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山田 紀子 院長の独自取材記事

中尾内科

(神戸市兵庫区/大開駅)

最終更新日:2019/11/06

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JR神戸線の兵庫駅から北東へ約5分、ビル1階にある「中尾内科」を訪ねた。山田紀子院長の祖父が開業した同院は、震災を経ても「いつもそこにある」かかりつけ医院として、長きにわたり地域住民に親しまれてきた。祖父や父の姿を見て育った山田院長は血液内科で得た全身管理の経験をもとに、内科医師として循環器や呼吸器疾患、生活習慣病を幅広く診療。女性・母親としての視点や、海外生活での経験も生かしながら、患者のさまざまな困りごとに寄り添う。また地域の医療機関や福祉行政とも日頃から連携を図り、患者のサポートにつなげる。「確かな診療に基づいて、患者さんが健康で穏やかに暮らしていけるようなサポートを、長く続けていきたいですね」と穏やかな笑顔で語る山田院長に、診療に対する思いを聞いた。
(取材日2019年9月10日)

循環器・呼吸器・生活習慣病を中心に幅広く診療

3代にわたり診療を続けているそうですね。

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1951年に私の祖父がこの場所で開業し、1974年には父が診療を引き継ぎました。2人とも穏やかで誠実な人柄でしたので、患者さんは笑顔で受診され、スタッフも楽しく働く。院内の穏やかな雰囲気を、子どもながらに好ましく感じていました。この地域ですが、震災前には目の前に市場があって、お買い物の方でにぎわっていましたね。震災後は市場がなくなり新しいビルやマンションが増え、若いファミリーが増えています。ですので、以前からお住まいの比較的年齢の高い方を中心に小児科を卒業した若者まで幅広い年代の方が、さまざまな症状で受診されています。

先生は最近、院長になられたとお聞きしました。

父や祖父の姿を見て、「いずれは町医者になりたい」と思っていたので、大学卒業後は京都府立医科大学第二内科の医局に入り、循環器・呼吸器を学び、血液内科を専攻し全身管理などを学んで、医局の関連病院で経験を積みました。また、主人の転勤で関西を離れた際には、各地の病院で生活習慣病含め診るようになり、後に日本内科学会の総合内科専門医資格を取得しました。特に金沢で勤務した診療所はプライマリケアに力を入れていて、患者さんの生活背景にまで目を向け一生懸命取り組む先生方の姿に、学ぶことが多々ありました。父も高齢になりましたので2017年からこちらに戻り、2018年10月に院長を継承。父は今も火曜日と木曜日に診療していまして、私はその日はエコーなどの検査を中心に担当しています。

代替わりに伴って、診療内容に変化はありましたか。

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代が変わって、消化器の内視鏡検査は他の医療機関でお願いするようにして、循環器科に加えて新たに呼吸器内科を立ち上げました。咳や息苦しさなどのご相談が多く、エックス線や呼吸機能検査などを使いながら、咳の原因を鑑別して気管支喘息やCOPDなどの診断、治療へとつなげていきます。睡眠時無呼吸症候群や禁煙治療も行っています。循環器では胸の痛みや脈の乱れで来られる方が多く、心電図やホルター検査、心エコー検査などの検査も交えて診断を行います。また中高年世代では高血圧や糖尿病などの生活習慣病も気になるところですので、腹部や頸動脈のエコーも使って合併症の管理を行います。女性の更年期や、認知症の診療、通えなくなった方には訪問診療も取り組み始めました。どの領域でも専門的な診療が必要になれば、適切な医療機関にご紹介して精査や治療へとつなげています。

患者の話をよく聴き、困りごとの解決に努める

認知症の相談や健診・予防接種、英文証明書の作成もされています。

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患者さんは、認知症が気になる年代やその子ども世代の方が多いので、以前から質問を受ける機会が多かったのです。そこで2019年に、認知症サポート医の資格を取りました。精密検査や診断は専門の医療機関にお願いしますが、認知機能検査や診断後の経過のサポートは、当院でもできる範囲で対応しています。また、認知症を患うお独り暮らしの方が多いので、介護や福祉など、必要なサポートが受けられる機関と患者さんとの橋渡しにも取り組んでいます。英文証明書は、私自身がアメリカで子育てする際、ワクチン接種の手続きなどでたいへん苦労した経験がもとになっています。患者さんが実生活において医療面で困っていることには、なるべく対応したいと思っています。健康管理の一環で、健診・予防接種なども健康寿命を延ばすために行っています。

