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南 和光 院長の独自取材記事

小沢医院

(神戸市中央区/大倉山駅)

最終更新日:2021/10/12

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県庁前駅と大倉山駅の間、山手幹線を少し山手へ入ったところの閑静な住宅街に佇む「小沢医院」は大正年間に開業した診療所。開業当初より地域に根差して診療所を続け、現在の南和光先生が3代目の院長となる。南院長が同医院に勤務し始めた阪神淡路大震災より前の頃から、外科と麻酔科も診療科目に加え、積極的に往診にも出かけるようになり、地域との関わりを深めながら現在の在宅・訪問医療態勢への礎を築いてきた。また医院隣では、デイサービスと居宅介護支援事業所「ケアセンターそよ樹」を運営し、介護と医療の両輪で高齢者を中心とした地域住民の健康生活をサポートしている頼もしい存在だ。今回、南院長に地域医療にかける想いなどさまざまに話を聞いた。

(取材日2019年1月10日)

地域に根付き、長く住民を見守ってきたクリニック

こちらは、戦争や震災などを経験した歴史深いクリニックなのですね。

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この医院を開業したのは私の義祖父にあたる人で、開業当時はレントゲン診断など放射線科の診療を中心に行っていたそうです。当時、レントゲンはまだまだ希少で、現代のように必ず各医院に設置されているものではなかったようです。ですから、他医院からの依頼で患者さんをレントゲン撮影するという専門性の高いクリニックだったのだろうと思います。現在のPET検査のような存在でしょうね。そういう意味では開業した義祖父は先進的な考えの持ち主であったのでしょう。その後、内科などの一般診療も行うようになり、以来、この地で地域診療を続けてきております。一貫して地元の方々の健康生活をサポートする、地域に密着した診療所という目的と立場は、今の私の代まで脈々と受け継がれており変わることはありません。

院長がこの「小沢医院」に勤務されるまでのキャリアをお教えいただけますか?

昭和から平成へ変わるというタイミングにこの医院へ赴任しましたから、早いものでもう30年になりますね。ちょうどその頃に現在の建物に建て替えて、当時は先代の院長との2人体制で診療にあたっていました。私は地元の出身ですが、関東の医学部を卒業してから、縁あって岡山大学病院の外科や麻酔科で勤務し、そこで臨床医としてのキャリアをスタートしました。その後は、香川や高知など四国各地の病院や診療所で、主に肝臓、胆のう、すい臓などの消化器系を中心に診療して経験を積んできました。途中、救急救命医療にも携わった時期があり、麻酔科と合わせてそのスキルが今の地域診療にも大いに役立っていると実感しています。四国は環境、気候、風土も私に合っていて大好きで、今でも年に2回は旧友と親交を深めるため、訪れているんですよ。

長年にわたり地域医療に貢献されていますね。ポリシーなどをお聞かせください。

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およそ30年前、私がこの医院に勤務し始めるときに診療科目に外科と麻酔科を加えました。これによって、さらに地元の方に頼っていただけるクリニックとなったと自負してます。そして積極的に往診へも出かけるようにしました。客観的に考えても、病気でもケガでも住まいの近くで気軽に行けたり、状況によっては家に来てくれるような診療所の存在って、心強いですよね。常日頃から私が思っているのは、地元の方々にとっての「ファミリードクターでありたい」ということです。実は一時期、住まいは西区にあったんです。西区といっても地下鉄に乗れば通勤時間はさほどかからなかったのですが、やはりいざという時には遠い。そして何よりご近所付き合いや日頃からの触れ合いも大切だなと感じて、現在は医院の隣に住んでいます。隣りですから、緊急時には24時間対応できますよ。これでさらに安心感を増していただけることと思っています。

