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坪倉 弘晃 副院長の独自取材記事

坪倉産婦人科

(東大阪市/若江岩田駅)

最終更新日:2023/07/05

坪倉弘晃副院長 坪倉産婦人科 main

若江岩田駅から南へ徒歩7分ほど、閑静な住宅街にたたずむ「坪倉産婦人科」は、現院長である坪倉省吾先生の父である先代が1967年に開業した、地域に根差した歴史あるクリニックだ。分娩の取り扱いを終えた現在は、妊婦健診と婦人科診療をメインに、ライフステージによって変化する女性の悩みに幅広く寄り添っている。副院長を務める坪倉弘晃先生は、大学で働く傍ら同院でも診察を行い、ゆくゆくは父である現院長から継承する予定で、日々患者に向き合っている。「患者さんのお話をよく聞いて、でき得る範囲で最良の提案をしたい」と語る坪倉副院長は、その丁寧な言葉選びからも誠実さが伝わってくる医師だ。そんな坪倉副院長に、「坪倉産婦人科」の歴史や診療への思い、今後の展望などについて話を聞いた。

(取材日2023年6月17日)

3代にわたって診療を続けるクリニック

長年地域に根差してきたクリニックなのですね。

坪倉弘晃副院長 坪倉産婦人科1

当院は先代の祖父が開業して、現在は父が院長を務めています。もう開業から56年になりますので、ご家族で通ってくださる患者さんもいらっしゃいますね。僕自身は、2020年頃から当院に勤務して、大学病院で勤める傍ら、週に2回ほど診療を担当しています。現在は副院長として、ゆくゆくは当院を継承していくことを見据えながら、日々患者さんに向き合っているところです。

現在の患者層と、最近多い主訴を教えてください。

ありがたいことに、患者さんの大半は、この近辺にお住まいの方ですね。先ほどもお話ししたように、ご家族で通われる方もいらっしゃいますし、長年地域に根差して診療してきたことで、信頼していただけているのではないかと感じています。当院では妊婦健診と婦人科診療を行っており、10~80代まで、幅広い世代の患者さんがお越しになります。僕が当院で診療を受け持つようになってからは、婦人科診療では生理に関するお悩みが多い印象を受けています。

先生が医師を志したのは、やはりご家族の影響でしょうか?

坪倉弘晃副院長 坪倉産婦人科2

そうですね、家庭環境が一番大きかったと思います。家族も医師ですし、自然と自分も将来は同じ職業に就くものと思うようになりました。正直なところ、大学に進んだ時は、産婦人科にはあまり興味はなかったんです(笑)。祖父や父とは違う道に進むのもいいなと思っていたのですが、実習でお産に立ち会わせていただいて考えが変わりました。産婦人科は、患者さんの大切な人生の節目に立ち会えて、生まれた赤ちゃんとご家族に「おめでとう」と言える仕事なんです。そうした点にやりがいを感じて、産婦人科に進むことを決めました。

妊婦健診から婦人科診療まで、親身に寄り添う

先生のご専門について教えてください。

坪倉弘晃副院長 坪倉産婦人科3

大学病院では、手術が必要ながんの患者さんや、出産に際して注意が必要な妊婦さんを主に担当していますが、中でも超音波(エコー)検査に力を入れています。正直なところ、自分が超音波検査に関心を持つとは思っていなかったのですが、安全なお産のためには大切だと感じて、意欲的に学ぶようになりました。患者さんの多くは、超音波検査は赤ちゃんの様子を見るものというイメージをお持ちだと思うのですが、産婦人科ではもっと大きな意味を持っています。超音波検査で事前にある程度赤ちゃんの診断をつけられることで、例えば、「心臓に何かあるから、お産の時には小児心臓外科の医師にも立ち会ってもらおう」などという判断が下せるんです。超音波検査は赤ちゃんが安全に生まれてくる環境づくりのために欠かせない存在だと思うので、これからも注力して、当院での診療にも生かしていきたいと考えています。

妊婦健診で特に大切にされていることは何でしょう?

