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河合 隆行 院長の独自取材記事

河合医院

(神戸市東灘区/深江駅)

最終更新日:2019/07/02

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阪神本線の深江駅から山側へ歩いて3分、神戸市東灘区の「河合医院」はこの街に根差して50年以上になる内科・小児科のクリニックだ。診察にあたるのは母親から同院を継いだ2代目院長の河合隆行先生。長年、新生児や未熟児の専門家として活躍してきた河合院長。同院の診療の傍ら、地域医療の向上と充実のために学校医や神戸市東灘区医師会の全区理事としての活動にも尽力している。同院は風邪やインフルエンザなどの内科一般の診療をはじめ、高血圧や糖尿病といった生活習慣病の診療、ワクチン接種や乳児健診、特定健診など幅広く提供。高齢患者の負担を軽減できるよう院内処方も行っている。地元の厚い信頼を集めている河合院長に話を聞いた。
(取材日2019年5月24日)

母の診療スタイルを引き継ぎ、院内処方も継続

大学卒業後のご経歴をご紹介ください。

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埼玉医科大学を卒業後、川越市にある埼玉医科大学総合医療センターで小児科の新生児・未熟児を専門とする先生に師事しました。その先生は小児科のスペシャリストとして知られていて、新生児や未熟児に対してのカテーテルや胸部ドレナージなど多くの技術を教えていただきました。ほかの病院に移ってから新しい技術を教わった記憶がありませんので、この最初の段階で大事な技術はすべて叩きこんでもらったのだと思います。その1年後に神戸大学医学部附属病院の小児科と救急外来で研鑽を積み、それからはひたすら小児科で新生児・未熟児を専門に診療してきました。姫路赤十字病院、西脇市立西脇病院、兵庫県立こども病院、三菱神戸病院での勤務を経た後、開業医になることを見据えて神戸大学医学部附属病院の内科でも研鑽を積みました。

院長就任に至った経緯、この地域に対しての思いをお聞かせください。

私が母から当院を引き継いだのは2003年です。本来なら私の兄が当院を継ぐはずでしたが、どうしても継げなくなり私が継ぐことになりました。当院は昭和30年代に私の母が開業したクリニックで、内科・小児科の診療を提供し続けて50年以上になります。1995年に起きた阪神・淡路大震災ではクリニックが全壊し、母が大変な思いをしながら再建し診療を再開させました。また、ここは私にとって生まれ育った場所であり、ダウンタウンのような雰囲気のこの街には今も親しみを感じています。2世の医師がクリニックを引き継ぐと診療のやり方などを巡って親と摩擦が起きがちですが、当院の場合はそうした摩擦は起きませんでしたね。おそらく私が母の診療方針をかなり踏襲しているからだと思います。

先代院長からどのようなことを踏襲されているのですか?

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例えば院内処方がそうです。今の時代、院内処方を行っているクリニックは珍しいかもしれません。当院は高齢の患者さんも多く、そうした患者さんはクリニックと薬局の2ヵ所に足を運ぶのは大変です。でも院内処方であれば薬局に行く労力や時間を省くことができ、負担が軽くて済むでしょう。また、薬局で処方してもらうと、同系列の薬に変更されることがあります。もちろん効果は変わらないのですが、患者さんの中には「名前が違う薬になると不安」と思われる方もいますよね。できるだけそのままの薬を処方してさしあげたいと思っています。そうしたことから当院では今でも院内処方を継続しています。

内科全般、生活習慣病、特定健診などに対応

具体的にはどのような診療を行っていますか?

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内科・小児科のクリニックですから、お子さんから高齢の方までの幅広い年齢層の患者さんに対し、内科一般の診療を提供しています。風邪・インフルエンザ・発熱・腹痛などの一般的な内科診療から、生活習慣病といわれる高血圧や糖尿病などの診療や検査、そして特定健診や乳児健診、ワクチン接種も行っています。また地域のかかりつけ医として、必要な場合は適切な医療機関に紹介するという「振り分け」を担っている部分もあります。新生児や未熟児をずっと診てきた医師として、開業してからその経験をあまり生かせていないことは残念ですが、内科をベースに病気を診る内科医師としての視点に加え、発生学という観点から病気にアプローチすることを学習している小児科医師としては、そうした視点も生かしながら患者さんを診ています。

患者さんと接するときに心がけていることはありますか?

患者さんに対し上から目線にならないようにと心がけています。今の若い世代の医療従事者は、そのあたりをよく理解している方が多いようですが、少数ながら医師免許に万能感を持っておられる方もいます。高圧的な態度で患者さんに接している場面を見ることもありました。そのたびに嫌な気持ちになっていましたので、反面教師として心に刻み、私は患者さんとの接し方を「普通」にしています。

印象に残っている患者さんとのエピソードをご紹介ください。

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大きな病院に勤務していた時、小児科病棟に8人いた溺水の患者さんの治療にあたったことがありました。できる限りの手を尽くしましたが、残念ながらほとんどの患者さんが亡くなられてしまいました。でもその中で、1人の患者さんが一命を取り留めた時はうれしかったです。また在胎週数が23週ほど未熟児になると生存率は低かったものの、それでも退院できた患者さんもいました。次から次へと患者さんがやってくる現場ではじっくり患者さんと付き合いながら治療後の経過まで診ることはできませんでしたが、命を救えるかどうかの現場で処置や診療にあたってきた経験は今でも心に残っています。

医師会活動では、地域医療の底上げのために役立ちたい

休日の過ごし方を教えてください。

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休診日はあっても、休日はほとんどありません。学会に参加したり、神戸市小児科医会からの依頼を受けて救急センターで診療を行ったりすることもあります。当院の院長になった頃は、兵庫県立こども病院やほかの病院の新生児科に当直に入っていたこともあるんですよ。また、神戸市東灘区医師会の学校保健部担当として、医師会が発行する医報にほぼ毎月、必要に応じて寄稿をしています。その執筆も休日に行っています。また区役所からの依頼で、地域の子育て世代のお母さんに役立つ情報をまとめたフリーペーパー「AJISAI MAMA map」の企画制作に携わりました。小児科やワクチン接種ができるクリニックの紹介、子育てに必要なグッズの販売店情報などを紹介しているのですが、その編集等もあって休診日は忙しく過ごしていますね。

学校医としてもご活躍ですが、長く子どもを診てきて感じていることはありますか?

小学校の学校医になって15年になります。学校保健部担当になってみると、いろんな問題があることがわかりました。それが改善されない限り次の人には引き継げないと思っていたら、ここまで来てしまいましたね。子どもに関しては時代の変化とともに、不登校を含め、精神的・神経的な原因で学校に行く回数が減る子どもが増えています。現在は不登校に対して小児精神科の方針が大きく決められていますが、小児神経科・小児精神科の医師がいない地域では、開業医の先生が今の小児精神科の方針を知らずにご自分の価値観で診療を行い、状況を悪化させてしまうというケースも見られます。幸い、この地域にはエキスパートの先生がおられますが、神戸市の先生方に一定の知識を持っていただけるよう、医師会の医報に掲示するなどして知識の普及に努めたいと考えています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

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当院では小さなお子さんから高齢の方まで幅広い年齢層の患者さんに対し、小児科を中心として内科全般も幅広く診ていますが、専門の先生にお願いしたほうがいいと判断する場合は速やかに紹介状を出すようにしています。医師会を通して知っている先生方が多くいますので、信頼できる先生を紹介させていただいています。安心して相談にいらしてください。

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