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毛利 大介 理事長の独自取材記事

毛利耳鼻咽喉科医院

(尼崎市/尼崎駅)

最終更新日:2023/11/02

毛利大介理事長 毛利耳鼻咽喉科医院 main

JR神戸線尼崎駅南口から歩いて10分。県道を挟んで工業高校の真向かいにたたずむ「毛利耳鼻咽喉科医院」は、昭和の時代から尼崎市内で続く地域密着の医院だ。現在リーダーシップをとるのは、3代目となる毛利大介先生。「耳鼻咽喉科というのは、首から上の全部が診療範囲内。診ないのは目ぐらいですね」とにっこり笑う、その余裕ある表情とは裏腹に、芦屋にある分院との間を足繁く行き来しながら診療をしつつ、理事長として2院を束ねるという多忙な毎日を送っている。そんな毛利理事長に、医院の基本スタイルや治療へのアプローチの仕方、診療時の心がけなどをじっくり聞いた。

(取材日2019年3月11日)

チーム医療を重視し、適切な診療を提供

こちらは歴史のある医院だそうですね。

毛利大介理事長 毛利耳鼻咽喉科医院1

もともとの医院は40年以上も前に私の祖父が開いたもので、もっと南の杭瀬の国道2号線沿いにありました。ここは父の代になってから分院として建てたものです。私自身は大学病院での勤務を経て芦屋に自分の医院を開業したのですが、4年前に父が亡くなったのを境にそこを別の先生に任せ、私が理事長としてこちらをメインに仕事をさせていただくことになりました。ちなみに、隣にある眼科は私の弟が運営しています。

こちらには、どのような症状の患者さんが来られますか?

中耳炎やアレルギー性鼻炎、めまい、咽頭炎、蓄膿症などが中心で、あとは季節ごとの症状というものがあって、春や秋は花粉症、冬はインフルエンザや風邪の症状で来られる方も大勢いらっしゃいます。中には「おなかが痛い」と言って来られる方もおられますが、一応薬をお出しして「効果がなければ内科へ行ってくださいね」とお伝えします。地域で診療しているからには、それも私たちの役割ですからね。患者さんに関しては紹介やクチコミで来られる方が中心ですから、その意味ではコミュニケーションもよく取れていて、私たちも非常に診療しやすい環境にあるといえますね。

現在の診療体制について教えてください。

当院には私以外に2人の医師がいて、ここと芦屋院の2院を3人で交代しながら診療を行っています。1人は私の元上司にあたる先生で、もう1人は芦屋院の院長。全員が大学病院出身という、いわば大学病院の診療をこちらへ引っ張ってきたような形になっています。また、基本的に「この患者さんにはこの医師」という担当制にはしていません。そのほうが多くの目で見ていろいろな治療法を考えることができますから、患者さんにとってはメリットがあると思います。また、私たちもずっと同じ院内で診療を続けているより、行ったり来たりして環境を変えたほうがモチベーションが上がりますからね。

診療スペースはずいぶん広いですね。

毛利大介理事長 毛利耳鼻咽喉科医院2

ここは診察室と処置室を兼ねたスペースになっていて、聴覚平衡検査室やエックス線室の他、10台の吸入器スペースも用意しています。診療チェアの前にカウンターがありますが、これは診療と事務を隔離する意味があって、医師や看護師、臨床検査技師がカウンターの中へ入ることも、事務スタッフが診察スペースへ出てくることも基本的にはありません。これは、医師、看護師、事務スタッフと、それぞれの役割や仕事場を明確に分け、互いの領域に入らないことで一定の業務レベルをキープしようという意味があります。小さな医院であっても、こうして義務や責任をはっきりさせることは重要で、それが当院のチーム医療のベースとなっています。

一日でも早く苦痛から解放してあげたい

こちらの診療方針を教えてください。

毛利大介理事長 毛利耳鼻咽喉科医院3

耳鼻咽喉科は基本的に視診が中心ですから、目で見ればだいたいのことはわかります。その意味でも「すべてを早く」というのが私の医療モットーで、診断をなるべく迅速に行い、治療はできる限り短期集中で終わらせる。要は、患者さんを苦痛からなるべく早く解放してあげるというのが一番の目標です。例えばウイルス性の症状の場合、検査結果が出るまで治療できないのでは患者さんも困りますから、これまでの経験からある程度疾患を想定して治療を開始します。可能性が高いものから試していって、修正していくほうが早いからです。もちろん経過が長くなる病気もありますが、少しでも症状のレベルを下げられるように取り組んでいくことが大切です。短期では無理だということがわかれば、相応のやり方に切り替えていく。その治療方針をきちんとお伝えすることも重要ですね。

診療時に心がけていることはありますか?