まずは、先ほどもお話ししたように、超音波検査で異常が見つかった場合しっかりと診断をつけて、その病院で対応可能かどうかを判断することですね。その次に大切にしているのは、ご家族に赤ちゃんの状態をお話しして、出産の前に受け入れていただく時間をつくることです。「病気を持っている赤ちゃんが生まれるかもしれない」とイメージされている方はほとんどいないと思います。もちろん、生まれてからわかることもたくさんあるのですが、生まれてから初めて病気がわかって不安だけが積もっていくよりも、事前に赤ちゃんのことを知って、受け止める時間があることで、救われることもあると思うんです。当然心配されると思いますが、これから生まれてくる赤ちゃんのことを一番に考えて、できる限りの備えを一緒にしていきたいという思いで、誠実にお話しするようにしています。当院は地域の基幹病院と連携していますので、安心してお任せいただければ幸いです。

先ほど、婦人科診療では生理のお悩みが多いと伺いました。

坪倉弘晃副院長 坪倉産婦人科4

生理のお悩みで来院される患者さんは多いですが、人それぞれ痛みや重さ、つらさが異なるので、人と比べる機会もなければ基準もわかりにくいと思います。同じ女性でも、生理が重い人もいれば軽い人もいます。生理が重い人でも、自分が「重い」部類の中でもいったいどの程度なのかよくわからない方がほとんどではないでしょうか。患者さんそれぞれ痛みの程度も生活環境も異なりますので、「生理でつらいのは当たり前のこと」「病院に行くほどじゃない」と思わずに、まずはお越しいただきたいと考えています。この頃は生理で婦人科にかかるということが浸透してきましたし、最初からピルを処方してほしいと考えて来院される方も増えていると感じています。「生理のことで悩んでいるから、ちょっと婦人科に行ってみよう」。そのくらいの気軽さで、頼りにしていただけるとうれしいですね。

気軽に相談できる、頼れる地域の受け皿として

患者さんと接する時に心がけていることはありますか?

坪倉弘晃副院長 坪倉産婦人科5

ごく基本的なことかもしれませんが、電子カルテを打つばかりではなく、お話を伺いながら患者さんと目を合わせるようにしていますね。もちろん電子カルテに記録することも大事なのですが、やはり、画面ばかり向いてしまうと、患者さんもお悩みを打ち明けづらいですし、信頼も得られないと思うんです。それというのも、小児科の医師をしていた母方の祖父のクリニックを手伝っていた時に、患者さんから「最近の若い先生はなかなか目を見てくれない」というご指摘をいただいたんですね。もともと私自身、人と目を合わせるのがあまり得意ではなかったのですが、はっとさせられました。この経験から、患者さんにしっかり向き合っていることが伝わると同時に、患者さんに安心していただけるように、目を合わせるところからコミュニケーションを取るように心がけています。

今後の展望を教えてください。

現在勤めている大学病院でもう少しの間勉強させてもらいながら、そこで得た知識と経験を、当院の診療で地域の方々に還元していくのが目標です。婦人科のお悩みは幅広いですし、今はよりしっかりとした診療で患者さんに満足していただけるように、準備を重ねていく段階だと考えています。大学病院と地域のクリニックでは患者さんとの距離も異なりますし、寄り添い方も一辺倒にはいきません。セミナーや勉強会にも参加しながら、患者さんにとってより良い提案ができるよう、励んでいきたいですね。そして、祖父から父が受け継いだ地域の方々からの信頼を、僕の代でもきちんと受け継いで、自分なりに育てていきたいと思っています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

坪倉弘晃副院長 坪倉産婦人科6

当院は、祖父の代からこの地で診療してきました。これからも引き続き、地域の方々にとって「身近で行きやすい場所にある相談窓口」でありたいと考えています。「妊婦健診は通いやすい場所で受けたい」というご相談から「婦人科の悩みをどこに相談していいのかわからない」というお悩みまで、幅広く対応しています。女性は、ライフステージの変化とともにお悩みも変わっていきますし、なかなか相談しづらい、言いにくいと感じていらっしゃる方も多いと思います。当院では患者さんのお話を丁寧に伺って、一緒に相談しながら、お一人お一人にとって一番良いご提案をしていきたいと考えていますので、ぜひ頼りにしていただければ幸いです。どんな些細なことでも、お気軽にご相談ください。

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