全国のドクター9,008人の想いを取材
クリニック・病院 161,455件の情報を掲載(2020年2月25日現在)

  1. TOP
  2. 大阪府
  3. 箕面市
  4. 牧落駅
  5. 医療法人 笠原小児科
  6. 笠原 道雄 副院長

笠原 道雄 副院長の独自取材記事

笠原小児科

(箕面市/牧落駅)

最終更新日:2019/08/28

75265 %e7%ac%a0%e5%8e%9f%e5%b0%8f%e5%85%90%e7%a7%91

阪急箕面線の牧落駅から線路沿いに南へ徒歩約5分、落ち着いた住宅地の一角に「笠原小児科」がある。2016年に新築移転したクリニックで、1階に8台分の専用駐車場と広い駐輪場が用意されているので、車や自転車でも快適にアクセスできる。院内はゆとりのスペースが確保され、空と雲を描いた天井、キッズスペースなど、子どもたちが喜ぶ工夫が光る。1946年開院という歴史を持ち、現在は笠原勝院長が小児科、内科、笠原道雄副院長が小児科、アレルギー科の診療にあたっている。笠原副院長に診療のにおけるこだわりや、地域に根差した医院としての意気込みを語ってもらった。
(取材日2018年2月19日)

救急対応の小児科病院で、あらゆる症状・疾患に対応

先生のお祖母さまが開業されたそうですね。

1

現在の場所から少し離れた場所でおよそ70年前に開業し、その後、1964年に祖母、1987年には父が加わり、現在は父と僕で診療しています。うちは医師の家系で、当初は大阪市内で開業していたようです。ところが空襲で診療所が焼けて、ご縁をいただいて箕面に移転開業しました。

そういう環境なら医師を志すのも自然ですね。

周りは医師ばかりだったので、ごく自然に自分も医師になるのだろうなと考えていました。学校の夏休み中などはずっと診察に来た子どもさんの声を聞いていたし、診療室に入って仕事風景もよく見ていました。患者さんが描いた父の似顔絵を見て、漠然と医師っていい仕事だなと思ったこともあります。もっとも父から医師を勧められた記憶はなく、熱心に勧めてくれたのは祖父でした。亡くなる際の最期の言葉も「医師になってほしい」でした。

専門は家業の医院のことを考えて小児科を選ばれたのですか?

家が小児科の医院だったということ、父に対する憧れの気持ちがあったことは確かに小児科を選んだ理由です。それに加えて、いつも子どもが周りにいる環境で育ったせいか、大人になっても子どもと接することに苦手意識がまったくなく、むしろ親しみを感じていたので、迷わず小児科を選びました。アレルギーを専門的に学ぶようになったのは、大阪市内の病院でアレルギー外来の医師をやってみないかというお話をいただいたことがきっかけです。実は、息子が生後6ヵ月のときに牛乳のアレルギーショックを起こして搬送されたことがあり、アレルギーについて学んでいた下地もあったので、お引き受けしました。

勤務医時代に集中して学ばれたことは何ですか?

2

長く勤めた病院が国内でも救急搬送の多い病院でした。深刻な症状で担ぎ込まれるお子さんも多く、ハードな毎日でしたね。しかし、圧倒的な数の症例を経験でき、病院とクリニックの医療連携についても学ぶことができたので、開業医として独立する前にしっかり鍛えられたと思います。

説明は数値を示し、できるだけ具体的に

新築移転される際にこだわられたポイントを教えてください。

3

インフルエンザの患者さんとアレルギーの患者さんが受診されるというようなケースも少なくないので、きちんとした隔離室を2室設けました。また、小さいお子さん、特にきょうだいで来られると、入り口でスリッパに履き替えるのは結構大変です。そこで、ベビーカーのままスムーズに入れるよう、靴のままご利用いただける方式にしました。車で来院される方が多いので、1階はほとんど駐車場にして十分な台数を止められるようスペースを確保しています。2階が駐車場の屋根代わりになっているので、雨や雪の日も傘を差さずにエレベーターで2階に上がっていただけます。

