八尾市、柏原市、藤井寺市
松原市、平野区も頼める訪問診療
久保医院
(八尾市/八尾南駅)
最終更新日:2021/10/12


- 保険診療
入院や外来診療に次いで、医療の選択肢の一つとされている在宅医療。しかし、活用するまでの流れや、受けられる医療サービスなど、その内容については知られていないことも多い。また、知っていたとしても依頼しにくいと感じていたり、依頼するタイミングがわからずに悩んでいたりする人もいるのではないだろうか。八尾市にある「久保医院」では、難病やがんの患者、歩行が難しい患者などへの訪問診療を実施するなど、患者と家族の想いに寄り添った在宅医療を提供している。「患者さんとご家族が望む過ごし方を実現することをめざしています」と話す久保知一郎院長に、訪問診療までの流れや受けられる医療サービスについて、詳しい話を聞いた。
(取材日2020年9月30日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q対象となる人や、対応できることについて教えてください。
-
A
年齢に関わらず、通院するのが難しい方が対象になります。対象となる疾患はさまざまで、脳梗塞などが原因で歩くのが難しい方、パーキンソン病や筋萎縮性側索硬化症といった神経難病の方、認知症で薬をきちんと飲めない方などが訪問診療を利用することができます。また、がん患者さんへの緩和ケアも役割の一つで、病院に通院している患者さんの痛みの緩和も対象となります。薬の調整を行うことで症状のコントロールにつなげられますし、必要に応じて点滴や注射、使用されている医療機器の調節、床ずれの処置、チューブの交換など、在宅医療で対応できることは多岐にわたります。
- Qどの範囲まで対応可能ですか?
-
A
一般的には、医療機関から半径16km以内の居宅であれば、訪問診療を依頼することが可能です。当院の場合だと、八尾市、藤井寺市、柏原市、松原市、羽曳野市の一部のほか、大阪市の平野区と東住吉区です。状況にもよりますが、エリア外にお住まいの方であっても対応できる場合もあります。訪問診療の特徴としては、24時間・365日往診の対応ができることに加え、訪問日時の急な変更・指定にも応じています。訪問診療においては他職種が関わりますが、それぞれが密に連携し、患者さんやご家族が疑問や不安に思うことに対してきちんと説明を行っておりますので、もしもご不明な点や相談などがあれば、お気軽にご連絡いただければと思います。
- Q訪問診療を利用する際の費用、必要な準備について知りたいです。
-
A
訪問診療は保険適用になるため、あまり費用がかからずにご利用いただけると思います。病院やクリニックへの通院となると、タクシー代や診察の待ち時間、ご家族の付き添いなどが必要になりますからね。また、「医師や看護師の訪問日だから、掃除しておかなくては……」とお考えの方もいらっしゃいますが、私たちが患者さんの日常生活の中にお邪魔させていただくわけですから、何も準備する必要はありません。自然な状態で、過ごしやすい環境のままお待ちください。仕事の都合でご家族が不在、あるいは一人でお住まいの場合でも、医師や看護師とすぐに連絡がつく体制を整えていますから、安心してご利用いただければと思います。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1訪問診療の利用について相談
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訪問診療を利用する場合は、地域の医療機関やケアマネジャー、訪問看護ステーションを通じて相談。指定難病や末期がんの場合は、利用相談の際にその旨もきちんと伝えておく。精神的なケアが必要になるケースもあるため、家族と同居している場合は状況に応じて、患者本人だけでなく家族に同席してもらうことも。
- 2日時の調整
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訪問診療の日にちと時間を決定。日時の急な変更や指定にも、できる限り対応してもらえるが、都合が悪くなった場合はすぐに連絡するようにしよう。訪問日だからといって掃除は不要。普段生活している環境から、診察や治療のヒントになり得ることもあるため、いつもの状態で医師や看護師の到着を待つ。
- 3診察を受ける
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診察では、胃ろうや膀胱留置カテーテル、気管切開の管理、点滴や注射、エコー検査、心電図検査、輸血など、多様な処置に対応でき、がんの場合は、緩和ケアを受けることも可能。当日の治療については、その日の体の状態に合わせて処置を受ける。困っていることや、思い描いている在宅医療のかたちがあれば、医師や看護師に伝える。
- 4定期的な診察で健康状態をチェック
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訪問時には健康状態を確認するだけでなく、患者や家族の様子を医師が把握することもある。診察の際に家族や介護者の同席が望ましいのは、患者や家族の想いを聞き取り、困り事がないかを確認するため。独居の患者の場合はケアマネジャーやホームヘルパーが立ち会うことも。状況に応じて今後の診療計画を変更することもできる。
- 5情報共有とアドバイス
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患者本人とその家族がより良い生活を送れるように、医師や看護師、訪問看護ステーションのスタッフがそれぞれの視点から意見共有するためのカンファレンスを実施。診察時は必要に応じて、カンファレンスの内容をもとにしたアドバイスをもらったり、方針の決定に生かしたりすることも。医師に言いにくいことがあれば、看護師やケアマネジャーに相談してもいいという。