北川 克彦 院長の独自取材記事
内科・外科 北川医院
(東大阪市/弥刀駅)
最終更新日:2026/08/03
近鉄大阪線の弥刀駅から徒歩約7分。テニスコートを備えた公園を望む閑静な住宅街の一角に「内科・外科 北川医院」はある。2023年に前身の診療所を継承して開業した北川克彦院長は、関西医科大学卒業後、がん治療を中心に外科医師として研鑽を積んできた。その一方で、内科か外科か判断の難しい症例にも積極的に向き合い、総合診療の学びを深めてきた経歴を持つ。現在も大学の医局に在籍し、休日も講演会や講習会に足を運んで知識のアップデートを怠らない。パステルグリーンと木のぬくもりが調和する院内で、「患者を診るというのは画像を診るんじゃなく、本人を診ること」と穏やかに語る北川院長に、地域のかかりつけ医としての思いを聞いた。
(取材日2026年7月10日)
がん治療に携わった医師がめざす「何でも診る」医療
開業にあたり、どのようなクリニックをめざされましたか?

外科医として長年がん治療に携わってきましたが、将来を見据えたとき、自分のやりたい医療を形にできる場がほしいと考えるようになりました。2023年に「梶診療所」を継承する形で当院を開業したのですが、一番の思いは「何でも診られるようなクリニックにしたい」ということです。これは診られないと壁をつくるのではなく、内科でも外科でも、まず相談していただける場にしたかったのです。また、地域のクリニックとしてがんの治療前後のケアにも携わっていきたいという気持ちがありました。内科と外科の両方を標榜するクリニックは最近少なくなっていますので、この地域にフィットできたのではないかと感じています。
先生の、これまでのご経歴について教えてください。
関西医科大学を卒業後、関西医科大学附属病院から複数の病院へと移りながら、外科医としてがん治療を中心に経験を積んできました。大学院では研究にも取り組み、その後は若草第一病院で長く勤務しました。実は今も関西医科大学外科の医局に在籍しています。勤務医時代に大きな転機となったのは、内科か外科かはっきりしない症例を積極的に診てきた経験でした。それがきっかけで内科的な見方も自然と身につき、総合診療についても学びを深めるようになりました。いろいろな疾患を幅広く学ぶのがとても楽しくて、気がつけば外科の専門性と総合的に全身を診る力の両方を追求するようになっていたんです。その積み重ねが、結果的に今の開業にそのまま生きていると感じています。
クリニックの設備や環境についてお聞かせください。

継承にあたって、まず紙カルテから電子カルテへ全面的に切り替えました。エックス線もフィルムを焼いていた旧式のものからデジタルに変更し、撮影後すぐにモニターで確認できるようになっています。骨折などの場合はズームアップして細部まで見られるので、患者さんへの説明もしやすくなりました。受付にはQR決済や交通系ICカードなどにも対応した機器を導入し、会計の利便性も高めています。リハビリテーション室にはけん引装置や電気治療、温熱療法の機器をそろえ、広いスペースで落ち着いて治療を受けていただけます。院内はもともとバリアフリーで、段差なく移動できる構造です。目の前に大きな公園がある閑静な住宅街に位置しており、穏やかな雰囲気の中で通院していただける環境だと思います。
触れて、聴いて、向き合う。全身を診る丁寧な診察
来院される患者さんや、注力されている診療について教えてください。

