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蓮池 典明 院長の独自取材記事

有床診療所はすいけクリニック

(神戸市北区/鈴蘭台駅)

最終更新日:2019/08/28

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鈴蘭台駅から徒歩2分の場所にある「有床診療所はすいけクリニック」は、胃腸内科・緩和ケア内科・内科・放射線線科を標榜する。長年、同地で内科・小児科の診療所を開いてきた父から継承した蓮池典明院長が、2018年1月、有床診療所としてリニューアル開院。在宅療養と入院治療をつなぐ「在宅以上・病院未満、居心地のいい施設」を掲げ、患者に寄り添う。長年がん専門病院に勤務し、消化器の内視鏡診療、がん治療を専門とする蓮池院長は、早期発見・早期治療の重要性を痛感。若年層に内視鏡検査を受けてもらうため、通いやすいよう土日の診療も実施している。外来・在宅・土日診療・病棟と多忙を極める蓮池院長に、その原動力、クリニックの特色、がん治療への思い、内視鏡診療などさまざまな話を聞いた。
(取材日2019年3月18日)

がん治療の専門家として、早期発見・早期治療に全力

青と白の外観がとてもきれいなクリニックですね。開業までの経緯を教えてください。

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大学を卒業後、大阪や兵庫の病院、がんセンターなどで研鑽を積んできました。私の父が医師で、もともとこの地で45年くらい内科・小児科の自宅併設医院を開業していました。地元に戻って、父に少し手伝ってもらいながらこの有床診療所を運営していこうと考えていたですが、2018年1月、医院の内覧会後に父が急逝したんです。そのため、悲しみの開院とはなりましたが、以来ずっと一人で診療してきました。

注力している診療を教えてください。

私の専門分野は消化器なのですが、中でも内視鏡検査やがん治療を専門にやってきました。クリニックを開業するにあたり、これまで培った経験を生かしたいと考え、内視鏡検査での早期発見・早期治療、終末期の緩和治療・緩和ケアに注力しています。病院勤務時代のような抗がん剤治療はできませんが、技術と機械があれば一人でも対応可能な内視鏡検査においては、早期発見・早期治療のために若年層にも検査を受けてもらいたいと、土日も実施しています。「内視鏡はつらい、苦しい」というイメージがあると思いますが、鎮静剤を用意するなど楽に受けられるような環境づくりにも努めています。

先生おひとりで外来、内視鏡、土日診療、訪問診療、そして病棟とお忙しいですね。

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私は大変恵まれていて、特に胃がん治療の内視鏡分野では前線で経験を積ませていただきました。今も私の仲間たちは前線で休みなく頑張り続けています。そのことを思うと、忙しくても私のできることを自分でできる範囲で精いっぱいやりたい・やろうという気持ちが強いんです。また先ほどお話したように、若年層は仕事が忙しかったり、さまざまな事情で調子が悪くても検査に行けないこともあるでしょう。それでは病気が進行してしまいます。がん治療の世界で生きてきて「早く見つけてあげられてたら」と思うことは多々ありました。当院には入院患者さんもおりますので、もともと土日は休みではありません。どのみち開けているのだから「やりたいこと」である内視鏡検査もやろうと思ったんです。

患者に寄り添い、最善の選択を提示したい

入院設備を10床有していると伺いました。

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当院は在宅療養支援診療所で、国も在宅療養に力を入れていますが、現状では終末期の患者さんをどこで診療したらいいのかなど課題が山積みです。今は病院と在宅はまったく別のカテゴリーと捉えられますが、当院はできるだけその垣根がなく選べるようにして差し上げたい。家にいられない症状になったら当院に、家に帰りたいなら在宅にと掛け持ちもできるよう、患者さんが困っていることにアプローチできるよう体制を整えたいと思っています。多くの患者さんは「誰に診てもらうか」を重要視していると思いますので、プライマリケアを行う私が責任を持ち、在宅、緩和ケア・治療、介護などその地域で最後まで看ることが理想だと考えています。

