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中野 康治 院長の独自取材記事

中野泌尿器科

(神戸市須磨区/板宿駅)

最終更新日:2019/11/05

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人工透析にも対応している神戸市須磨区の「中野泌尿器科」は、中野康治院長が1988年に須磨区で泌尿器の単科診療所として開業して以来、病院の外来と同等レベルの診療をめざし、提供し続けてきた。連日多くの患者が訪れる中、患者の要望に応えるかたちで2001年に人工透析室を増設、2010年には透析患者が入所できるようにとグループホームも始めるなど、包括的なケアを実現。中野院長の気さくな人柄に加え、専門的な知識と技術に基づいた診療、先進の設備、豊富な人脈を生かした各病院との連携がクリニックの特徴となっている。「人には自然治癒力があり、私はその力を引き出すお手伝いをしている」と考える中野院長に、泌尿器科での治療や診察で大切にしていること、地域での医療や介護の連携について聞いた。
(取材日2019年9月17日)

人工透析もできる泌尿器科クリニック

病院の外来レベルの診療を提供することを理念とされていますね。

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1988年に開業する際、泌尿器科専門の医師として、「病院の外来と同等レベルの診療が提供できる診療所をつくりたい」という強い思いがありました。検査機器や設備を十分に整え、当時須磨区では希少だった泌尿器科診療所としてスタートしました。当初は他院からの紹介でたくさんの患者さんが来られましたよ。一方で、出身大学の神戸大学病院をはじめ、近隣にある神戸医療センター、西市民病院、神戸百年記念病院といった病院との連携も緊密に取りました。紹介先の病院で私が内視鏡手術をし、退院後は診療所や訪問診療でフォローをするという流れも定着していきましたね。学会参加などを通じて知り合いの医師も多く、連携もスムーズに行えています。

人工透析室を併設され、さらには透析の患者さんも入所できるようにグループホームも始められたそうですね。

1995年に阪神・淡路大震災があり、この辺りもすぐそばまで火で覆われました。大変な時期が続きましたが、その頃から「人工透析はできますか」という問い合わせが増えました。透析ができる場所がまだ少なく、患者さんの要望は切実でしたね。以前の勤務先の赤穂市民病院では、泌尿器科部長と透析室長を兼任しており、研究テーマも「膀胱がんに対する、透析を併用した抗がん化学療法」。これらの経験と知識を生かしたいという思いもあり、2001年に透析室を開設しました。透析患者さんの高齢化に伴い、「通院するのがきつい」という声も出始め、透析の患者さんも入所できる場所をつくりたいと思い、2010年にグループホームを始めました。当診療所から看護師も派遣しているので安心して過ごしてもらえると思っています。

まさに地域で医療と介護が連携する地域包括ケアを実現されていますね。

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患者さんの要望に応え続けた結果です。「自分にできることはなんでも取り組んでいこう」という意識があり、私自身もケアマネジャーの資格を有し、また、認知症サポート医でもあるので、自然と今のようなかたちになりました。病院と違い一般的にグループホームでは、できることは自分で行います。これは認知症の進行を防ぐことにもつながります。このように、医療は治すことだけが目的ではなく、患者さんといろいろ話をして、本人が自分らしく過ごせるようにすることが大切だと考えています。普段の診療でもそのことは意識していますね。ほかに、当院は在宅支援診療所でもあるので、訪問診療や往診も行い、より地域に密着した診療を行っています。

問診におけるコミュニケーションが治療の鍵

泌尿器科ではどのような治療をされるのですか?

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泌尿器科は腎臓や膀胱の腫瘍などに対する外科的治療や、頻尿、尿漏れなどの排尿障害、男性生殖器の問題を扱います。血尿や尿検査でタンパクが認められた方や、前立腺肥大症、膀胱炎などの相談で来られる方が多いですね。前立腺肥大症は、以前は手術が必要でしたが、今は薬で進行を抑えていくという選択肢もあります。前立腺がん、膀胱がんなども、薬やホルモン治療を行う場合があります。また、男性不妊治療も進んでいるので、お悩みの方はまず相談に来てほしいと思います。以前は男性の患者さんがほとんどでしたが、最近は女性が増えているのも特徴ですね。女性の相談の多い過活動膀胱に対しては干渉低周波療法という電流を用いた治療も行っています。

普段の診療で大切にされていることは何ですか?

