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谷尻 力 院長の独自取材記事

谷尻医院

(神戸市東灘区/御影駅)

最終更新日:2023/05/08

谷尻力院長 谷尻医院 main

神戸市東灘区、阪神本線御影駅から徒歩2分のところにある「谷尻医院」は、1948年の開業以来、 長年地域に根差したかかりつけ医として、地域住民の家族全員の健康をサポートすべく、コミュニケーションを大切にしながら診療を続けてきた。祖父の代から地域の人々の健康を守ってきた医院を、3代目として継承した谷尻力院長に、かかりつけ医としての役割や患者への思い、専門とする呼吸器の病気にまつわる話や今後の展望などについて話を聞いた。

(取材日2019年2月28日)

医療を通じ、育ててくれた地域に還元したい

医師をめざしたきっかけと、継承されるまでの経歴をお話しください。

谷尻力院長 谷尻医院1

当院は祖父の代の1948年に開業し、祖父と父の姿を見て育った長男の私も、物心ついた頃から必然的に後を継ぐことを考えていました。父と一緒に歩いていると、「先生、いつもありがとうございます」と街で出会った患者さんに声をかけられる父の姿を間近で見ていた影響も大きいですね。関西医科大学を卒業後は、研修医としてさまざまな診療科を経験した後、教授から大学で診る疾患以外も経験するように、とアドバイスをいただき、大分市医師会立アルメイダ病院にて消化器や循環器の救急医療に携わりました。その後は兵庫県立尼崎病院の呼吸器内科、関西医科大学病院の血液・呼吸器・膠原病内科を経て、2011年からは六甲アイランド甲南病院に4年勤務しました。2011年から一枠だけ当院でも勤務するようになり、2015年から当院の常勤となり、2017年に院長として継承しました。

先代の2人の先生との診療方針の違いや、継承前後で何か変化がありましたら教えてください。

基本的に私も父も内科の医師であり、私は特に呼吸器を専門としております。地域のかかりつけ医として患者さんを支えていきたいという方針に違いはありません。継承してからは、スタッフに気持ち良く働いてもらい、医院全体で患者さんが来院しやすい環境づくりをしていきたいとより一層責任を強く感じるようになりました。また、当院は地元の患者さんが多く、子どもの頃から通ってくださっている方も多く、ご本人の病気だけでなく家族全員の健康を診ていく役割があると感じます。

お父さまの仁先生とはどういう役割分担で診療されていますか? 力先生のめざす谷尻医院とは?

谷尻力院長 谷尻医院2

父との信頼関係ができあがっていて、長年通院してくださっている患者さんは、父が診療し、新しい方や呼吸器系の症状で来院される患者さんは私が診療しています。今は、徐々に引き継いでいくために、サポートし合いながら役割分担をしています。歴史の長いクリニックを受け継いでいるので、地元の方にとっての「かかりつけ医」をめざしています。私も地域の皆さんに育てていただいたので、医療を通じてお返ししたいですし、気軽に相談できる医院にしていきたいですね。総合病院は敷居が高く、相談だけで受診するのは難しいと感じてしまう方もいらっしゃると思います。そんな時に、「谷尻医院に行けば何でも相談できる」と思ってもらえる、そんな場所でありたいですね。

呼吸器科が専門の医師として

どういった主訴で来院される患者さんが多いですか?

谷尻力院長 谷尻医院3

風邪や生活習慣病で来院される地元の方が大半です。ただ、私は呼吸器を専門としているので、咳やいびき、睡眠時無呼吸症候群、喘息などを患っている方にも来ていただいています。咳は長引くと生活に支障が出ることもあり、また呼吸器を専門としている医師が少ないこともあって、遠方から通ってくださっている方も多数いらっしゃいます。

先代の頃から呼吸器科を診療していたのですか?

祖父の代は内科と小児科、父親の代は内科、循環器科、胃腸科、小児科を診療していました。私自身も学生時代は循環器に興味を持っていたのですが、医師になり当直をしていた際、毎晩のように来られていたのが喘息の患者さんだったんです。学生時代は教科書でしか喘息のことを知らなかったのですが、実際に苦しむ患者さんの多さを目の当たりにし、「喘息ってこんなにつらい疾患なのか」、「なんとかして喘息で苦しむ患者さんを救えないか」と思い始めたのが呼吸器を専門的に勉強するようになったきっかけの一つです。

呼吸器疾患に関して、患者さんに知ってほしいことはありますか?

