小野 正大 先生の独自取材記事
医療法人社団ヒロメディカル 小野クリニック
(神戸市須磨区/須磨駅)
最終更新日:2026/01/26
約30年にわたり須磨の地に根差してきた「医療法人社団ヒロメディカル 小野クリニック」。標榜科目は外科、循環器内科、消化器内科、小児科。外来診療に加えて在宅医療や管理栄養士による栄養指導、通所リハビリテーションにも対応。「安心」をコンセプトに、子どもから高齢者まで幅広い世代の健康を支えてきた。今回話を聞いたのは、2025年4月から同院の診療に加わり、父である小野一広院長をサポートしている小野正大先生。同院の診療体制や、専門である消化器内科や内視鏡検査への考え方、診療で大切にしている距離感などを語ってもらった。
(取材日2026年1月5日)
子どもから高齢者まで、生活に入り込む医療を
クリニックの開業の経緯と、これまでの歩みについて教えてください。

院長である父はもともと外科医で、民間の病院に勤めながら訪問診療にも結構関わっていました。そこで「患者さんのそばに行く医療を大事にしたい」という思いがあり、30年ほど前にこのクリニックを開業しました。最初は近くの老人ホームの一角をお借りして、いわば継承開業のようなかたちでスタートしたと聞いています。その後、少しずつ手狭になってきたこともあり、10年ほどして今の場所の近くへ移転しました。現在は自社ビルとなり、地域のニーズに応じて機能を広げてきました。2025年4月からは病児保育も始まり、「困ったときに相談できる場所」として、地域のインフラのような存在をめざして歩んできたクリニックだと思っています。
先生が本格的にクリニックの診療に加わったのはいつからですか?
本格的に関わるようになったのは2025年4月からで、今は月曜日から水曜日の週3日、こちらで診療をしています。それ以前は、土曜日にたまに来たり、2週に1回程度お手伝いしたりするくらいで、いわばスポット的な関わり方でした。その頃は、特定の診療科に絞るというよりも、院長をご指名ではない方や急ぎで診察が必要な方、久しぶりに受診される方などを中心に診ていましたね。院長も70歳を目前にしていて、個人的には親孝行の意味合いもあって、少しずつこちらに戻ってきた、という感覚です。どちらか一方に重心を置くというより、選択肢を残しながら関わっている、というスタンスに近いかもしれません。
現在の診療体制について教えてください。

院長が外科と循環器を中心に担当し、私は消化器内科を専門として、おなかの痛みや出血などの症状を主に診ています。一方で、小児科については開業当初からクリニックとして大切にしてきた分野で、2人で診るようにしています。風邪や胃腸炎といった感染症はもちろん、気管支喘息やアトピー性皮膚炎、食物アレルギーなど、小児期に多い疾患にも継続的に向き合ってきました。近年は体の症状だけでなく、栄養や心理面も含めた総合的な視点を大事にしています。併設する病児・病後児保育では、医療と保育の専門スタッフが連携し、体調管理から心のケアまできめ細かに対応しています。小児科も病児保育も「今」と「これから」を見据えて支える体制を整えてきたことが、このクリニックの特徴だと思っています。私が加わったことで、クリニックの色を変えるというより、厚みを足していくような関わり方ができればと思っています。
「年1回なら頑張れる」をめざす内視鏡検査
ご専門である消化器内科では、どのような症状の患者さんが多いのでしょうか?

消化器内科では、心窩部痛やムカムカするといった胃の症状、腹痛、血が出たといった訴えを中心に診ています。最近は、おなかの違和感や便秘などで来られる方も少しずつ増えてきている印象です。4月からこちらで常勤するようになり、7月から内視鏡検査も始めたことで、「胃カメラや大腸カメラを受けたい」という方もちらほら来られるようになりました。最初から検査目的で来院される方もいらっしゃいますし、診察の中でお話をしていくうちに「じゃあ一度カメラをしてみましょうか」となるケースもあります。症状やご本人の希望に合わせて無理のないかたちで進めています。
内視鏡検査は、どのようなタイミングで行うことが多いのでしょうか?
内視鏡検査を行うタイミングは、本当に人それぞれです。例えば胃カメラであれば、ピロリ菌に感染しているかどうかによって、その後の検査間隔を決めています。感染があれば1年後、なければ2〜3年後を目安にお勧めしています。一方で、初診の段階ですぐに「来週やりましょう」となる方もいれば、まずはお薬で様子を見て「1ヵ月後に検査しましょうか」と提案することもあります。大学病院ではがん治療を多く経験してきたので、早期発見の大切さは強く感じています。しかし保険診療のルール上、症状がない方に積極的に勧められない場合もあります。その辺りも含めて、状況を見ながら判断しています。
内視鏡検査で意識していることや工夫はありますか?

内視鏡検査は、どうしても楽なものではないと思っています。なので、少しでもつらさを軽減できるように工夫しています。大腸カメラでは、水を使いながら挿入する方法を取り入れるなど、できるだけ痛みが出にくいように配慮しています。また、検査中に鎮静剤を使わない場合は、結構しゃべりますね(笑)。初めての方は緊張されることも多いですし、顔なじみの患者さんなら世間話をしたり、全然治療とは関係のない話をしながら進めることもあります。正直「まったく苦じゃなかった」というカメラ検査は、なかなかないと思っています。ですので、せめて「年1回なら頑張れそう」と思ってもらえるような検査を目標にしています。
診療では、構えず話せる距離感を大切に
診療をする上で、大切にしているスタンスを教えてください。

診療では、あまり「いかにも医者」という感じにはなりたくないと思っています。患者さんが苦しくて来ているのはわかっているので「つらかったですね」と一言添えるとか、できるだけ寄り添う姿勢は大事にしています。個人的には、健診というのは車検のようなものだと思っていて、小さな異常ならすぐに治療できるし、大きな異常だと時間もお金もかかる。だからこそ、病院とつかず離れずの距離感で、定期的に関わってもらえるのが理想なんです。「この先生はちょっと苦手だから、もう来たくないな」というふうにならないように、相談しやすい雰囲気でいることは意識しています。堅苦しく構えず、道端で会った時でも気軽に声をかけてもらえるくらいの距離感でいられたら良いなと思っています。
お休みの日は、どのように過ごされているのでしょうか?
休日は、基本的には子どもたちと過ごしています。映画を見に行ったり、公園に行ったり、できるだけ「普通のパパ」をしようと頑張っていますね。最近は、学童で流行っているというカードゲームを買って、家族4人で遊んでいます。今は週の半分だけこちらで診療していて、神戸と香川を行き来する生活なので、子どもたちと一緒に神戸に来て、妻と子どもだけ新幹線で帰ってもらうこともあります。そういう時間も含めて、家族との時間は大切にしていますね。
最後に、読者の方や受診を考えている方へメッセージをお願いします。

父が30年かけて続けてきた診療を、実際に一緒にやるようになって、その重みは以前よりよくわかるようになりました。力不足なところもあるかもしれませんが、少しずつでも手伝っていけたらと思っています。クリニックの方向性を大きく変えたいわけではなくて、今までの流れは正解だと思っているので、それを伸ばしていくイメージです。自分自身は、今まで大学病院で積み重ねてきた経験は確かに強みではありますが、それを前面に出して推したいわけではなく、どちらかというと、このクリニックが患者さんに提供できるサービスが一つ増えたという感覚でいます。内視鏡検査も含めて「この先生に会えて良かったな」と思ってもらえたらうれしいですね。困ったときに、気軽に相談してもらえる存在でありたいと思っています。

