山田 紀子 院長の独自取材記事
中尾内科
(神戸市兵庫区/大開駅)
最終更新日:2026/05/07
JR神戸線の兵庫駅から北東へ約5分。山田紀子院長の祖父が開業した「中尾内科」は、「いつもそこにある」かかりつけ医院として、長きにわたり地域住民に親しまれてきた。祖父や父の姿を見て育った山田院長は血液内科で得た全身管理の経験をもとに、携わってきた循環器や呼吸器疾患をはじめ、生活習慣病や認知症など幅広い診療に対応。目の前の症状だけでなく、その背景にある生活や今後の変化まで見据えながら、患者一人ひとりに寄り添った診療を行っている。「地域に根差したクリニックとして、患者さんが穏やかに暮らせる日常を長く支えていきたい」と笑顔で語る山田院長に、診療に対する思いや診療体制について話を聞いた。
(取材日2026年3月30日)
地域に根差し、人を見守る総合診療で患者を支える
2018年に院長を継承されたそうですが、クリニックはどのように変わってきましたか?

当院は1951年開業以降、地域に根差した診療を続けてきました。今も以前からの温かな雰囲気が受け継がれていると感じています。私が院長を引き継いでからも、患者さんがご家族やご友人に声をかけてくださることが増え、おかげさまで毎日忙しく診療させていただいています。最近では「遠方に行っていたが近くで診てもらいたい」「安定しているので病院ではなく近隣で診てもらいたい」「いくつかの病気をまとめて診てほしい」「心臓や肺の病気を診てもらいたい」「どこに行っていいかわからず診てほしい」といった幅広いご相談が増えてきました。中には長く通院いただく中で通えなくなり訪問診療に切り替わったりすることもでてきました。そうした変化を通して、地域の中で求められている役割も少しずつ広がってきているのだと感じています。
循環器内科・呼吸器内科・内科を標榜されていますが、診療の特色を教えてください。
循環器内科・呼吸器内科については、動悸、胸痛、咳、息がしんどいなどの症状に検査を行い必要時に基幹病院にご紹介させていただいています。当院では心電図、レントゲンから心エコーや長時間ホルター心電図、また呼吸機能検査など診断および継続治療に必要と思われる検査を行っており、逆に基幹病院からも安定した方をご紹介いただきます。関連する治療として、禁煙治療、睡眠時無呼吸検査治療や、必要な方には在宅酸素管理も行います。狭心症、心不全や喘息、COPDなどの管理はもちろんのこと、風邪、腸炎等の日常疾患や、高血圧や糖尿病といった生活習慣病、更年期や認知症まで、幅広く診ることで、全身の状態を踏まえながら、トータルに診療させていただいています。若いかた、複数疾患をお持ちであるご高齢の方それぞれの将来を見据えて、ご身体全体を意識して診察しています。
一つの症状にとどまらず、長期的な視点で患者さんを診ていらっしゃるのですね。

はい、高血圧、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病は、将来的に脳梗塞や心筋梗塞、心不全や慢性腎臓病など大きな病気を発症させる危険性があり、発症を抑えるために目標値に準じた管理が大切です。また、大きな病気をされた方なら治療終了後、再発を防ぐための継続的な管理がとても重要です。そのため、今の病気を診るだけでなく、その先に起こり得る変化も見据えながら診療すること、継続して治療を続けていただくことを意識しています。その方が健康であれば、その方自身が楽しいことに取り組む余裕も生まれますし、周囲の方にも良い影響が広がっていくと思うんですね。そうした日常を支えることを、クリニックの立場からスタッフ一同、ともに積み重ねていきたいと考えています。時代とともに新しい薬もできたり、デジタルツールができたり、時代に合わせてその人の人生に合わせて長期の視点でベストを尽くしたいと考えています。
診療の基本は「患者を支えるために何ができるのか」
診療において大事にしていることを教えてください。

