一人ひとりの状態と目的に合わせた
リハビリテーションを提案
ますだ整形外科クリニック
(羽曳野市/古市駅)
最終更新日:2023/09/13


- 保険診療
体を動かすと痛みがある、思うように体を動かせないといった問題を抱えていると、日常生活に大きな支障を来してしまう。体を動かすこと自体がおっくうになり、状態がさらに悪化する心配もある。こうした悪循環に陥らないためには、「痛みの改善や体力の維持、回復をめざしてリハビリに取り組むことが大切です」と、ますだ整形外科クリニックの増田博院長。同院では、リハビリテーション科を設置して、生活動作の改善や身体機能の向上につながる運動療法などに力を注いでいる。「いくつになっても筋肉は鍛えられる」という増田院長に、実際のリハビリの進め方やその内容、同院のリハビリの特徴などについて聞いた。
(取材日2023年8月9日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Qどのような方がリハビリを受けられるのでしょうか?
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A
転倒や骨粗しょう症などによる骨折や捻挫、ギブスの装着などのために、一定期間運動を控えていると、運動器の動きは悪くなったり、筋肉の機能が低下したりします。こうした場合は、リハビリを行って、改善・回復をめざします。関節リウマチの場合も、症状の激しい時期を過ぎ、動きが悪くなっている場合は、温めながらリハビリを行うことで、日常生活がより楽になることがあります。一方、ご高齢の方は加齢とともに体力が衰えてくるので、体力低下を抑え、生活に大きな支障を来すことがないようリハビリを行います。また、学生さんやスポーツ愛好家の方が、故障からの復帰のためにリハビリを受けられるケースもあります。
- Qリハビリではどのようなことをされるのですか?
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A
ケガや整形外科疾患の後に行う場合は、痛みと動きの状態、体力の回復度合いの3点を評価して、どこにポイントを置いたリハビリを行うべきかを検討します。ご高齢の方の場合も、基本的な動作をチェックした上で一人ひとりのご要望や体力に合わせたリハビリを検討します。このため、リハビリの目的や内容は患者さんによって違いますが、共通するのは筋肉をやわらかくする必要があることです。普段の生活で筋肉や関節が硬くなっているとめざす動きが取りにくいので、まずは治療機器を用いて温めたり、ストレッチやマッサージを行ったりして筋肉を柔らかくします。その上で、関節の動きをスムーズにするためのトレーニングや動作の練習を行います。
- Q貴院のリハビリの特徴を教えてください。
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A
理学療法士とスポーツトレーナーが在籍しており、患者さんの状態や目的に合ったリハビリを提供できるのが特徴です。少人数なので患者さんの情報を共有しやすく、スタッフの意見を総合してリハビリの方向性を決めていくことができます。また、患者さんがご自宅でできるセルフトレーニングを積極的に指導しているのも特徴です。当院は予約制を採用しており、すぐにリハビリを開始できないことがあります。また、当院でリハビリを受けられる時間は限られており、日常生活でのセルフトレーニングはとても大事です。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1問診・診断
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まずは問診票に必要事項を記入して医師の診察を受ける。病院で整形外科疾患の手術を受けた場合や骨折でギブスを装着していた場合などは、診断の上、理学療法士によるリハビリが開始される。一方、歩きづらくなってきた、よく転倒するようになってきたなど日常生活上の動作に支障が出てきた場合も、医師による診断が行われ、体の動きや体力をチェックした上で、理学療法士と連携して患者に合ったトレーニングが検討される。
- 2検査・評価
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エックス線撮影など、医師による検査・診療の結果を踏まえた上で、理学療法士による聞き取りと検査が行われる。リハビリの目的は人それぞれ異なるので、このヒアリングはとても重要なステップだ。どこに痛みがあり、どのようにすると痛むのか、どこが動かしづらいのかなどはもちろん、リハビリに希望することなども遠慮せず伝えたい。さらに、実際に体を動かしながら、関節の可動域や筋肉の状態が詳しく評価される。
- 3リハビリの実施
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リハビリ中は理学療法士が積極的に患者に声かけを行い、どれくらい動かすと痛みが出るのかなどをその都度確かめながら施術が行われる。また、患者が施術者のことを「なんとなく苦手」などと思ってしまうと、せっかくリハビリを実施しても、効果が期待できないことも。そのため同院では、あいさつなどのマナーはもちろん声のトーンなどにも注意を払いながら接すること、患者の話をしっかり聞くことを大切にしているそうだ。
- 4セルフトレーニングの提案
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リハビリの頻度は、ケガの直後で週に2~3回、状態が安定してきた人や高齢者は1〜2週間に1回。1回あたりのリハビリの時間は20分程度なので、それ以外の時間をどう過ごすかによって、望める改善・回復の度合いに差が出てくるという。同院では、自宅でできるセルフトレーニングについて丁寧に説明し、積極的な取り組みを推奨するそうだ。
- 5定期的な通院
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リハビリは自己判断で辞めることは避けたい。同院では、継続してリハビリを受けている患者についても、医師による定期的な診察を実施しており、その時点でどのような状態にあり、どのようなリハビリが必要なのかが確認されるという。また、定期的な診察で、通院によるリハビリは必要ないと判断された後も、セルフトレーニングは継続するのがいいそうだ。