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城戸 晴規 院長の独自取材記事

芥川きどクリニック

(高槻市/高槻駅)

最終更新日:2023/04/25

城戸晴規院長 芥川きどクリニック main

高槻駅から徒歩8分の「芥川きどクリニック」は、駅前商業地から住宅地にさしかかったエリアにある。真上町で30年以上開業し、地域に親しまれてきた「芥川診療所」が、2021年6月に院長交代となり、ペインクリニックの診療内容も引き継いだ。「芥川診療所に通い慣れた患者さんは、安心して治療を継続いただけていると思います」と院長の城戸晴規先生は話す。自身の痛みの経験からペインクリニックの医師をめざし、痛みや病気でつらい思いをしている患者に寄り添った治療がしたいと開業した。開業して1年となる城戸院長に、開業までの経緯や診療内容についてじっくり話を聞いた。

(取材日2022年6月15日)

つらい痛みを経験し、ペインクリニックの医師の道へ

開業して1年ですね。開業までの経緯を教えてください。

城戸晴規院長 芥川きどクリニック1

当院の前身は、30年にわたって地域医療を続けてきた芥川診療所です。私が勤務医だった頃、その診療所が閉院するかもしれないという話を聞いて、継承したいと申し出ました。芥川診療所の院長は、同じ大阪医科大学麻酔科のOBであり、ペインクリニックをはじめとした内科的、外科的疾患の診療もしていたので、私もそのまま既存の患者さんの診療を引き継ぐことができたのも良かったと思います。患者さんも「続けて通うことができる」と喜んでくださっています。大学時代から慣れ親しんでいる高槻市で、開業を望んでいました。この地に開業し、私の専門のペインクリニックで地域の方々の健康のお手伝いができるのは、うれしいですね。

ペインクリニックの医師をめざしたのはどうしてですか?

20歳少し前から頭痛で悩まされており、ひどい時には寝込んだりとかなり重症でした。医学部に進学したことで自分の症状をいろいろ調べ、片頭痛かもしれないと思い、大学病院の脳神経外科を受診しました。診察結果はやはり片頭痛で、それから薬はずっと服用しています。臨床研修で専門を決める際は外科系を志望していましたが、片頭痛のために断念しました。外科手術の時に、片頭痛の症状が出たからといって執刀医が休むわけにはいきませんからね。そんな痛みの経験から、ペインクリニックに興味を持ちました。麻酔科、ペインクリニックで経験を積み、日本麻酔科学会の麻酔科専門医と日本ペインクリニック学会のペインクリニック専門医にもなりました。

ご自身の痛みの経験からこちらのクリニックを開業されたのですね。

城戸晴規院長 芥川きどクリニック2

長年の不安要素だった頭痛に悩むことが少なくなってから、いろんなことに自信がつきました。もっと早くに片頭痛の薬が出ていたら、人生違っていたのかなと思うこともありますが、片頭痛に悩んでいたからこそ、痛みを抱える人の気持ちに寄り添えることができ、こうしてペインクリニックの医師として働けていると思っています。片頭痛に悩んでいた頃は、「頭痛が出たらどうしよう」という不安のために、できなかったこともいろいろありました。痛みは人生にも影響することなので、痛みを早く解消できるよう、患者さんの気持ちに寄り添った診療をしていきたいですね。

全身のさまざまな痛みに対処するペインクリニック

ペインクリニックではどんな病気に対応しているのですか?

城戸晴規院長 芥川きどクリニック3

体の筋肉や骨格系の痛みにアプローチするのが、ペインクリニックです。患者さんの痛みの原因を適切に判断し、神経ブロック療法や薬物療法などで痛みの緩和をめざします。神経ブロック注射は、痛みの原因となる神経の近くに、神経の興奮や炎症を抑える作用が期待できる薬液を注射することで鎮痛を図ります。 夜も眠れないような痛みはもちろんですが、たとえ小さな痛みでも日常生活に支障が出たり、積み重なって精神的に苦痛となるようであれば、治療をしたほうが良いでしょう。頸椎椎間板ヘルニア、頸椎神経根症、五十肩などの肩関節周囲炎、坐骨神経痛、腰椎椎間板ヘルニア、変形性膝関節症、帯状疱疹などの病気に適用されます。頭の先から足の先までさまざまな場所に痛みが出る帯状疱疹は、帯状疱疹後神経痛という合併症もあるので、早期に痛みを取ることがお勧めです。

