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折野 一郎 院長の独自取材記事

折野産婦人科

(枚方市/樟葉駅)

最終更新日:2023/08/23

折野一郎院長 折野産婦人科 main

1972年に先代院長が開院して以来、新たな生命をこの世に誕生させる母を支えてきた「折野産婦人科」。2012年のリニューアルを経て畳の部屋の分娩室LDRを備えて以来、分娩台を使わない「自然分娩」「フリースタイル出産」を主体としている。提唱したのは2代目を引き継いだ折野一郎院長だ。本来お産とは自然な営みであるからこそ本能に任せてリラックスし、一番楽な姿勢で産んでもらいたいと話す。また、母子の結びつき、絆が深まるといわれる出産後すぐの30分~1時間、唯一無二となるこの時間に、新生児を胸の上に乗せての「ふれあい抱っこ」と授乳を始めてもらうという。折野院長の確固たる信念にフォーカスして話を聞いた。

(取材日2018年4月11日/情報更新日2023年8月7日)

原点回帰で本来の自然なお産を取り戻す

なぜフリースタイル出産を始められたのですか?

折野一郎院長 折野産婦人科1

画一的ではない自然なお産があることを知ってから、病院主導で一律的に指示をしながら行う分娩に抵抗を覚えるようになりました。ただ、大学病院で妊娠高血圧症候群や緊急の帝王切開など多くの異常分娩も診てきましたから、医師の介入・施術が必要なケースがあるのもよくわかるのです。ですが、問題ない場合にまで一方的で味気ないお産をすることに違和感が増していきました。確かに医師や病院側としては、管理してお産したほうが楽ですし、分娩台だと何かあった時にも対応しやすいのは事実です。それでも私は、個人個人に合わせた患者さん主体のお産をしたいと思いました。そして、患者さんの満足度や産みやすさの観点からも、原点回帰となるフリースタイルでの自然分娩を取り入れたのです。

どのように違うのでしょう?

基本的に無理にいきむお産ではなく、自然ないきみでゆっくり進めていきます。あくまでもその人のペースを大切にし、いきむように促すことはありません。仰向けに寝転がるだけでなく、横向きになったり、四つん這いになったりと状態に応じて産みやすい姿勢を取ってゆかれます。踏ん張らないと赤ちゃんが降りてこない場合は、助産師が足を持ったりして支えるので、台がなくてもそうした介助で行えます。当院では出産に際し医師は、助産師に近いスタンスでいることをポリシーとしています。異常がなければ積極的な医療介入はしないという方針なのです。ですから経過により必要となる場合を除いて、陣痛促進剤も極力使用しないのです。元来、お産は医療の先端が入り込むものではないと思うので。ただし、経過が順調であることが前提ですから、難産や異常が見られる場合は、分娩室に移動してもらって医師が対応しながらの出産となります。

ご本人が希望されれば誰でも立ち会えると伺いました。

折野一郎院長 折野産婦人科2

そのとおりで、当院ではご主人だけでなく、お子さんも一緒に分娩室に入るケースが多いですよ。畳の部屋だとお子さんも動き回りやすく、お母さんと目線も一緒ですから側にいる感じがあって立ち会いやすいのです。いつも家族でいるときの雰囲気そのままにお産ができます。「怖い~」と泣き出してしまう子どもさんもいますが、それは、お母さんが豹変するからなんですよね(笑)。中には、叫びながら出産される方もいますので。すごく興味を持つ子は、赤ちゃんが出てくるところを何度ものぞきにきます。幼稚園や小学校の子どもさんはもうわかるようで、命が生み出される瞬間を一緒に体験して、子ども心に感じるものがあることが伝わってきます。やっぱり子どもの反応は素直で素朴なので、明日は学校に行って自慢するんだろうなあと、こちらも見ていて楽しいですよ。

昔ながらの自然な営み、母乳が育む母子の絆

母乳哺育を推奨されていますよね。

折野一郎院長 折野産婦人科3

これも原点回帰の一つです。病院での出産もミルクの普及もここ50年くらいのことで、それまでは家で出産して母乳で育てるのが当たり前でした。今では、ミルクより栄養があって免疫力を養い、脳の発達やすべての発育において優れていることが証明されてきていますよね。お産はもともと生理的なもので生殖活動の一環という本来主体であるべきことを尊重して、母乳で育てていただいています。最初は出にくかったり吸わせにくかったりしますが、徐々に慣れていきます。ミルクを哺乳瓶であげると飲んだ量もわかりますし、吸いやすい吸い口に作られているので、赤ちゃんも最初からスムーズに飲んでくれて病院側も楽ですが、やはり母乳に勝るものはありません。

