岩佐 弘一 院長、東 弥生 先生の独自取材記事
医療法人 イワサクリニック
(枚方市/香里園駅)
最終更新日:2025/08/05

京阪本線・香里園駅東口から3分ほどの場所にある「イワサクリニック」は、1986年開業の歴史ある産婦人科医院。安全を第一に考え、手厚いサポートを提供する産科、婦人科診療、そして体外受精などの不妊治療を提供し、地域の出産と女性の健康を見守ってきた。2018年に院長に就任した岩佐弘一先生は女性医学が専門で、女性の一生涯に関わる診療に精通。京都府立医科大学で講師、准教授を務めてきたエキスパートだ。女性医師も複数在籍しており、相談しやすい体制も魅力の一つ。その一人である東弥生先生は総合病院で長年研鑽を積み、重篤で緊急性のある妊産婦の管理や婦人科がんの手術や治療にあたってきた経験豊富な医師だ。今回は大学の同級生でもある岩佐院長と東先生に、医院の特徴や診療への思いをたっぷりと聞かせてもらった。
(取材日2025年6月23日)
患者一人ひとりに寄り添う診療
どのような診療方針を掲げられていますか?

【岩佐院長】前院長の岩浅義彦理事長が掲げた「すべての患者様にVIP待遇を」という理念に加え、私自身が考える「それぞれの患者様に最適な医療を」というモットーのもと、診療にあたっています。患者さまは年齢や体質ばかりか、お仕事・家庭・経済の事情などが違いますので、同じ病気であっても治療法は異なって当然です。そういった背景をしっかりくみ取り、状況に合わせた治療方法をご提示することで、最適な医療を提供していきたいと考えています。
診療内容について詳しく教えてください。
【岩佐院長】分娩での受診が約4割、体外受精を含めた不妊治療での受診が約4割、更年期などの婦人科診療が約2割です。開院した1986年から数多くの分娩に対応してきました。お産は予期せぬ事態が急に起こるものですので、用心深く、安全に十分配慮したお産を行うことを重視し、緊急を要する時や手術が必要な場合は高槻病院や関西医科大学附属病院といった信頼できる病院へスムーズにご紹介しております。不妊治療は、香里園駅前に不妊治療専門の施設を設けており、専門スタッフのもと幅広く取り組みを行っているところです。また、スタッフも充実しており、非常勤も含めて男性医師5人、女性医師は2人、助産師7人、看護師7人、助手、事務のすべて合わせて40人ほどおります。一人の患者さまに対してかけられる時間が多くなりますから、手厚い対応ができているのではないかと自負しているところです。
院長はどのようなご経歴を歩まれてきたのですか?
【岩佐院長】大学を卒業し、臨床研修後は出身大学の京都府立医科大学産婦人科学教室に入局し、福井愛育病院や国立病院機構奈良医療センター(旧・国立病院機構奈良病院)、京都山城総合医療センター(旧・公立山城病院)で務めた後、大学に戻り講師、准教授を就任してまいりました。私は女性医学を専門とし、思春期・更年期のホルモン補充療法や骨盤臓器脱の治療などさまざまな診療に力を注いできました。理事長から医院継承のお話をいただき、2018年に院長に就任した次第です。
東先生のご経歴もお聞かせいただけますか。

【東先生】親が内科医院を営んでおりましたので同じ医師をめざし始め、当時は小児科志望でした。診療科を選ぶ際、女性だけに偏るものの、赤ちゃんからご高齢の方まで幅広い年齢の方を診られるところに魅力を感じ産婦人科へ。手術や治療によって患者さまのお悩みの解決をめざすことができ、治療が終わった後に患者さまが爽やかな笑顔で帰られていく姿を見られることは大きなやりがいを感じる部分です。これまで最も長く在籍したのは京都第二赤十字病院です。高度急性期医療を担う病院ですから、ハイリスクの出産など重篤で緊急性のある妊婦さんやがん患者さんへの手術・管理と、多くの経験をさせていただきました。家族が病気になったことを機に、面倒を見るために病院を退職。そのタイミングで院長から声をかけていただき、非常勤として外来診療を担っております。実は院長と私は大学の同級生なんですよ。
分娩や不妊治療、女性の一生涯にわたる悩みをサポート
分娩やサービス面のこだわりはございますか?