先生が診療で大事にしていることを教えてください。

適切な治療や健康管理を行っていくためには、正しい診断をつけて、現時点での標準的な治療を行う必要があります。そのためには検査とともに、患者さんのお話をきちんと聞くことが欠かせません。いわゆる「大病」に至る兆しや生活習慣がないかどうか、患者さんのお話を丁寧にお聞きします。また医療は日々進歩していますので、標準的な治療を行うために、私も常に勉強し続けないといけません。その上で、患者さんの生活や希望に合う診療や情報を提供したいと思います。それから、病気を治すのはもちろんですが、大きな病気にならないよう、病気の進行を防ぐ、予防する、見つけることがとても大切です。また、生活習慣病の中には長く付き合っていかなければならないものもあります。悪化や進行を防ぐためには、ご自身の体や病気ときちんと向き合い、小さな変化に気づくこと、治療を続けてもらうことが大切です。

患者さんが治療を中断しないように、工夫されていることはありますか。

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診察室では、患者さんに安心して話してもらえる雰囲気を大事にしています。患者さんの生活や考え方自体が、病気を生み出す原因であったり、逆に症状を改善するためのヒントであったりもします。だから、穏やかな空気をつくって、ご本人が話したいと思うことは、病気に関係なさそうな日常生活の話題も気軽にお話しできるように心がけています。また、患者さんは何かの機会で通院がいったん途絶えると、次はなかなか受診しにくいようです。ですので日頃から「どこででも構いませんので、ご自身の持病を伝えて受診を続けてくださいね」とお話ししています。定期的な受診は、今の症状のコントロールだけでなく、合併しやすい病気の予防や早期発見にもつながりますから。

地域住民が、いつまでも笑顔で穏やかに暮らせるように

院内で、パーソナルコンディショニングという健康教室をされています。

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「足が痛い、肩や腰が痛くてなかなか良くならない」というご相談が非常に多いのですが、私にできるのは、湿布を処方したり簡単な体操をお伝えしたりすることぐらいで、残念に思っていました。しかし、長年基幹病院でリハビリ療法を行い、スポーツ選手のサポートもされている理学療法士さんと良いご縁があり、週1回ですが、来ていただけることに。完全予約制で、それぞれの痛みの原因を探りながら施術をしていったり、トレーニングを行ったり、ご自宅でもできるエクササイズを教えてもらうこともできます。患者さん一人ひとりときちんと話をしながら指導してくださっています。スポーツをしている中学生も来院されるなど、少しずつ地域で知られているようです。当院の患者さんでなくても、必要な方に利用してもらいたいですね。困りごとの解決や健康寿命に結びついていくことを願っています。

先生ご自身が、健康づくりのためにしていることはありますか。

それが、子どもがまだ小中学生ですので、自分のための時間をとるのは難しいですね。できるだけ歩くようにする、といったところでしょうか。山や川、海などの自然が好きなので、休みには自然の中に行くことが多いですね。

最後に、地域の皆さんへのメッセージをお願いいたします。

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院長を引き継いで1年が過ぎますが、ご家族で受診されたり、転居後も通い続けてくださったりする患者さんも多く、やりがいと責任を感じています。受診される方は皆、何か不安や困りごとがあって来られていると思います。安心を取り戻し、笑顔で帰っていただけるように、今の時代に合った治療法や健康へのアプローチも積極的に取り入れていきます。また必要に応じて、より専門性の高い医療施設や行政機関とも連携。地域のかかりつけ医院だからこそ、患者さんと長くお付き合いする中で、これから起こりそうな不調の回避や病気の早期発見など、「予防」の役割も果たしたいですね。祖父や父がしてきたように、地域の皆さんがいつまでも楽しく穏やかに生活できるよう、医療の面からサポートさせていただきたいと思います。

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