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横内 峻 院長の独自取材記事

横内内科

(東大阪市/瓢箪山駅)

最終更新日:2019/08/28

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瓢箪山駅から歩くこと約10分。駅前の活気のある商店街を抜けると、街は昔ながらの景色を描き出す。かつては多くの町工場が立ち並んでいた場所はマンションなどに変わりもしたが、漂う下町風情は昔と変わらない。そんな庶民の街に溶け込み、「横内内科」は30年あまりの歴史を重ねてきた。横内峻院長はもとは工学系のエンジニアという異色のキャリアを持つ。35歳にして医師に転身し、以来、街とそこに暮らす人に寄り添い歩み続けてきたベテラン医師だ。患者は昔から通っている人が多く、年齢を重ねるにつれ生活習慣病の訴えも増えてきたという。そんな患者と二人三脚で治療を進めていくのが横内院長のスタンス。長年この街の人々の健康を支えてきた横内院長に、患者との関わり方や地域の医師としての信条を聞いた。
(取材日2018年4月24日)

患者との距離を縮め、生活習慣病の改善に注力

30年以上診療を続けてこられたわけですが、この地で開院されたのはなぜですか?

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私は大阪市の住吉区で生まれてから、父親の仕事の関係で名古屋、西宮、山口県、箕面とあちこちで暮らしてきました。ここで開院した主な理由は、それまでこの近くの病院に勤めていたからなんです。この辺りは庶民の街で、昔は小さな町工場がたくさんあって、大半の人はそこで働いていました。当時はそんな人たちがここに来られていました。今も来られる患者さんは、その頃から通ってくれている人たちが中心。ほとんどが60歳以上で、70歳前後の方が多いです。昔から来ていただいている方たちで、よく見知った関係ですから、患者さんとは距離が近い関係ですね。

こちらには、どのような症状で来院される患者が多いのですか?

患者さんが若い頃は風邪ひきや腸炎など、内科的な病気が中心でしたが、年齢を重ねるとともに高血圧、糖尿病などが多くなりました。いわゆる、生活習慣病ですね。どれも基本的な改善法は食事療法と運動、薬の3つ。食事と運動の指導をして、薬を処方しています。高血圧は医師の指導を聞いてくれなくても薬で何とかなるのですが、糖尿病の場合はできる限り薬よりも、生活の改善に軸足を置いたほうがいい。一生懸命に取り組んでくれる患者さんもいれば、そうでない人もいるのが実情です。言っても聞いてくれない人には、粘り強く言い続ける(笑)。そうしているうちに変わっていってくれる人もいるので、そういうときは達成感がありますね。

患者とは、どのように接しているのですか?

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もちろん丁寧な言葉を使わないといけませんが、日常会話ができるようになって、そこで初めて医者と患者さんの関係ができあがると思っているんです。まだ親しくなれていない方には、たとえ年齢が私より下の方でも、丁寧な言葉で接しています。食事の指導もするので、患者さんとの距離感は大事。だから早く、普通に会話ができるようにと思いながら接しています。親しくなれば普通の会話ができますし、大阪弁でも大丈夫(笑)。患者さんとは、そのくらいの関係にならないとと思っています。だけどこの街の人たちは、庶民的で人懐っこい人ばかり。自分から症状を話してくれる人も多いので、医師としては診療しやすいですね。

患者に勧める食事メニューを、自宅で研究して試作

生活習慣病の患者には、どのような指導をされているのですか?

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食事療法を勧める場合、自分でその料理を作って試食してみるんです。世間では最初に野菜をたくさん食べておなかを膨らませて、その次に海藻や豆腐を食べてというのが勧められますが、そればかりではあまりおいしくはないですよね。それをどうおいしく食べられるようにするか。自分で考えて味つけをし豆腐サラダを実際に作ってみて、おいしかったら患者さんに勧めて反応を聞いたりしています。やはり誰もが、おいしいものをたくさん食べたいでしょうからそこをどうするか、体にいい食事と、おいしい食事の兼ね合いを考えながらやっています。生活習慣が原因の病気ですから、患者さんと私の二人三脚で、一緒になって治していこうというスタンスでいます。

患者に勧める食事メニューを、自宅で研究して作っているのですか?

