全国のドクター9,010人の想いを取材
クリニック・病院 160,876件の情報を掲載(2021年8月05日現在)

  1. TOP
  2. 大阪府
  3. 守口市
  4. 土居駅
  5. 医療法人誠心会 森口医院
  6. 森口 久子 院長

森口 久子 院長の独自取材記事

森口医院

(守口市/土居駅)

最終更新日:2020/04/01

74414

「さまざまなメディアで情報があふれている時代だからこそ、より一層、人と人との関わりを大切にしたい」と優しいまなざしで語るのは、京阪本線の土居駅から徒歩5分のところにある「森口医院」の森口久子院長。子どもから高齢者まで幅広い患者のプライマリケアを行う医師として地域医療の一端を担っており、長年培ってきた患者との信頼関係は厚い。地域のかかりつけ医としての役割を担いながらも、20年以上にわたり発達障害の傾向がある子どもから成人までの支援にも深く携わっている。父である先代院長が開業してから半世紀以上。診療スタンスや地域の患者への思いなどざっくばらんに語ってもらった。
(取材日2019年3月11日)

プライマリケアの医師として地域の患者とともに歩む

院長のご経歴と、クリニックの歴史についてお聞かせください。

1

1984年に近畿大学を卒業後、同大学の医学部付属病院の小児科に入局しました。その後、同医局の大学院特別研修生として大学に通い、その間に結婚、出産もしました。もともと主人の父がこの場所で戦前から内科の診療所を開業していて、主人も小児科の医師なのですが、病院小児科を定年までまっとうしたいという思いがあったため、私がいずれここを継ぐという思いでいました。第一子が生後6ヵ月の時から小児科専門医の資格を取るために大学へも通いつつ、ここの診療所で父の手伝いもしつつという感じで診療していました。1992年に突然父が亡くなったので、その後は私が院長を引き継ぎ、フルタイムで働くようになりました。

子育てをしながらの仕事は大変だったのではないですか?

そうですね。フルタイムで仕事をしながら、子ども3人の子育てもしていたので、正直忙し過ぎてその頃のことを思い出せません(笑)。でも、周りの人にたくさん支えてもらいながらなんとかやってこれました。私も子育て経験があるからこそ、今、小児科の医師として、地域のかかりつけ医として、お母さん方の気持ちに寄り添うことができるんだと思います。

小児科が専門でありながら、幅広く地域のかかりつけ医として尽力されているのですね。

2

大人であれば、内科、外科、呼吸器科、消化器科というふうに細かく分かれていますが、子どもの場合は小児科の医師が一人で診ますよね。そういう意味で全身管理する感覚や技能はすごく身についたと思います。その中でも私がモットーとしていることは、枠を決めないで診療するということです。年齢の枠、男女の枠、病気の枠などを決めずにいると、自分の中の知識もどんどん広がっていきます。亡くなった父の専門は内科でしたが、内科の医師でありながらかかりつけ医として小児科も診ていました。今度は私が、小児科医師でありながら町のかかりつけ医として、地域の皆さんとともに歩んでいきたいという思いで診療しています。

支援が必要な特性を理解し、早期の療育開始が大切

子どもから成人までの発達障害の診療に力を入れていると伺いました。

3

今私は、守口市の乳幼児健診のいわゆる発達領域の健診で市にも出向しています。集団での健診は、3ヵ月、1歳半とありますが、1歳半の健診で保健師さんが発達障害の傾向を見つけるケースが多いんですね。でも、すでにお母さんは、育てにくさやほかの子との違いに悩んでいて、とても不安を抱えていらっしゃいますから、保健士さんや理学療法士さんなど専門のスタッフがお母さんに寄り添って相談に乗り、その後、紹介などで当院を受診される場合が多いです。働くお母さんも多く、忙しいとは思いますが、1歳半健診で傾向が見つかることで早期に療育を始めることができるので、なるべく1歳半健診まではぜひ市の集団健診を受けてほしいですね。

子どもの発達で悩んでいるお母さんは、まずはどこに相談すれば良いのでしょう?