「ふれあい抱っこ」について教えてください。

カンガルーケアとして知られていますが、本来の意味とはちょっと違うことから、オリジナルで「ふれあい抱っこ」とネーミングしました。正式には早期母子接触といいます。生まれてからの30分というのは、五感でお母さんの匂いや声、おっぱいの形などをすごく記憶するといわれています。当院は畳の分娩室なので、生まれてすぐの赤ちゃんの体をお母さんの横で拭くことができます。状態をチェックして問題なければ1~2分ほどで、お母さんの胸の上に乗せ直接肌と肌が触れ合うようにして30分~60分程度抱っこしてもらいます。産んだ実感をより感じていただけますし、抱っこすることで赤ちゃんもリラックスして、あんまり泣かないんですよ。そして呼吸も落ち着き、だんだんおっぱいを吸いたそうにしだしたら、そのまま授乳を始めてもらいます。

母子にとって大切な営みでもあるのですね。

折野一郎院長 折野産婦人科4

そうですね。ただ、生まれてすぐの赤ちゃんは状態が急変したり呼吸が止まったりする場合もあるので、モニターでしっかり見ながら常に母子の安全に備えています。当院には理念を同じくする助産師が集まっていますので出産チームの連携も良く、また、お母さんたちの心強いサポートにも努めてくれています。初期・中期・後期と3回受診していただく助産師による専門外来では、それぞれ20~30分、時間をかけてじっくり説明していくのでフリースタイル出産はもちろん母乳育児についても理解を深めていただけます。

アンケートの声を反映し、新たなサービスの展開を

ところで、先生が医師をめざされたのはいつ頃ですか?

折野一郎院長 折野産婦人科5

子どもの頃からぼんやりと医師になりたい気持ちがありました。お産はいつ始まるかわからない、産婦人科は24時間ハードな科だから、父は私に他の科を専門にしてもいいと思っていたみたいです。でも私は中学・高校と陸上ホッケー部で、大学はラグビー部と体育会系でしたから、体力には自信がありましたし、外科・救急医療・産婦人科のいずれかを専門にと考えるようになりました。最終的には大阪医科大学在学中に研修で回って、やっぱり産婦人科が一番自分に合っていると感じ、医局の雰囲気も良かったことから決定しました。卒業後10年間医局に所属して、いくつかの関連する総合病院で難しい症例を含む異常分娩にも携わり、産科の病棟医長も務めていました。その後、当院で父を手伝うようになってから8年後に院長に就任しました。

お忙しい中、リフレッシュはされていますか?

家でゆっくりするのが好きですが、毎年1~2回は家族とスキー旅行を楽しみます。父がスキー好きで私も小さい頃からよく連れて行ってもらいました。医師になってから滑りに行く機会がなく10年ほど過ぎた時に、ふと、子どもに雪を見せたいと思ったんですよね。私自身が取り上げた中学生の双子の娘がいるのですが、4歳頃にスキーに連れて行ったらすっかりはまりまして(笑)、以来、スキーはファミリーの趣味になり北海道の留寿都(るすつ)へよく行くようになりました。あと、ゴルフも気分転換になっていいですね。

今後の展望を聞かせてください。

折野一郎院長 折野産婦人科6

今のまま続けていくのが目標です。すぐに取り入れたい試みとしては、入院されているお母さん同士がつながっていける機会を提供することです。アンケートにリクエストとして挙がってきていたので、お茶の時間とか、サークル的に集えてママ友になっていけるようなきっかけづくりをサポートしたいと思っています。ここから3軒隣に設けたマタニティーホールで開催している、母親教室やヨガクラス、産後のピラティスなど各種教室での写真をSNSでアップするなどの発信も検討しています。サービス面では時代とともに新たな展開がありますが、出産時の写真・動画を編集したDVDの贈呈や、産後のオイルマッサージケア・ベビー服のプレゼント、和食中心の食事はとても好評です。さらに工夫を続けて喜んでもらえるように努めていきます。

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