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田邉 卓也 院長の独自取材記事

田辺こどもクリニック

(枚方市/樟葉駅)

最終更新日:2019/08/28

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京阪バスの東山バス停から徒歩約2分、船橋小学校の前に「田辺こどもクリニック」がある。院長の田邉卓也先生は、大学病院でてんかんや発達障害について専門的に研究・診療した経験があり、地域に根差した診療を提供する必要を感じて開業した。子どものさまざまな病気について対応するとともに、全国的にも珍しいてんかんの専門的治療ができるクリニックとして、質の高さにこだわった診療を実践している。また、病児保育室を併設して、仕事を持つ保護者の就労、子育てをサポートしている。田邉院長に地域のかかりつけ小児科の医師としての思いや、日々の診療の中で大切にしていることなどについて、話を聞いた。
(取材日2018年9月11日)

子どもが主役と考えてコミュニケーションを取る

開業のきっかけを教えてください。

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てんかんや発達障害などは、高度な医療機関で診るものというイメージを持たれがちです。しかし、特に珍しい症例ではなく、子育てに苦労されている保護者も少なくありません。中には適切なサポートを受けられずに、虐待やネグレクトに至ってしまうケースもあります。そう考えると、受診に時間も手間もかかる大規模な病院で患者さんを待っているのではなく、医師が地域に入っていって、悩み事などを気軽に相談できる場所にいるべきではないかと思ったのです。問題を抱えたお子さんにとっては、病院にかかること自体が苦労を伴いますからね。僕自身も若い頃は病院での診療にやりがいを感じていましたが、現状を見て地域で開業することにとても意義があると考えるようになりました。もちろん、地域のクリニックとはいえ医療の質を保つことは必須で、対応が難しい場合には病院と連携の連携で対応します。

子どもや保護者と接する際にどんなことを心がけておられますか。

当クリニックの法人名は「あゆみ会」といい、「子どもが主役、主役は子ども」を理念としています。小児科なので当たり前ともいえますが、私たちはともすれば病気や治療、薬などについて、保護者の方のみに説明しがちです。子どもにとってみれば、治療をされて時には泣いてしまい、家に帰るとまずい薬を飲まないと叱られる。嫌なことばかりで、治る病気も治らないかもしれません。たとえ小さなお子さんでも、ちゃんと話を聞いてあげて、「いっぱい寝ようね」とか「お薬飲もうね」とか、薬をしっかり飲んだお子さんには「ちゃんと飲めたね!」でもいいので、年齢や理解度に合わせたことをしっかり目を見て話してあげます。そうすることで、頑張って治療を受けようという気持ちが芽生えるし、受診の記憶が嫌な思い出だけになりません。スタッフにも必ず一度はお子さんと目を合わせて言葉をかけることを徹底しています。

発達障害の子どもと接する際に特に気を使っておられることはありますか。

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発達障害があるお子さんの場合、待合室でじっと順番を待っていることが難しく、大きな病院はもちろん、地域のクリニックでも待合室を走り回ったりしてスタッフに?られるということもあります。そのせいで、お子さんを連れてこられる親御さんが他の患者さんに気を使って、受診が重荷になるケースも少なくありません。当クリニックの場合は、スタッフもそうしたお子さんのことを理解しており、接し方についても心得ているので、いつでも気遣いなく受診していただきたいですね。こうした子どもさんとの接し方については、特に研修などを実施したわけではなく、日々の診療の中でつくり上げたものです。発達障害のお子さんにとっての良い接し方、関わり方というのは、実は他のお子さんにとっても良い接し方だと思います。

劇的に発達していく子どもという存在に興味を持つ

医師を志したきっかけを教えてください。

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もともと人間に興味があり、人体に関わる仕事ということで自然に医学を志したように記憶しています。子どもの頃から心理学的なことに関心を持っていて、世の中にはいろいろな人がいて、仲良くなれることもあれば、そうでない場合も多く、そうした人との関わりについて考えるのが好きでした。もしかすると、自分自身が人との関わり方に少し苦労するタイプだったのかもしれませんね。また、私の父はかつて医師を志したようなのですが、戦時中で思うような進路に進めなかったという話を何度か聞いたことがあったので、無意識のうちに医師をめざす動機になったようにも思います。

小児科を専攻されたのはなぜでしょう?

成長に伴って、とてもダイナミックに変化していく子どもという存在に興味を引かれたというのが一番の理由です。また、例えば内科というと、循環器内科、消化器内科といった具合に臓器別で専攻が分かれていますが、心臓を診るとか肝臓を診るというのは、自分がめざす仕事ではないと感じていました。小児科も最終的には細かい専門領域を学ぶのですが、小児科学では発達していく子ども全体に関わって診療することができ、小さな頃から人という存在全体に興味があった自分の気持ちに沿う診療科だと考えたからです。

卒業後は小児神経学やてんかんについて学ばれたそうですね。

医学部を卒業後、大学院で小児科学の基礎的な研究をしながら、臨床で小児神経学やてんかんの勉強を始めました。なぜ、こうした領域を選んだのかというと、これもまた子どもの頃の興味につながっていきます。特定の部位や臓器ではなく、子ども全体に関わることが学びたかったからです。神経学やてんかんというと、脳を診るという見方もできます。でも、僕は脳だけを診るのではなく子どもの頃から興味があった人の気持ちや心理学的なことにも関わっていく領域だと感じ、深く、深く興味を持つようになりました。

勤務医時代には幼児療育園の園長も務められたそうですね。

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市立病院の小児科に勤務しており、同じ市立の幼児療育園の園長も兼務していました。整形外科など他の診療科を含めた何人かの医師とローテーションを組んで、週に一度療育園に行き、主に肢体不自由や発達障害のお子さんを診ていました。

病気を診るだけでなくその子ども自身を診る

病児保育室を併設されていますね。

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当院のあるこの場所では、もともと別の小児科の先生が開業されていましたが、ご縁があり継承させていただき、「田辺こどもクリニック」としてスタートしました。病児保育室は前の先生の時からやっておられたもので、当クリニックが引き継ぎました。市内に現在4つある施設の一つとしてあり、保育士が急病のお子さんを預かってケアします。お子さんが熱を出すなどして突然体調を崩すと、仕事を持っておられる保護者は本当に大変ですからね。

子育ての悩みを受けることも多いのでしょうね。

小児科は単に病気を診るだけではないので、その土地にしっかり根差して、かかりつけ医として地域の方々のさまざまな悩みに対応していくことが大事だと思います。受診の際にいつも親御さんの様子を拝見していると、お子さんに対する接し方や見方などが少し気になるなと感じることがあったり、今日はいつもと少し違って疲れておられるな、心配事を抱えておられるなと気づいたりすることがあります。それに対して何か特別なことができるわけではないのですが、「大変そうですね」などと何げない一言で、表情が緩んだりすることもあります。診察をしているのですが、病気を診ているだけでなく、お子さん、保護者、さらにその背景までを含めて見ることが大事だし、変化に気づき、いい声かけができればいいなと思っています。それがちょっとした子育て支援につながれば本望です。

読者にメッセージをお願いします。

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当院では、不要な薬剤はできるだけ使わないようにし、子どもさんに負担をかけないように努めています。どんなことでも相談できるように幅広く診療しておりますので、発達障害だけではなく、一般疾患や予防接種などお気軽にご相談してください。

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