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松尾 信郎 院長の独自取材記事

松尾医院

(枚方市/牧野駅)

最終更新日:2019/08/28

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大阪府枚方市招提中町の住宅街の一角にある「医療法人清和会 松尾医院」の院長に2019年4月に就任した松尾信郎(まつお・しんろう)先生。もともと専門は循環器内科だが、大学病院ではさまざまな病気の治療や臨床研究に携わってきた経験を生かして、総合的な内科診療を行っている。通院が困難な患者の自宅まで足を運んで訪問診療も行っている。「自分が診ている患者さんは病気にさせない」という強い想いで、熱心に予防医療に取り組んでいる松尾先生に、これまでの医師としての歩み、診療スタンスについて話を聞いた。
(取材日2019年4月26日)

専門の循環器内科のほか内科・小児科・皮膚科を診察

大学や病院では、どのような経験を積んでこられたのでしょうか?

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滋賀医科大学卒業後は、同大学の第一内科に入局し、循環器疾患を中心に、呼吸器疾患、膠原病、悪性腫瘍の治療を専門に診療してきました。市立長浜病院、公立甲賀病院での勤務を経て、滋賀医科大学の内科学講座の助教として学生たちへの講義に励む傍ら、心核医学部門のチーフを任され、臨床研究にも力を注ぎました。核医学とはアイソトープという薬を静脈注射し、心臓の血流や心筋の代謝を調べて病気の診断をする検査方法で、核医学はがんの骨転移や腫瘍、甲状腺疾患の治療に役立てていく分野です。2008年からは、金沢大学核医学診療科に講師として、そして臨床准教授として勤務し、約11年間、金沢大学で核医学の薬を使った診断と治療に携わりながら、他病院で循環器疾患の診療を行ってきました。

現在はどのようなクリニック診療を実践されていますか?

この場所で40年にわたって、義父が診療していた「医療法人清和会」を引き継ぎ、今年4月に私が院長に就任しました。クリニック名を「松尾医院」に改め、これまで大学や病院で培った知識を、今後は地域の健康維持・増進につなげたいと考えています。患者さんは、風邪や腹痛などの一般的な内科の症状や生活習慣病の管理で来られる方のほか、高血圧などの循環器系の疾患、糖尿病や甲状腺などの代謝系の疾患、気管支炎やぜんそくなどの呼吸器系の疾患など多岐にわたります。小児科を標榜しているので、お子さんと一緒に親子で受診される方もおられますよ。高齢のために通院が難しい方には、こちらがご自宅まで出向き、訪問診療を行うこともあります。主治医として責任を持って患者さんと向き合う医療の大切さは、勤務医時代にケアマネジャー資格を取得し在宅医療を経験することで実感できました。

さまざまな疾患に携わってこられた経験が、診療で生かされることも多いようですね。

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当院は皮膚科疾患にも対応していますが、皮膚科の症状は内科の病気とも関わりが深く、自己免疫疾患やリウマチの表現型として現れることも少なくありません。また服用中のお薬による薬疹であることも考えられるため、皮膚だけに着目するのではなく、患者さんの話をよく聞き、全身の状態をきちんと把握した上で原因を探るように心がけています。内科の治療と合わせて、総合的に病気を診る方針では、これまで多岐にわたる病気を治療してきた経験が役立つことが多いですね。当院は内科、小児科、皮膚科を標榜していますが、プライマリケアを行うかかりつけ医として、幅広い疾患をオールマイティーに診察しています。緊急性を要する病態や、専門的な検査が必要だと判断した場合は、近隣の病院と連携して適切な医療が迅速に受けられるようにしていますので、内科の症状に限らず心配事がある方はまずはご相談いただきたいと思います。

目的をしっかりと伝え、納得のいく治療・予防を提案

予防医学に携わってきたことで、「患者さんを病気にさせたくない」という想いは人一倍強いそうですね。

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大学病院では重篤な病気の患者さんを救うことに専念してきましたが、クリニック診療では、死亡原因上位を占めるような心筋梗塞、脳梗塞、がんなどの病気を近づけないことを第一に考え、日々診療を行っています。とくに高血圧など循環器系に問題が出てくると、生活習慣病をはじめさまざまな疾患にかかりやすくなります。深刻化する前に早期診断で病気を食い止めていきながら、患者さんに対しては、血圧の数値を下げることが治療の本当の目的ではなく、血圧を管理して動脈硬化を抑制することでいかに大きな病気を防げるかといことをきちんとお話し、納得して予防に取り組めるように努めています。