神経ブロック注射と聞くと怖いイメージがありますが。

注射が苦手な人は尻込みされる方もいらっしゃいます。神経ブロック注射は、炎症を起こしている神経をブロックすることで、痛みの緩和だけでなく血流の改善にも期待ができ、悪循環を断ち切るようなイメージで徐々に痛みの原因にアプローチしていきます。「興奮した神経を休ませてあげる治療」と考えれば、怖いイメージがなくなるかもしれませんね。一方でこの注射は、技術的に難しいという難点もあります。なので、患者さんの負担が少なくなるよう極めて細い針を使用し、神経を刺激しないよう短時間で手技を完結させるよう心がけています。まったく痛くないというわけではありませんが、数分で終わりますので、安心して気軽に受けてほしいですね。注射以外にも、薬物療法や漢方処方をはじめ、低周波機器やけん引などの機器を使ったリハビリテーションも行っており、患者さんの希望もしっかりと確認し、適切な治療法で痛みの軽減をめざします。

神経ブロック療法以外の治療法もあるのですね。

城戸晴規院長 芥川きどクリニック4

肩凝りなど筋肉や筋膜の痛みにアプローチする方法として、トリガーポイント注射もあります。超音波装置を使って、痛みのある原因部位を確認しながら行いますから、適切な場所に注射ができます。ただし、必ずしも1度の注射で改善が見込めるわけではないので、状態によっては回数が必要な場合もあります。

今後はペインクリニックの訪問診療も行っていきたい

痛みの他には、どんな疾患の患者さんがいらっしゃいますか?

城戸晴規院長 芥川きどクリニック5

地域のかかりつけ医として、先代院長もペインクリニックにとどまらず、一般的な内科疾患やけがなどの治療もされていました。私もその地域医療を継承し、かかりつけ医として何でも診られるようにしていきたいと思っています。風邪やインフルエンザ、骨粗しょう症、高血圧、高脂血症、糖尿病など、さまざまな患者さんが来院されています。大学病院の麻酔科、ペインクリニックでは、内科的、外科的処置の経験もしました。麻酔科というのは全身管理をするので内科的な要素も多いですし、ペインクリニックでは外科的な処置もあり、外傷の縫合などもしています。点滴の設備のほか、心電図、腹部エコー、心エコー、エックス線、骨密度測定器など、かかりつけ医として必要な検査機器もそろっていますので、一通りの診療が可能です。

今後の展望をお聞かせください。

患者さんは高齢の方が多く、足腰が弱って通院するのが大変な方もいらっしゃいます。90代の患者さんの中には、痛い足を引きずりながら通ってくださる方もいるので、そういった方のために訪問診療を考えています。まずは痛みにアプローチする注射から始めて、いずれは生活習慣病などの内科的な訪問診療も行っていきたいですね。超高齢社会で在宅医療のニーズが高まる一方ですから、高齢者に多い病気についてもっと勉強していきたいと思っています。

患者さんや地域の方々へのメッセージをお願いします。

城戸晴規院長 芥川きどクリニック6

当院には非常勤含め13人のスタッフがいます。スタッフ全員が、患者さんに寄り添い、患者さんの立場になって考えることを意識しながら接していますので、わからないことなども気軽にスタッフに話していただければと思います。そして、痛みがあれば、我慢せずになるべく早めに受診してほしいですね。神経ブロック注射だけでなく患者さんに合わせていろいろな治療法を考え、きちんと話をしながら診療を進めています。鎮痛薬の処方にも経験値がありますから、お薬のことも相談してください。たとえ小さな痛みでも、ご本人とっては気がかりなこと。症状に合った処置を提案しますので、遠慮なく受診していただければと思います。

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