診療と介護。その両輪で地域の高齢者ニーズに応える

在宅・訪問診療も積極的に行ってらっしゃるようですね。

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定期的に訪問して診察する「訪問診療」が制度化される以前より、いわゆる「往診」というスタイルでよく患者さんのお宅へ出かけていました。もう20年以上も前から実施していますが、この都心部でもやはり高齢化は進んでいますので「訪問・在宅診療」というニーズはさらに高まっていると実感しています。もちろん院内診療がありますので時間に限りがありますが、「待ってくれている」と思うと、休憩時間を削ってでも少しでも多くの患者さん宅へ訪問したいという思いでいます。数年前、訪問した時に80歳の女性が心肺停止状態となっていて、蘇生器具を持ち合わせていなかったのでマウストゥマウスで人工呼吸を施したこともあります。蘇生後にご本人から「もうやめて」と言われ、周囲に笑いが起きたのは良く覚えています。

隣接して介護事業所も運営されていますね。

訪問診療によって患者さんの声などから介護ニーズを実感し、およそ10年前からデイサービスや居宅看護支援事業所、訪問リハビリテーション施設「ケアセンターそよ樹」を運営しています。介護施設は医療との連携が不可欠ですが、当院と同時運営することによって相互補完しながら、医療連携をスムーズに実現できるようにしています。地域の高齢者の皆さまが1日でも長く、健康的な生活を続けられるようにサポートしています。また利用者の方々には、医療機関と一体運営となっていることで安心してご利用いただけているものと思っています。

日々お忙しいようですが、大学での講義も受け持ってらっしゃるのですね。

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後輩に頼まれて引き受け、もう7年目になりますが、なかなか大変ですね。兵庫県三木市にある大学で保険医療学部の非常勤講師を務めています。この学部では、将来看護師を志す学生が学んでいて、主には解剖学や生理学、公衆衛生の分野で教壇に立っています。ここは地域の高度な先進医療を担う総合医療センターと連携し、優秀な看護師を育てる環境を整えており、こちらも身の引き締まる思いです。看護は実践の科学とも言われているようなので、私の臨床経験や実際の現場の生の知識が役立つと思うとやりがいも感じられますし、うれしくもあります。講義自体は苦も無く大好きなのですが、試験問題づくりにはいつも頭を悩ませられています(笑)。

いつも笑顔で地域医療を支えるファミリードクター

場所柄、阪神・淡路大震災の際は大きく被災されたのではないですか?

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幸いなことに、このクリニックの下は堅い岩盤になっているらしく、揺れで室内のものはひっくり返りましたが、建物自体に損傷はありませんでした。ただ、道路を隔てた東側の住宅地は壊滅状態で、多くの方が亡くなられたのはとても残念です。電気は比較的早く復旧しましたので、とにかく必死で片づけて、なんとか地震から3日後には診療を再開できましたが、しばらくはごった返して大変でした。当時は院内処方でしたから薬剤の欠品を一番心配していましたが、交通網が各所で寸断されている中でもしっかり供給されて助かり、また感動しました。そんな経験もあり、東日本大震災の際にはJMAT(ジェイマット)と呼ばれる日本医師会が運営する災害医療チームに参加し、被災地での医療支援に赴きました。これは自身にとっても貴重な経験となりました。

ところで、趣味などはお持ちですか?

今は忙しくて残念なことに趣味を持つ時間が無いというのが実状ですね。地域密着型のクリニックをされているドクターは、皆さん同じではないかと思いますよ。夜中に救急治療もありますしね。医師はできること、つまり許可されていることは多いのですが、逆に言うと、しなければならないということですので、時間が足りないくらいです。「町医者に休み無し」です。さすがにもう事務関係のことは妻に任せていますが……。でも、勤務医時代と比べたら忙しいながらも日々がとても充実しています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

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高齢化が進んでいるためでしょうが、いわゆる生活習慣病の患者さんが増えていますよね。とくにメタボリックシンドロームの方が多いですね。いずれにしても予防できることですので、日常からご自身で少しでも意識して気を付けることが大切だと思います。そして、もし病院で診てもらうことになれば、薬を処方されるとは思いますが、処方された薬は必ず医師の指示通りに最後まで服用してくださいね。意外と薬に抵抗がある方が多く、また血栓予防薬などすぐに効果を実感できないような薬もありますが、自己判断で服用を中止しないようにしましょう。

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