現在は近隣にお住まいの高齢の方が中心で、70代から90代の方が多く、どちらかといえば女性が多い印象です。診療の柱となっているのは高血圧症・高脂血症・糖尿病といった生活習慣病の管理で、慢性的な疾患を抱えた方が定期的に通院されています。最近力を入れているのが、睡眠時無呼吸症候群に対するCPAPという装置を用いた治療です。睡眠時無呼吸症候群は糖尿病や高血圧、高脂血症とも深く関わっており、対象となる患者さんがだんだん増えてきています。また、腰や首の痛みに対するリハビリテーションも行っており、定期的に通われる方も多いです。さらに、通院が難しくなった方には訪問診療でも対応し、一度当院にかかった方は最期まで診続けるつもりで取り組んでいます。
がんの治療経験は、現在の診療にどう生かされていますか?
がんは大きな病院で治療するものという印象をお持ちの方も多いですが、治療の前後に関わるケアは地域のクリニックでも担えると考えています。長年がん治療に携わる中で感じてきたのは、「見つかった時が、その方にとって一番早く見つかった時」だということ。どうしてもっと早くとは言わず、「治療に向かっていこう」と患者さんの背中を押してあげたい。それが一番の思いです。がんの告知も今は当たり前の時代になっていますが、寄り添う姿勢は変わらず大切にしています。精密検査や専門的な治療が必要な場合は、連携する大きな病院へスムーズにご紹介できます。骨折などの外科的処置にも対応しつつ、外科の中に含まれる肛門外科領域のご相談にも応じていますので、気がかりなことがあればまずお話しいただければと思います。
診療で大切にされていることをお聞かせください。

私が大切にしているのは、画像を診るのではなく本人を診るということです。画像だけ見て話していると、まるで画像が患者さんになってしまう。だから人と人の診察として、できるだけ触れて、聴診器で音を聞いて、おなかの状態も自分の手で確かめるようにしています。もう一つ心がけているのは、こちらから一方的に話すのではなく、患者さんの言葉を一番に聞くことです。しっかり耳を傾けた上で、わかりやすく丁寧に説明してあげたいと思っています。こうした姿勢は病院勤務の頃から変わっていません。正直なところ、大学病院のように短時間で診なければいけない環境は自分には向いていないと思います。だからこそ、一人ひとりにしっかり時間をかけて向き合える今の診療が、合っていると感じています。
まず相談してほしい。学び続ける地域のかかりつけ医
患者さんが受診しやすいよう、工夫されている点はありますか?

当院は予約制ではありませんので、基本的にはそのまま来ていただいて構いません。診られないと断ることはまずないので、気になる症状があればいつでも受診していただけます。お薬は院内でお出ししているものも多く、クリニックの後にわざわざ薬局へ移動する負担を減らせるよう工夫しています。発熱の症状がある方だけはお電話をいただき、時間をずらした上で動線を分けて対応しています。スタッフには、以前の勤務先で一緒に働いていたメンバーも加わっており、気心の知れた関係の中で連携できています。患者さんに親しみやすく接してくれるスタッフばかりなので、落ち着いた雰囲気の中で過ごしていただけるのではないかと思います。
今後の展望と、普段先生が大切にされていることを教えてください。
これからは、より多くの地域の方に当院のことを知っていただき、何かあったときにまず頼ってもらえるかかりつけ医でありたいと考えています。内科も外科も幅広く診られるクリニックはそう多くありませんので、その強みを生かしながら、地域に根差した医療を届け続けたいですね。普段大切にしているのは、医療の知識を常にアップデートしておくことです。土曜日は講演会を聞きに行き、日曜日も講習会に参加することが多く、休日の大半を学びの時間に充てています。たまのリフレッシュは旅行で、外科医時代にはほとんど旅行に行けなかった分、今は海外まで足を延ばすこともあります。旅先で出合うグルメが何よりの楽しみですね。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

どんなことでもいいので、まずは気軽に相談しに来てください。内科的な症状も外科的な症状も、どこに行けばいいかわからないというお悩みも、当院で受け止められればと思っています。もし当院だけでは対応が難しい場合も、大きな病院ときちんと連携していますので、必要な医療へとおつなぎできる体制があります。当院を入り口として気軽に頼っていただければと思います。この地域で内科と外科の両方を診られるクリニックとして、お一人お一人の患者さんを支え続けていきたい。それが開業した時から変わらない私の思いです。ご自身のことでも、ご家族のことでも、体のことで少しでも気がかりなことがあれば、どうぞ遠慮なくご相談ください。