本を見たりして、あれこれとやっていますよ。患者さんの味の好みもいろいろなので、それに合わせて考えています。食べることは生活の中での楽しみの一つですから、量的にも質的にもただ抑えるばかりでは長続きしません。ご飯が好きな人には100gのご飯を半分にして、残りの50gを「こんなおかずにしたらどうですか」と言っても、それでは駄目なのです。カロリーを合わせるだけでは駄目。満足感、満腹感も大事ですから。例えば丼ものやカレーライスで普段は白いご飯を150g食べるなら、ご飯を100gにして、残り50gに豆腐を入れれば味はあまり変わりません。今はご飯粒の形をした、こんにゃくも売っていますね。それをご飯に2割ほど混ぜて食べてみたら、意外とおいしかったんです。そういうものを自分で作って試食してから、患者さんに勧めています。

先生が地域のかかりつけ医として大事にしていることは何でしょう?

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まずは、なんでも診ること。それと、患者さんの立場に立って診ることが大事だと思っています。医師という職業は病気だけを診ていたら駄目で、人を診ないといけないのはもちろんですが、診療所の場合はそれがもっと大事。付き合いが長い患者さんも多いので、病気だけじゃなくその人の生活のことも考えてあげないことには、治療がうまくいかないこともあります。とくに生活習慣病の場合は、その人の生活がわからないといけませんから。だから私から、積極的にコミュニケーションをとるようにしています。

エンジニアから医師に。35歳での転身

なぜ、医師になろうと思ったのでしょうか。

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実は最初から医者になりたかったわけでは、なかったんですよ。医師になる前は工学部で電子工学を専攻して、卒業してから就いた仕事が医学と工学の境界にある、医療工学の研究職でした。エンジニアだったんです。研究職だからテーマを見つけないといけないのですが、僕はあまり勉強していなかったので(笑)、そういうのに適していなかった。それなら自分が医者になれば、もうちょっといい仕事ができるかなと思って、医学部に入り直したんです。初めはエンジニアの道を深めるためだったので、医学部を出ても医者になるとは思っていませんでした。でも研修などで臨床を体験して、医者も面白いなと感じたんです。患者さんとの、人と人との接触が面白かった。それで普通の医者になって、現在に至っています。

工学から医学へと、大胆な転身ですね。

2回目の学生生活でしたが、医学部の勉強は工学部とはまったく違うため大変でした。どっちの学生時代もあまり真面目な学生ではなかったので、試験の前は特に(笑)。私が医師になった頃はまだ研修医の制度がなく、和歌山県立医科大学を卒業後は大阪大学の医学部に研修に行って、すぐに勤務医になりました。その時で35歳。医師としては遅いデビューでしたね。研究職は時間を費やしたからといって必ずしも成果が出るわけではないので精神的にはきつかったのですが、医者は働いたら働いた分成果が出るのでやりがいがあります。医師になって、自分の進む道はこっちだったと感じました。結果的にこれで良かったと思っています。

最後に、今後の展望について教えてください。

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待合室に「一視救療」という書を飾っているのですが、私の患者さんで書道家の方が書いてくれたんです。言葉の意味は「どの患者も等しく診て、等しく救う」ということ。ほかのお医者さんもそうだと思いますが、私にとっても医師としてのポリシーのようなものを表しています。これを頂いてからは、自分の中で大事な言葉になりました。当院に通われている患者さんは、生活習慣病で慢性的なものを抱えている方が多くいます。先の長い話ですから患者さんと一緒になって治療して、成果を上げていくことを今後も続けていきたいと思っております。

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