もちろん、当院に来て相談していただければ良いのですが、やはりお母さんがいきなり診療所の扉をたたくことはとても勇気のいることだと思います。まずは市役所の子育て支援課に相談してくだされば、そこから私たちのところへバトンがつながります。私自身、もう25年以上就学前の子どもたちで、発達障害や重症心身障害のお子さんが通う施設での診療も行っていますので、その子その子に合わせた療育プランを積極的にコーディネートさせていただきます。できるだけ早期に療育を始めることが非常に重要なので、1歳半健診を目安に考えていただければと思います。

発達障害の診療で、保護者の方とのコミュニケーションで心がけていることはありますか?

4

まず、育て方の問題ではないので、この子を治さなければならないとは思わないで。とお話ししています。生まれながらに脳に微細な障害があるかもしれないことで、それが考え方の偏りになります。お母さん方が心配して来られるのは、周りに溶け込めないような問題行動があるからだと思います。良くない行動については叱ってもいいけれど、本人の人格は怒らないで、と常に言いますね。また、同時に学校や園との連携をものすごく大事にしています。学校での理解はものすごく本人を変えます。環境設定はとても大事。どのように学校側に話せばよいかもこちらでアドバイスしますので、一緒に子どもさんをサポートできる環境づくりをしていきましょう。

情報社会だからこそ、より関わり合いを持っていきたい

子どもの頃から診はじめ、大人になってもずっと診続けている患者さんも多いそうですね。

5

その子の生涯をずっと診続けていくというのが当初からの私のスタンスです。健常の子だけでなく、障害のあるお子さんもたくさんいらっしゃるので、3歳くらいから診ている子が特別支援学校の高校生になって、卒業して、就労支援施設などで頑張っている姿を見ることがありますが、成長していく姿を間近で見ることができるのはうれしいですね。子どもの成長とともに、親御さんは高齢になっていきます。お子さんの将来を心配される方もいるでしょう。そんな時に「ここに連れて来ていたら、誰かが絶対になんとかしてくれるから大丈夫」。そうお話しして、患者さんだけでなく、ご家族への安心を少しでも与えていける存在でいられればうれしいです。

先生が医師をめざされたきっかけをお聞かせください。

父が産婦人科の医師だったのですが、私たちが生まれ育った時期は戦後のベビーブームが過ぎて少したった頃でした。まだまだ子どもがたくさん生まれている時代で、とにかく産婦人科は忙しかったんです。結婚するまで家族旅行に行ったことがなかったんですよ。朝も夜も休日も関係なく子どもを産むお手伝いをしている父の姿、赤ちゃんを抱えて幸せそうに帰られるお母さんの姿を見ていたので、産婦人科の医師への憧れもあったんです。でも、女性として父と同じように働ける自信もなかったので、小学生の頃には「小児科の医師になる!」と決めていました。当時の作文にも書いてあるんですよ。まだ自分も子どもなのに小児科の医師になると書いてあるのが面白いですよね(笑)。

地域の患者さんへのメッセージをお願いします。

6

枠を決めない診療を続けながら、医療であっても医療でなくても、「こういうものがある」と適切にアドバイスして誘導するコーディネート役としての役割も担っていきたいです。今はインターネットやSNSなどで情報があふれ過ぎていて、戸惑って来られる方もとても増えました。だから、患者さんと私たち医師との関わりがより重要になってきているのかもしれません。もちろん、皆さんお忙しいため毎回顔と顔を合わせないといけないということではなく、メディアも上手に利用しつつ、困った時に気軽に相談できる環境を今後より一層大切にしていこうと思います。ずっとこの地で父の代から半世紀以上診療を続けてきて、「ひとまず困ったら森口先生に相談してみよう」、地域の患者さんにそう思っていただける診療所であり続けたいです。

Access