短期間で終わる咳は風邪の場合が多いのですが、長く続く咳の多くは咳喘息や結核、肺がんといった病気が隠れていることもあります。そのため、診療の中では患者さんの訴えや症状をしっかり伺い、診断をして治療方法を導いていくことが大切だと考えています。当院では、補助診断としてレントゲンや呼吸機能検査、呼気一酸化窒素の検査も行っています。この呼気一酸化窒素の検査は10秒間息を吐き続けてもらうだけで、どれだけ気道がただれているのか実際に数値で確認することができるんです。咳き込んでいるときでもあまり負担をかけずに検査ができます。この検査方法は喘息の補助診断として有用であり、数年前から保険診療に適用されているので喘息が疑われる患者さんには受けていただきたいですね。

予防にも注力されているとか。

谷尻力院長 谷尻医院4

大学病院の呼吸器科で肺がん治療をしていた際、私よりも若いお父さんが奥さまとお子さんに看取られ、最期を迎えたことがありました。その時の「なんでこんなタバコを吸っていたんだろうな」というご本人の言葉が今もずっと忘れられません。この経験を機に、予防の重要性を痛感したのです。彼らのように悲しい思いをする人を少しでも減らすことができればと思い、普段の診療の中でも予防に取り組んでいます。また、喘息患者さんの場合、やけどで真っ赤に腫れあがったように気道がただれてしまうのですが、一度治療をしただけでは症状を繰り返したり、悪化してしまうことがあります。そうならないためにも、セルフケアや治療を継続する重要性についてもお話ししています。また、普段の診療の中だけでは伝えきれていないこともあるので、勉強会などを開き、患者さんにとって有益な情報をお届けできるよう努めています。

かかりつけ医として患者の健康維持のサポートを

診療の際に患者さんに心がけていることは?

谷尻力院長 谷尻医院5

患者さんとのコミュニケーションはとても重要視しています。というのも、当院は家族で来院される方も多いので、病気のことだけを聞くのではなく、さまざまな角度から話をすることで、患者さんご本人だけでなく、その方のご家族の疾患まで浮き彫りになることがあるんです。例えば、「最近主人のいびきが気になり、昼も眠たそうなんです」といった話があれば、「睡眠時無呼吸症候群の疑いがあるので、一度来院することをお勧めします」といった形でアドバイスすることができますし、早期発見や予防にもつながりますよね。よく、こんなことで相談していいのか、と遠慮して相談できない方もいらっしゃるのですが、遠慮せず何でも相談してくださいね。地域のかかりつけ医として、患者さんにとって心強い存在でありたいと考えていますので。

今後の展望についてお聞かせください。

われわれに求められるのは、かかりつけ医として病気にならないように予防、健康維持のための相談、病気になった場合の治療、適切な医療機関へ紹介に努めていくことだと考えています。そのため、今後も地域の方にとって何でも相談できる身近なかかりつけ医でありたいですね。また、特に咳に関しては、過度に咳き込むことで骨折してしまう方や仕事に差し障りが出てしまう方が多いので、少しでも症状を和らげられるよう専門性を生かした診療を行っていきたいです。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

谷尻力院長 谷尻医院6

咳で悩んでいる方は働き盛りの女性も多く、薬を飲んでいるのになかなか治らない方もおられます。2週間以上続く咳は、喘息や結核、肺がんといった病気が隠れていることもあり、なおかつ日常生活に支障を来す場合があるので要注意です。咳治療は一筋縄ではいかないことも多いですので、長引く場合には一度ご相談いただければと思います。また、血圧の薬を飲んでいてもなかなか下がらない、昼間に眠気がある、夜中にトイレなどで何回も目が覚めてしまう、といった症状があれば睡眠時無呼吸症候群の可能性もあります。病気は一つ一つが単体ではなく、全身に関係するものです。いびきや無呼吸も不整脈や高血圧の原因になることもあります。当院では、簡易検査が可能ですので、ご本人だけではなく、ご家族や身近な方の心配事についても、どうぞお気軽にご相談ください。

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