【岩佐院長】「お母さんと赤ちゃんの健康と安全」が第一です。分娩が始まると短時間のうちにさまざまな変化が生じますし、時には命の危機に関わるようなトラブルも起こりますが、早めの決断と医療的な対応、処置を行っています。麻酔科医も昼夜問わず連携可能な体制を築き、院内での帝王切開も可能です。退院後に育児で困っているお母さまへの産後ケアにも注力しています。体の調子や育児の状況、うつ傾向がないかなど、お母さまの状態を見て、サポートして差し上げることが大切だと考えています。
【東先生】サービス面では、胎児の時にエコーの動画や写真を見られるサービス、プロのカメラマンによるニューボーンフォトをご用意しております。また、食事に関しても「豪華だ」とご好評いただいており、クチコミで来られる方もたくさんいらっしゃるんですよ。患者さまに喜んでいただきたいという想いから、エステサロンも併設しております。
不妊治療のご相談も年々増加されているとか。
【岩佐院長】タイミング療法や人工授精、体外受精、顕微授精、胚盤胞移植など、一般的な不妊治療から高度不妊治療まで、さまざまな治療法を行うことが可能です。不妊治療の経験豊富な医師と、農学部大学院博士課程の培養士が、精度の高い治療に努めています。北海道から沖縄まで全国からたくさんのご相談をいただいておりますので、受診のしやすさを向上させるためにオンライン診療も取り入れており活用中です。「子どもを持ちたい、親になりたい」と強い思いを持たれる方々の助けになることができればという思いで、尽力しております。
婦人科診療についてはいかがでしょうか。

【岩佐院長】女性医学を専門とする私の得意分野であり、月経不順や更年期障害、子宮脱など、思春期から老年期までの女性の一生涯を通じて幅広く診療することができます。婦人科の病気はホルモンバランスの乱れが影響することが多いとされており、ホルモン補充療法が有用です。一方で、副作用で不正出血などが見られることもあり、この治療法を好まれない方もいますので、漢方薬の使用や、状況によっては経過観察など、患者さまに寄り添った選択肢をご提示しております。オンライン診療も積極的に実施しており、生理痛が強い月経困難症の方には、オンライン診療でもピルの処方をしております。妊婦さんに限らず、女性特有の症状や疾患にお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
丁寧に説明し、患者の理解を得た上で治療を進める
診療を行う上でどんなことを大切にされていらっしゃいますか?

【岩佐院長】患者さまに最適な医療をご提供することはもちろん、まずは理解し、納得していただくことが非常に大切ですので、説明は丁寧に行っているつもりです。患者さまに対してベストを尽くすという気持ちで、相手の立場に立った接し方を心がけています。
【東先生】もし、大きな問題を抱えることなく無事に出産を終えたとしても、一部は「これから何らかの問題が出てくるのではないか」と懸念を抱くケースがあります。そういった方々をいち早く見つけて差し上げて、必要あらば早急に大きな病院をご紹介できるよう、病気のリスクを見逃さないことを心がけております。また、会話においては相手の雰囲気に合わせて話しやすい環境を作ることで、患者さまの訴えたい内容をうまく引き出せるよう意識しています。
今後のご展望について教えてください。
【岩佐院長】今後お産は大きな病院に集中し、医院での件数は減少傾向になっていくはずです。変化するニーズに対応しながらも、引き続き新たな生命の誕生をサポートする産婦人科としての使命を全うしていきたいと思います。また、不妊治療や女性のヘルスケアも一層力を注いでいきたいです。
最後に読者へメッセージをお願いしいます。

【東先生】産婦人科の受診は少しハードルが高いかもしれませんが、小さなお悩みでも気軽にご相談にいらしていただけるとうれしいです。
【岩佐院長】患者さまの中には男性医師による診療に躊躇される方も多いと思います。当院には東先生をはじめ、優秀で優しく話を聞いてくださる女性医師も外来診療を行っておりますので、安心して受診してくださいね。お待ちしております。