そうした思いに至ったきっかけはあるのでしょうか。

国立がんセンターなどがん専門機関に長く勤めていたのですが、がん治療はどんどん進化して、私はそれが皆の幸せにつながると信じていました。しかし病院に戻ると患者さんの苦悩は新たなステージに進んでいて、病気を治す技術は進んだけど、心のケアが不十分だったり、積極的な治療ができなくなったら病院を移るよう言われたり……。治療が効かない時こそ専門家が手を差し伸べるべきであって、治療できる人だけ治療するのであれば機械でもできる。私はがんを治療する医師で内視鏡が専門ですが、それに捉われず最善の選択を提示し、患者さんが人生を生き切るまで寄り添うスタンスを取りたいと思ったんです。

患者さんに接するにあたり心がけていることはありますか。

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時に病気に傷つけられ、時に信頼している病院やお医者さんに傷つけられ、患者さんが世の中をさまよっている状況を目の当たりにしてきました。そういう経緯で当院にたどり着いた方は当院や私にも不信感を抱いていると思うんです。その気持ちを和らげるには初回が大事だと思っているので、明るくあいさつするといったことはもちろん、最短の距離と時間で患者さんが本当に困っていることを拾い上げて“安心を返す”ようにしています。そしてがん治療や緩和治療を特別視しないように、風邪を引いた、軽い頭痛がするなど命に関わることがないような症状でご来院いただいた方と同じように、「その人における最善を選択する」気持ちが重要だと思っています。

早期発見・治療、リスク層別化のため内視鏡検査を

スタッフの方も多く在籍されていますね。

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当院には受付スタッフや看護師のほか、メディカルアシスタントと呼ばれるスタッフも在籍しています。これまで医療の世界では、医師は医師、看護は看護、介護は介護、と専門職が実権を握ることで専門的になりすぎ、患者さんそっちのけで議論が始まるような傾向がありました。私たちが患者さん側の感覚を失わないようにするためにもメディカルアシスタントの目線は重要だと思います。採血などの処置は看護師が行いますが、それ以外のケアや医療補助、病棟での介助などは、看護師にもアシスタントにも担当してもらっています。すべてのスタッフが医療に関わっているプライドを持ってもらいたいですし、患者さんが誰にでも気楽に話しかけられるように、みんな同じ白衣を着用してもらっています。入院患者さんに出す食事も調理スタッフの手作りで、常に「在宅以上・病院未満、居心地のいい施設」をキーワードに考えています。

今後の展望を教えてください。

私の専門分野である内視鏡検査をもっと広げていきたいと考えています。開業初年の内視鏡診療は1300件ほどでしたが、2年目の2019年は2000件程度を目標にしています。私が専門とする胃がんや大腸がんといった消化器がんは早期発見すれば多くが治療できる時代です。一方で検査をしていなければがんも発見できず治せるものも治せません。ですから目標値くらい実施できないと本当の意味での貢献度は低いんです。また私はがんの治療開発してきた立場として当然責任を果たすべきであって、開発だけして治療に至らないのは私たち専門家の怠慢だと思います。検査をしても便潜血が陰性の早期がんはいくらでもあって、検査を受けたら安心ということはありません。しかし、所見からリスクの高低、層別化ができる時代です。胃の調子が悪い、胸やけがする、便秘、家族にがんの人がいるなど、気になることがあれば何でもご相談ください。

最後に読者へのメッセージをお願いいたします。

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患者さんが困った時にどんなことでも相談しようと思っていただける、そこで私たち医師の価値が決まると思っています。「風邪で何日も元気が出ないの」といったことから、「これはどう決断すべきか」といった命に関わるような判断までさまざまありますが、本当の意味で命の相談ができる場所はとても少なくなっていて、医師抜きで医学的な判断から離れた情報を並べて想像だけで考えてしまうことも多いんです。私にもできること、できないことがありますが、どなたでもまずは相談してください。多くの患者さんにとって、誰に診てもらうかは重要ですから、もし私でできないことがあれば私が信頼できる先生につなげます。だからこそ医療分野は医師に頼ってもらいたい、ということをお伝えしたいですね。

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