全国のドクター8,892人の想いを取材
クリニック・病院 161,002件の情報を掲載(2021年11月29日現在)

  1. TOP
  2. 兵庫県
  3. 尼崎市
  4. 園田駅
  5. 医療法人 くまがいこどもクリニック
  6. 熊谷 直樹 院長

熊谷 直樹 院長の独自取材記事

くまがいこどもクリニック

(尼崎市/園田駅)

最終更新日:2021/10/12

77195 %e3%81%8f%e3%81%be%e3%81%8c%e3%81%84%e3%81%93%e3%81%a9%e3%82%82%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%8b%e3%83%83%e3%82%af

阪急神戸本線・園田駅から歩いて約3分の場所にある「くまがいこどもクリニック」。入り口のドアを開けると目に入ってくるのが、吹き抜けの空間が気持ちいい待合室だ。天井から日差しが差し込む明るい空間が、診察を待つ不安な気持ちを和らげてくれる。院長である熊谷直樹先生は、大学を卒業後、兵庫医科大学での長い勤務経験を経て1991年に同クリニックを開業した、小児科のスペシャリストだ。風邪などの疾患から予防接種まで総合的に扱うプライマリケアを軸に、小児心理カウンセリングなども提供し、地域に根差した診療を行っている。「小児科医師になって後悔したことは一度もありません」と語る熊谷院長に、これまでの道のりやクリニックの診療について話を聞いた。

(取材日2020年11月17日)

地域の子どもの成長を見守る小児科の医師に

まず医師をめざしたきっかけからお聞きします。

1

小児科の医師をしていた父の影響が大きいですね。大阪市北区で医院を営んでいたのですが、私が子どもの頃は自宅兼クリニックという環境。患者さんがいる院内を私も出入りしていたので、自然と父が診察する姿を見て育ったんです。とはいえ思春期の頃は、親が医師だからといって自分は医師にならないぞと反発していましたね(笑)。そんな気持ちが変わったのは、夜中でも電話がかかってきたらその患者さんの家に診察に訪れるなど、地域の人を手助けする姿を目の当たりにしたからです。私も子どもが病気に打ち勝つ手助けをできる小児科の医師になりたいと、父と同じ道を選びました。

開業までの経歴について教えてください。

岐阜大学医学部を卒業後、西宮市にある兵庫医科大学病院で約16年間働きました。当時は設立されたばかりで、診療科目も今ほど細分化されておらず、軽い風邪の症状から悪性腫瘍まで、実にさまざまな患者さんを診察しました。おかげで患者さんの症状を総合的に診る力や、判断力を養うことができたと自負しています。

カナダの小児病院への留学経験もあるとか。

2

1988年から約1年半、カナダのトロントにある小児病院へ留学しました。小児科医師として見聞を広めるため海外での経験を積みたいと思い、自分で手紙を送り依頼したんです。リサーチフェロー(特別研究員)として赴き、新生児の肺の疾患をテーマに研究を行いました。留学の間は、小児病院の外来を見学する機会もありました。日本に比べて、1人あたり20~30分かけて診察を行うなど、診療時間の違いに驚かされました。また親からのどんな些細な質問にも逐一丁寧に答えていることにも感銘を受けました。この時感じたことは今も大切にしたいと思っています。

患者と家族に寄り添い、見守る手伝いがしたい

小児科の医師としての喜びを感じるのはどんな時ですか?

3

1991年に開業して以来、患者さんとそのご家族に寄り添う医療を提供したい、地域で人々の健康を見守るお手伝いがしたいと願って、地域に合った医療のかたちを一生懸命追い求めてきました。今、小さい時に診ていた患者さんが成人し、結婚して自分のお子さんを連れてきてくれた時、「私も小さい頃に先生に診てもらったんですよ」と声をかけてくれたりするんです。そんな時、小児科医師冥利そして開業医冥利に尽きるなあと心から思えますね。患者さんの症状で多いのは、鼻・咳、発熱です。そのほかにも、湿疹や目やに、歩き方が気になるなど、お子さんのことに対して総合的な診断が可能です。整形外科や眼科など、専門的な治療が望ましいと考えられる際は適切な病院へつないでいきます。何か気になることがあれば気軽にご相談いただけたらと思います。