特に問診を大切にしています。患者さんが一番伝えたいことをきちんと聞けるよう、コミュニケーション力の必要性を感じますね。診察室では、患者さんが話しやすいように私は隣に座って、生活習慣や仕事内容などもしっかり聞くように心がけています。例えば、暑い日でも屋外にいなければならないような仕事をしている人は、尿路結石症の疑いが高まりますからね。また実際に患者さんのおなかを診る・触るということも大切です。おなかに手術の痕を見つけて、そこで初めて患者さんから過去に手術をしたことを聞き出せることも。自分のことであっても病歴を正確に覚えて伝えるということは難しいもの。あらゆる観点から見逃さないようにしています。

診察室のスペースも広く検査機器もそろっていますね。

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検査はできるだけその日中に実施し、何らかの結果を明らかにして安心してもらいたいと思っています。例えば、顕微鏡で確認した尿中の様子は、モニターで拡大して一緒に見ます。エックス線撮影装置や内視鏡の画像も同様ですね。実際に自分の目ですぐ確認してもらうんですよ。病院への紹介が必要な時は、これらの検査結果をCD-Rに記録して迅速に提供できるのも利点です。また、どのような治療方法があるのかを絵やアニメーション動画を使って視覚的にわかりやすく説明しています。特にがんが見つかった時などは、わかりやすく説明することが不安を取り除くことにつながると思っています。

患者は自分で治る力がある。それを専門的に支援する

人工透析室について教えてください。

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ベッドは24床あって、夜は20時まで対応しています。透析の患者さんは1日4~5時間、週に3回以上ベッドで横になって透析を受ける必要があります。少しでも快適に過ごせるよう、各ベッドにテレビを1台設置したり、体重がベッドに横たわったまま測れるスケールベッドを採用したりしています。また、インフルエンザなどの感染症にかかった場合は、専用のベッドや感染予防の仕切りパネル(クリーンパーティション)なども利用します。透析室で過ごす時間が長くなりますので、スタッフと患者さん、または患者さん同士が気さくにおしゃべりができる雰囲気は大切ですね。高齢で一人暮らしの方も多いので、透析室での会話を楽しみに通われている方も多いですよ。

ところで、診察室にはたくさんのラグビーグッズや写真がありますね。

はい、私の趣味は高校生の時に始めたラグビーです。イギリスで開催されたワールドカップの日本対南アフリカ戦は現地まで観戦に行きましたよ。日本開催のワールドカップも楽しみにしていて、開幕戦を見に行きました。神戸大学医学部ラグビー部の後輩には、iPS細胞の研究でノーベル医学・生理学賞を受賞した山中伸弥教授がいて、同窓会などで会うとラグビーの話で盛り上がりますね。ラグビーというスポーツは、グラウンド上で15人と瞬時にコミュニケーションを取らなければいけません。この経験が今の医師の仕事で、患者さんと接する時にとても役立っていると思いますね。また、医師の世界は狭くなりがちですが、ラグビーのおかげで今も交友関係は広がっています。

最後に読者にメッセージをお願いします。

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人間にはもともと自然治癒力があります。ですから私は、医師が患者を治すのではなくて、医師は患者が自分で治るためのお手伝いをするものだと考えています。手術後、縫合は医師がしますが、最終的に皮膚がくっつくのは、患者さんの治癒力ですよね。人の持つ力は素晴らしいと思います。患者さんはその自然治癒力を発揮できるよう、医師と接する時に工夫すると良いでしょうね。例えば、過去の病歴はメモをしておく、お薬手帳は必ず持参するというだけでも、医師はずいぶんとサポートしやすくなります。特に薬は服用状況によって使えないものもありますし、より適切な組み合わせを考えることができますからね。ぜひ皆さんも賢く病院やクリニックを利用してください。そして私はこれからも、地域の皆さんの健康のために医療や介護の面から支援できるように、若手の育成にも力を入れていきたいと思っています。

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