必要な医療を適切なタイミングで
患者に届ける地域医療連携
田中整形外科クリニック
(西宮市/苦楽園口駅)
最終更新日:2026/07/31
1994年から地域に密着し、西宮市周辺に暮らす人々の健康を支えてきた「田中整形外科クリニック」。同院を訪れる患者はもちろん、病院や近隣のクリニックから紹介される患者も多く診ているという。その一方で、同院から他の医療機関への紹介も迅速に行う。「必要な医療を必要なタイミングで受けられること。それを提供することがわれわれのようなクリニックとしての使命」と語るのは、2代目の田中寛樹院長。医療機関が役割分担しながら連携し合うことが患者にとっての最適解と考え、病診連携、診診連携、医科歯科連携を重要視する。今回、田中院長に、同院が取り組む医療連携についての考えと、連携を通じてめざす医療のかたちについて聞かせてもらった。
(取材日2026年7月14日)
目次
病院とクリニックが役割を分担し、紹介や逆紹介で地域の患者に適切な医療を提供
- Q地域での医療連携についてどのようにお考えですか?
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A
▲それぞれの強みを生かした連携で最善の医療の提供に努める
当院がめざしているのは、「何か困ったことがあれば田中整形外科クリニックに相談してみよう」と思っていただけるクリニックです。当院では診られないとお断りするのではなく、当院で対応できるところまで対応し、必要に応じて適切な医療機関に責任を持っておつなぎする。ERのように交通整理を行って適材適所に振り分けることも、当院の役割だと考えています。整形外科に限っていっても、小児整形外科が得意なところもあれば、スポーツ整形外科に特化しているところもあり、より専門的な治療が必要な場合は大きな病院がいい場合もあります。それぞれの強みを生かし連携することが患者さんにとっての最善の医療につながると思っています。
- Q患者さんにとっての最善の医療とは何でしょうか?
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A
▲必要な医療を必要なタイミングで受けられることが大切
患者さんにとっての最善の医療とは、どの病院で診てもらうのかではなく、必要な医療を必要なタイミングで受けられること。それを提供することがクリニックとしての使命だと考えています。その実現のために導入したのがMRIです。MRIが必要な疾患は多くあるにもかかわらず、導入している医療機関は限られています。そのため、患者さんが仕事を休んで来院し、別日に大きな病院でMRIを撮り、結果を持ってまた来院となると3日間必要になります。診断までに時間がかかることは地域課題の一つと感じていました。そこで当院では院内でMRIの検査を行い、診断までの時間を短縮して必要なタイミングで治療を開始するように努めています。
- Qこちらでは医科歯科連携を重要視されているそうですね。
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A
▲骨密度測定器を導入。簡単に検査が受けられる環境を整えている
当院が注力している骨粗しょう症は、骨折を予防するためにも早期発見、早期治療が重要な疾患ですが、自覚症状が乏しく、治療につながっていない患者さんが多いと感じています。実は骨粗しょう症と歯科は切っても切り離せない関係で、日々歯科の先生は患者さんのお口を診る中で「骨が危なそう」「骨粗しょう症だな」と気づくことが多いのです。そのため当院で簡単に骨密度の検査ができることを伝えていただければ、少しでも早期発見・早期治療につながるのではと思っています。また骨粗しょう症の薬と顎骨壊死の関係が指摘されていますが、情報を共有して患者さんが適切な治療を受けられるよう医科歯科連携を強化することも必要だと考えています。
- Q術後の患者さんのリハビリテーションも行っているそうですね。
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A
▲病院とクリニックの連携で患者が安心して治療を継続できる
当院は、西宮協立脳神経外科病院や明和病院、西宮回生病院といった病院と連携。例えば、人工股関節置換術や骨折の手術などを受けられた患者さんに、術後のリハビリの受け入れを行っています。病院とは患者さんの症状について情報共有を行い、手術をした主治医の意見を最優先にリハビリ計画を立てて実施します。二人主治医制のような体制を取り、普段の経過観察やリハビリは当院で、数ヵ月ごとの診察は病院でと、適切な役割分担を行っています。何か問題があれば病院の先生と情報共有を行います。病院とクリニックが連携してこまやかに対応することで、患者さんが安心して治療を継続できるようにしています。
- Q病診連携だけでなく、他科のクリニックとも連携されていますね。
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A
▲10年後、20年後の地域医療について考えている院長
はい。他科のクリニックに整形外科疾患で相談があれば紹介を受け入れています。またMRIを導入しているため、医療機関からの依頼でMRI撮影も承っています。整形外科という領域においても、患者さんをほかの病院に取られたくないからと当院で囲い込むのではなく、疾患によって、例えば「小児整形外科の先生に診てもらったほうがいいな」と診断したら迅速におつなぎします。また整形外科に相談が多い爪の症状は皮膚科に、顔のケガであれば形成外科にと、専門的な治療が受けられるよう紹介しています。そのため、当院では地域の開業医の先生方との顔の見える関係づくりにも努め、医師会や薬メーカー主催の会合にも積極的に出席しています。