予防接種のスケジュールを説明する時間を設けているとお聞きしました。

約8年前から、一般診療の時間とは別に予防接種相談専用の時間をつくりました。数年前と比べて予防接種の種類が増え、「どういう順番で受けたらいいのか?」「これとこれは同時接種できるのか?」などの質問やご相談が多く寄せられるようになったんです。そこで落ち着いて説明させていただくために、ご予約いただくと約15分間、予防接種の種類や必要性、定期接種と任意接種について、副反応、これから数ヵ月間のスケジュールなどを看護師から説明します。親御さんからは「丁寧でわかりやすい」という声をいただいています。

育児の悩みも気軽に相談できるそうですね。

4

はい。特に初めて子どもを持った親御さんにとっては、病気ではなくても「部屋の温度を何度に設定したらいい?」「何枚服を着せたらいい?」「頭の形が気になる」など、気になることはたくさんありますよね。栄養、発育、身体、排せつ、睡眠、日常生活など、ちょっとした育児の不安を解消できるように相談シートを作りました。気になる項目にチェックを入れていただき、お話をさせていただければと思います。少しでもお母さん、お父さんの不安をなくし、楽しく子育てができるお手伝いができればと思っています。

スタッフの数が多いのも、こちらのクリニックの特色ですね。

医師、看護師、臨床心理士、事務スタッフ含め現在20人のチームで取り組んでいます。町のクリニックとしては多い診療体制だと思いますが、結果日々の業務に余裕が生まれ、きめ細かな医療を提供することができています。例えば、診察前に具合の悪いお子さんを気遣うことができますし、診察後も「ドクターに聞き漏らしたことはありませんか?」「ほかに心配なことはありませんか?」など、十分なフォローも行えます。患者さんから、診察時には「こんなことを聞いてもいいのかな?」と躊躇していた質問や悩みをお話いただくこともあるんですよ。スタッフ全員で患者さんにきめ細かにお応えしていきたいですね。

親の不安を軽減できる、身近な小児科でありたい

クリニックで行っている小児心理カウンセリングについて教えてください。

5

週2回、心理カウンセリングが受けられる時間枠を設けています。発達の遅れや不登校などの問題でお悩みのお子さんや保護者を対象として、心の専門家である臨床心理士が約1時間かけてじっくりお話を伺い、発達検査やアドバイスを行います。患者さんの中には、不登校だけども当院にだけは通える方もいます。思いの丈を素直に言える場所、安心できる空間にできるよう、お一人お一人に寄り添っていきたいと思います。

診療は予約制で、院内処方も行っているとお聞きしました。

当クリニックでは開業間もなくから予約制を導入しています。今はどこのクリニックでも予約制が浸透していますが、導入した頃はあまり一般的ではありませんでした。しかし予約ができないことで、寒い中診察券を入れるために開院前の入り口に列ができることもあり、そんな親御さんの負担を軽減したいという思いから予約制を導入したのです。結果、急患の患者さんが来られたときなどはお待たせすることもありますが、待ち時間を短縮できスムーズな診療につながっていると思います。また院内処方は、診察後にその場で薬をお渡しできるので院外の薬局へ薬を取りに行く必要がないため、小さなお子さんを抱えた親御さんの負担を減らせるのではないかと考えています。

ところで、先生の趣味について教えてください。

6

以前は「仕事が趣味」という感じだったのですが、年齢を重ねていくうちに、そうも言っていられないなと、体力づくりを兼ねて約20年前から山歩きを始めました。六甲山を3~4時間歩いて帰ってくるだけなのですが、これが結構大変。また家からクリニックまではひと駅ですが、行きか帰りのどちらかを歩くようにしています。これからも健康維持のために続けていきたいですね。

最後に、今後の目標について教えてください。

開業から約30年。大きく変化したことといえば、スマートフォンの発達によって情報過多の時代になったことでしょうか。いろんな育児情報が手に入り、調べるほど不安に感じるご両親も多いことでしょう。ですから当院では正しい情報を伝えて親御さんの不安を解消し、子育てが楽しいと思える手伝いをしていきたい。敷居の高くないクリニックなので、少しでも心配なことがあれば相談してほしいですね。子育ての不安・負担を抱え込んだら大変ですから。私自身は小児科医師になって後悔したことは一度もありません。これからも謙虚な気持ちを持ち、地域の子どもたちが健やかに育つよう、さまざまなかたちで育児支援をしていきたいと思っています。

Access