患者さんに説明する際に、専門用語をなるべく使わないことです。皆さん、鼓膜という言葉自体はご存知でしょうが、実際に見たことはまずありませんからね。私はよく耳の構造を太鼓に例えるのですが、「太鼓の皮にあたるのが鼓膜で、中に空洞があるんですよ」と説明しています。鼻の場合、蓄膿といっても鼻の病気ということぐらいしかわからないでしょう。鼻の中には空気清浄機のようなものがあって、空気をきれいにしながら汚いものをためています。ためたものが出ない、それが膿がたまる蓄膿という病気なんです。こうした言い回しをしながら、なるべく平たく解説してあげることですね。

近頃はアレルギー性鼻炎で悩んでいる人が多いようですが。

毛利大介理事長 毛利耳鼻咽喉科医院4

アレルギー性鼻炎というのはその名のとおり、アレルギーが原因で起こっている鼻の炎症です。それを見極めるために細胞検査をして薬を処方するのですが、薬にはものすごくたくさんの種類があって、実際に使ってみるまではわからない部分があります。それで、まずは一般的なものから試していき、そこから調整していくという方法を取ります。昨年も同じ症状でこの季節に来たという方なら、その時の薬がうまく作用したのであれば同じ薬でいきますし、あまり変化がなかったのであれば別の薬を試してみるという形です。中には患者さんが花粉症だと思っていて、ただの風邪だったという場合もあります。風邪の症状の場合もこちらで処方できますから、遠慮なくご相談いただければと思います。

一人で悩まず、まずは相談をしてほしい

理事長が医師になったのは、やはりお父さまの影響ですか?

毛利大介理事長 毛利耳鼻咽喉科医院5

祖父も父も医者でしたから、医療人に囲まれた環境で育ったという影響はあったと思います。大阪歯科大学に耳鼻科があり、父はそこの教授をしていましたので、私もその下で仕事をしていた時期があります。父は75歳で亡くなるまでここで診療を続けていて、私も常に顔を合わせていましたが、それぞれタイプが違いますから互いに苦手な部分を補完し合えるといいますか、それが現在の体制のヒントになっているのかもしれませんね。やはり一人じゃないということは心強く、「これはどうかな?」と思っていることでも、他の先生が診て同じ意見なら確信が得られますからね。

プライベートはどうお過ごしですか?

特に趣味と呼べるものはありませんが、おいしいものを食べに行くのは好きです。数ヵ月に1回、ちょっと奮発して1食1万円ぐらいのお店に行く会をやっていますし、また別のグループでは1万円で4軒ぐらい回ります(笑)。一人の時は読書ですね。私は西宮の自宅からここまで電車で通っていますので、通勤中などに同時進行でだいたい3、4冊を回し読みしています。暇つぶしというよりは、常に何かの情報を仕入れていたいんですね。書店に行けば、それこそ10冊ぐらいをまとめて大人買いしてしまいますから、読んでいない本がどんどん増えるんです。で、読みきらないうちにまた買っちゃいますからね。ちなみに、うちは妻と娘の3人家族で、よくみんな一緒に出かけますよ。娘は医大をめざして勉強中ですが、私にもまだまだ付き合ってくれています。

今後の豊富や読者へ向けたメッセージをお聞かせください。

毛利大介理事長 毛利耳鼻咽喉科医院6

現在と10年前、20年前が違っているように、10年後はまた時代も状況も変わっていることでしょう。そこへ向けて今まで以上にホスピタリティーをレベルアップし、患者さんにより気持ち良く通っていただける医院にしたいと考えています。あと皆さんにお伝えしたいのは、「何か調子がおかしい」「どうしよう」と一人で気をもむよりは、気になることがあればまずは医院に相談いただきたいということ。悩んでいても何も変わりませんし、自分でいろいろ調べて情報を仕入れたところで、それがそのまま当てはまるかどうかもわかりません。相応の医療機関で診てもらえば済むことだと思いますから、専門家に聞いたほうが早いという考えで、一日でも早く不安や苦痛から自分自身を解放してあげてください。

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