予防の重要性を理解してもらうことは容易ではないですよね。

確かに、患者さんによって健康に対する考え方には大きな違いがあり、病気について勉強して血圧を管理されている方もいれば、あまり健康を意識せず、むしろ目を向けないようにしている方もおられます。患者さんに説明するときは、その方の理解力や意識の高さに合わせて、できるだけ難しい用語を使わず、わかりやすい話をするようにしています。とくに治療方針を一緒に考える際は、お薬を飲む意味や薬を使わない別の選択肢があることもきちんとお伝えし、患者さんが納得して病気と向き合えるアプローチを検討します。また、診療室の椅子に黙って座ってもらうだけでは、病気の正しい診断はできませんから、しっかりコミュニケーションを取って、患者さんの話をしっかり聞くよう心がけています。

広い視野で病気を診るスタンスは、実体験から学ばれたとか。

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1991年の医師国家試験の合格発表の後、滋賀医科大学の第一内科にあいさつに行ったのですが、その日は信楽高原鉄道の列車事故が起こり、医局はヘリで運ばれてくる患者さんの対応に追われていました。医師になりたての私にも患者さんが割り当てられ、いきなり任されることになったのです。その後、1週間病院に寝泊まりしました。事故の際に胸部を強打し、心不全と呼吸困難で入院されていた患者さんでしたが、実は後になって「たこつぼ心筋症」という病気が心不全の原因だとわかりました。これは2週間ほど安静にしたら回復に向かうストレス性の心筋症で、今でこそ病名があるものの、当時はほとんど認知されていない病気でした。医師になって初めて診る患者さんが教科書に載っていないような病気だったことに驚いたのと同時に、教科書の知識がすべてではないことを意識して、病気を診ていくべきだと実感しました。

活動の幅を広げ、市民向けの健康講座で情報発信

地域のために、今後力を入れていきたいことは何ですか?

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学会の研究発表や医学部学生や研修医の教育経験を、地域医療の場に役立てたいと考え、枚方市民の方に向けた健康講座の開催などを今後予定しています。健康に不安を感じている方だけでなく、自分は大丈夫と思っている方にも来ていただき、気をつけてもらいたい病気や予防についてなど、有益な情報を発信していきたいですね。幼稚園や小学校にも足を運び、子どもたちにも健康の大切さを伝えていければと考えています。大学や大学院では英語で臨床医学の講義をしたり、国際的な学会で発表したりすることも多かったので、語学力を生かして、外国人の方にも対応していきたいと思います。今後も若手医師の指導を継続して行い、町の開業医でありながら医療をリードする立場でありたいですね。

休日はどのようにお過ごしですか?

琵琶湖にヨット仲間がいて、滋賀医科大学にいた頃は定期的にレースにも出場していました。滋賀にいたときは天体観測にもよく行きましたが、大阪は空が明るいので最近はほとんど行ってないですね。昔からピアノを弾くのが好きで、家族に聞かせたり、コンサートに行ったりします。院長に就任したばかりで今はなかなか時間が取れないのですが、家族みんなで発表会に出ることもありますよ。ほかにも将棋、釣り、ゴルフなど、改めて考えてみると多趣味ですね。

読者へのメッセージをお願いします。

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身近な家族の気づきによって、生活習慣病や睡眠時無呼吸症候群の早期診断につながるケースも多いので、家族の健康で不安なこと、気になっていることがあれば気軽にご相談ください。また多くのご家庭では、お母さんが家族の健康管理を把握されていると思いますが、お母さんご自身の健康にも目配り、肌荒れの悩みがありましたら、声をかけてもらえたらと思います。大学病院には、高度医療を受けたい、専門治療で治したいという方が受診されますが、地域のクリニックには「この先生に診てもらいたい」という方が受診されます。気持ちに寄り添う医療で地域の人たちを病気から守り、信頼されるかかりつけ医をめざしていきたいですね。そして、人生の最後まで地域医療に身をささげる医師でありたいと思っています。

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