院内のかわいらしい色使いや装飾はお子さんに受けそうですね。

カラーコーディネートや装飾は、家族と相談しながら決めていきました。医院のカラーである緑や青を使っており、待合室の天井は青い空と白い雲にしてもらいました。マスコットキャラクターは当初いろいろな動物が候補になったのですが、箕面という地域の特色を考えてお猿さんを採用しました。トイレなどのドアやエックス線撮影室の壁などにも楽しいシールの装飾を施しています。

看護師さんを置いておられないそうですね。

父の代からずっとそうで、勤務医を経て戻ってきた時は少し戸惑いましたが、実際にやってみるといい面もたくさんあるんですよ。血液検査なども僕がするので、処置しながら保護者さんやお子さんと話ができ、何か問題が起こってもすぐに対処できます。検査のために診察室から処置室に移動して、看護師が検査するという方式は、時間がかかるし、お子さんがぐずる原因にもなるので、当院のスタイルは保護者の方にも好評です。また、忙しい子育て世代の方に合わせて、インターネットで順番が予約できるシステムも導入しています。

患者さんや保護者と接する際に心がけておられるのはどんなことですか?

4

お子さんに対して優しく接するというのは当然です。一方、保護者に対しては漠然とした説明は極力避けるようにしています。例えば、風邪の場合は単に一般的な病名を告げるのではなく、どういう病気であるかきちんと説明した上で、これまでの症例経験から考えられる経過や注意したい点などについてもお話しします。また、検査の数値などできるだけ具体的な数値を示すことも大切にしています。説明の方法については、患者さんの意見を聞いて、どう説明すればわかっていただけるのか、安心していただけるのか、自分なりに考えて工夫しています。

積極的に新しい知識・技術を学ぶ

食物アレルギーの治療方針を教えてください。

5

血液検査の値のみを指標とせず、積極的な経口負荷試験を行うことで適切な診断と早期のアレルギー除去・解除をめざすことを基本方針としています。このため、食べていいかどうかの境界線を的確に定めることも大切ですが、特に問診を重要視しております。今までの食歴の中で、少しでもアレルギーの原因となるものを食べていた場合はその量を推測したうえで、経口負荷試験を行うことが多いです。少量でも食べれることが確認できれば、定期的に増量し、それに見合った加工品なども食べるよう指導していきます。食事はお子さんの成長にとても大切なので、食事制限する際にはできる限り短期間とし、その際には栄養指導も行います。代用品などを取り入れながら、少しずつ食べられるものを増やしていきます。

除去には家族の協力が不可欠ですね。

特定の食べ物を除去するのは、食事を作る人にとってかなりの負担となります。しかし、誤食を避けるためにきっちりと指導します。また、「先が見えない」治療は大きな負担となりますので、どの段階にくれば何が食べられるようになるのか、例えば卵を10グラム食べられるようになればホットケーキやハンバーグが食べられるなど、見通しを示すようにしています。実際に食べられるようになった時は、皆さん本当に喜んでくださいます。

アトピー性皮膚炎の治療はどのように進めていますか?

保湿やステロイドなどを用いたスキンケアが治療の基本となります。ただし、症状を悪化させる要因がないか、ちゃんと薬が使用できているかを問診を通じて確認していきます。最近はかなり少なくなりましたが、ステロイドを好ましく思われない方もおられるので、最初にメリット、デメリットについて時間をかけて説明した上で、使用についての見通しも伝えながら、実際に使っていただいて判断してもらいます。もっとも一度にたくさんお話しすると保護者の負担になる部分もあるので、必要なことを段階的に説明していきます。

最後に、読者にメッセーッジをお願いします。

6

当院は祖母の代から70年以上にわたってこの地域で診療を続けてきました。そして今後も、長く地域の方のお役に立てる診療所をめざしています。医療の世界は日進月歩なので、日々新しい知識や技術を取り入れるとともに、患者さんとのコミュニケーションを大切にして日々の診療を積み重ねていきたいと思います。お子さんがなんとなく調子が悪そうなときなどは受診をためらう方もおられますが、いつもそばにいる方の「何か違う」という直感は経験上正しいことが多いです。少しでも気になることがあるときは、遠慮せずにご相談ください。それが大事な子どもさんを守ることにつながります。

Access