読者へメッセージをお願いします。

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最近、「糖尿病にはこれがいい」という情報が巷にあふれていますが、やはりまずは糖尿病専門の医師にかかってしっかり治療することが大事だと思います。必要以上に不安になったり、過剰治療を受けている人も多いですから、専門の医師のもとで適切にサポートしてもらうことをお勧めしたいですね。

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