頭痛や関節痛など、多様な痛みにアプローチ
神経ブロック療法
芥川きどクリニック
(高槻市/高槻駅)
最終更新日:2024/10/30


- 保険診療
頭痛や肩凝り、腰痛など、体の痛みは、大なり小なり誰にもあること。中には、夜も眠れないほどの痛みを経験した人もいるだろう。そういった「体のあらゆる場所の痛み」にアプローチするのが、ペインクリニックだ。「神経ブロック」という言葉のイメージで恐怖心を抱く人もいるかもしれないが、神経ブロック療法以外にも薬物療法やリハビリテーションなどさまざまな治療法がある。大事なのは痛みのプロに相談し、痛みの原因を診断してもらい、早急に治療を行うこと。「痛みが続くと、痛みが記憶されて血流が悪くなり、悪循環になります」と話すのは、「芥川きどクリニック」の城戸晴規先生。自身の片頭痛から麻酔科をめざし、大阪医科大学附属病院で経験を積んだという城戸先生に、ペインクリニックについて話を聞いた。
(取材日2022年6月15日)
目次
注射による疼痛治療「神経ブロック療法」で、痛みを引き起こしている神経を休ませる
- Qペインクリニックではさまざまな痛みに対応しているそうですね。
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A
▲数多くの症例に携わった経験を生かして治療法を提案
体の筋肉や骨格系の痛みに対して治療を行います。夜も眠れないような痛みはもちろんですが、ペインクリニックでの治療というのは痛みを取る一つの手段ですから、たとえ小さな痛みでも患者さんご自身が「楽になりたい」と思うのであれば、治療をします。主な病名でいうと、頸椎椎間板ヘルニア、頸椎症性神経根症ヘルニア、五十肩などの肩関節周炎、坐骨神経痛、腰椎椎間板ヘルニア、変形性膝関節症などですね。頭から足の先までいろいろな場所に痛みが出る帯状疱疹関連痛は、帯状疱疹後神経痛という合併症もあるので、早期に痛みを取ることが大事です。
- Q神経ブロック療法というのはどのような治療なのですか?
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A
▲安全性にもこだわり施術を行う
痛みの原因となる神経の近くに、神経の興奮や炎症を抑えるのに役立つ薬液を注射する治療です。神経ブロック療法という言葉から恐怖心を持つ方も多いと思いますが、神経の興奮や炎症を休ませる目的の治療ですから、安心してください。神経ブロック注射は、何度か繰り返し行います。1度の注射でどれくらい痛みが治まることが期待でき、それがどのくらい持続するかは、症状によって違います。急性の痛みに関しては週に2回でも打ちますし、慢性痛なら1ヵ月に1度の場合もあり、生活が従来に戻れるよう回数も調整しながら治療を続けます。
- Q神経ブロック療法以外にどんな治療を行っていますか?
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A
▲患者の悩みに応じて幅広い治療法を用意
骨格系の痛みには、神経に注射をするのではなく、関節や筋肉などに注射をする関節内注射やトリガーポイント注射などがあります。関節内注射は、炎症を起こしている関節の中にステロイドやヒアルロン酸などを入れて炎症を抑えることをめざす治療法です。トリガーポイント注射は、超音波画像診断装置で痛みを引き起こしているトリガーポイントを探り、ピンポイントで麻酔の注射をします。注射が苦手な方には、薬物療法や漢方処方、リハビリテーションなどの方法もあります。
- Q受診のタイミングと、注意事項を教えてください。
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A
▲単発的ではなく継続的な治療で、痛みや症状の再発を防ぐ
痛みを放置すると、その痛みを頭で記憶してしまうので、慢性痛に発展してしまいます。痛みがあれば我慢しないで早めに対処することが良いでしょう。注意事項は、普通の注射の場合と同じで飲酒を控えること。心臓病で抗血栓薬を服用している人や重度の糖尿病患者さんは、深い部位への神経ブロック注射は控えていますが、痛みの対処法はいろいろありますから、持病を考慮した方法で痛みにアプローチしていきます。注射自体は、短時間で終わりますがしばらく院内で安静にして帰宅していただきます。
- Qクリニックならではの特徴を教えてください。
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A
▲患者自身の治療に対しての向き合う姿勢も重要だという理事長
開院前は、大学病院の麻酔科・ペインクリニックで10年間経験を積んできましたので、大学病院で培ったペインクリニック診療を提供したいと思っています。神経ブロック療法は、有効性が期待できる反面、技術的に難しい面もあります。当院では、負担の少ない極細の針で神経を刺激しないよう短時間で手技を完結させるよう心がけています。また、内科も診療していますから、痛みを取るだけではなく、かかりつけ医として痛みの原因も考えながら診断、治療をしています。麻酔科というのは全身管理をする診療科でもありますから、全体を診ることは得意です。