適切な治療や健康管理を行うためには、まず正しい診断をつけ、標準的な治療を提供することが基本になります。その人に必要十分な検査治療、できないこと、わからないことは近隣の医療機関や基幹病院にお世話になることも大切だと思っています。そのためには患者さんのお話をきちんと聞くこと、身体の状態をしっかり診ることが欠かせません。大病に至る兆しや生活習慣の背景は、お話でわかることも多いため、診断の精度を高める意味でも丁寧にお聞きするようにしています。また、医療は日々進歩していますので、標準的な治療を提供し続けるためには、私自身も学び続け情報提供していかなければなりません。患者さん一人ひとりの状態や生活に合わせての診療を大切にしたいと思っています。
認知症や糖尿病に関する研鑽も積まれたと伺いましたが、どのようなきっかけがあったのでしょうか。
当院には、認知症や生活習慣病が気になる年代の方や、そのご家族が多く来院されるため、以前からご相談を受ける機会が多くありました。認知症サポート医となったり、糖尿病療養に関する学びもさらに深めるなど専門的な研鑽を積んだことで、患者さんやご家族にお伝えしやすくなりますし、安心して受診していただけるのではないかと考えています。糖尿病については、心臓腎臓などにも有用な薬や注射製剤も積極的に使用し、24時間リアルタイムでご自身のグルコース値を把握するための機器なども活用しています。認知症に関しても専門医師と診断治療で連携を取りながら、地域の訪問看護介護スタッフとも協力しつつ継続的に関わっています。年齢を重ねる中で誰にでも起こり得る変化だからこそ、地域の中で支えていける存在でありたいと思っています。
診療をする上で特に意識されていることはありますか?

患者さんが穏やかに過ごせる日々を続けられるためにできること、治療継続のためほどよい距離感での長いお付き合いを意識しています。なので診療に加えて患者さんに気になっていることがあるかお聞きしたり、がん検診含む健康診断の受診をお勧めしたりもしています。健康診断において当院でできない検査は病気の早期発見につながりますし、日頃のフォローの代わりにもなるので見せていただきます。当院では特定健診や一般健康診断、大人の定期任意ワクチン接種や海外渡航前の予防接種、各種証明書の発行など、患者さんの生活の中で必要とされる医療的サポートもできるだけ対応していきたいと思っています。
日々の診療に加え、多角的に患者の健康を支える
院内でパーソナルコンディショニング教室を行っているそうですね。

「足腰や肩の痛みがなかなか良くならない」といったご相談が非常に多いのですが、もどかしさを感じていました。運動を継続する事は内科疾患でもとても大切です。健康に身体を動かせるように何かサポートはできないかと考え、整形外科疾患や、訪問リハビリテーションの経験もある女性の理学療法士さんに週1回当院に来ていただき、パーソナルコンディショニング教室を行っています。自分の体の弱点、誤った癖を治し、健康な体づくりをしたい、体をより良く動かしたい、姿勢を整えたいなど、それぞれのお悩みに合わせて体づくりやエクササイズなどを行っています。日常生活の質を高めるための力添えができればうれしいですね。
患者さんと接する際に気をつけていることはありますか?
診療では、患者さんが自然に話せる雰囲気を大切にしています。初めて来られる方は話したいことがたくさんあると思いますし、継続して通っていただいている患者さんにも気になることがあれば気軽に相談していただけるような関係でありたいですね。なので、「ちょっと聞いてみようか」と思っていただけるような距離感を大切にしています。患者さんが話しづらいと、気になる変化にも気づけないままになってしまいます。気楽にお話しいただき、少しでも安心してお帰りいただけるような診療を心がけています。
最後に、地域の皆さんへのメッセージをお願いいたします。

患者さんが安心してお帰りいただけるよう、時代に合った治療や健康へのアプローチを積極的に取り入れています。また、必要に応じて、より専門性の高い医療機関や地域のスタッフとも連携しながら、患者さんの健康を支えていきたいと思っています。地域のかかりつけ医だからこそ、患者さんと長く向き合う中で、これから起こり得る病気の予防や病気の早期発見といった役割もしっかり果たしていきたいですね。地域の皆さんがいつまでも楽しく穏やかに生活できるよう、お互い信頼しあい医療の面から支えていければうれしいです。体のことで気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とは海外渡航前の予防接種/6360円~

