全国のドクター9,265人の想いを取材
クリニック・病院 161,206件の情報を掲載(2020年9月21日現在)

  1. TOP
  2. 大阪府
  3. 吹田市
  4. 吹田駅
  5. 山本医院
  6. 山本 透 院長

山本 透 院長の独自取材記事

山本医院

(吹田市/吹田駅)

最終更新日:2020/04/01

74095

相川駅から徒歩約15分、大阪府道14号線沿いにある「山本医院」。外科・肛門外科・内科・皮膚科を標榜する医院だ。60余年の歴史ある同院の診察室の片隅には、年季の入った黒の往診かばんが置かれている。先代から譲り受けたこのかばんは、今も往診の際に使用しているという。3代目院長の山本透先生は、25年にわたり救急医師として活躍。その経験で培った広範な知識と洞察力を生かし、日々の診療を行っている。健康に関する困りごと全般を相談できる頼れる地域のホームドクターに、医師を志したきっかけから、診療にかける思いなどをたっぷりと語ってもらった。
(取材日2017年9月7日)

3代にわたり、地域の健康を見守る

医院について、お聞かせください。

1

軍医として各地を転々としていた祖父が、この土地にやって来たのが1953~54年頃。山本医院を開院したと聞いています。祖父の代は休診が多くて、外来や往診を定期的に行うようになったのは、1959年、父の代になってからだそうです。私が医師となり勤務をはじめても、後継ぎの打診はなかったですね。ですから、勤務医として責務を果たそうと考えていました。急展開があったのは、約8年前です。母が病気を患ったことをきっかけに、父とじっくり話しました。そうしたら「医院を継いでほしい」と。しかも、2ヵ月後には戻ってほしいということでした。勤務先にお詫びを尽くして戻った後、2年目から院長を務めています。

どのような患者が多いですか?

この周辺も、お年を召した方が多くなってきました。もちろん、お若い方もいますが、たくさんというわけではありません。来院患者の3割は、60歳以上のいわゆる後期高齢者の方々です。あとは40歳~60歳の患者さんが3割、そしてお子さんを含む、40歳以下の患者さんも3割程度。当院では、外科・肛門外科・内科・皮膚科を標榜しています。これらの診療科を見て、「やけどをしてしまったから、皮膚科を受診しよう」と来院してくださいます。しかし、矛盾するようですが、私自身は掲げている診療科にこだわっていないのです。それは、医師になってから25年もの長きにわたって、診療科の垣根がない救命救急センターで働いていたことが影響していると思います。

診療科にこだわらず、ということについて教えてください。

2

救急科を専門に学んでいました。その他、腹部外科も専門にしています。ただ、地域に根差した町の開業医の場合、専門性も確かに必要ですが、広い範囲の知識と、それを生かした判断ができるゼネラリストであることが重要だと考えています。当院で完結できる症状の場合は、もちろん私が治療にあたります。設備の点や、当院では行っていない専門領域の加療が必要な場合は、他の医療機関を紹介しています。「診療科にこだわらない」というのは、すべてを私が診るという意味ではなく、患者さんの症状を見極め、転院を含めて適切な治療を提案できますよ、ということですね。

診療スタイルの随所に光る、救急医師の見識

救急医師の仕事について、教えてください。

3

私が入局した頃は、現在ほど救急医師の仕事は認知されていませんでした。言葉は悪いですが、心臓マッサージしかしない医師だと思われていた部分もあったようです。今では、ドクターカーやヘリの整備で、そのイメージは払拭されていますね。緊急度の高い患者さんの初期診療を行い、どのタイミングで、どこで、どのような治療を施すか。それを考えるのが救急医師の役目です。具体的には、問診や検査を行い、状況に応じて各専門領域の医師に診療を依頼し、治療経過を見ていくことです。患者さんの命を救うために、さまざまな調整を行う仕事だといえるでしょう。

救急医師の見識が生きたエピソードについてお聞かせください。

自転車で転倒して、ハンドルで胸を打った、と来院された患者さんがいました。超音波を当てるなどの処置をしてから、しばらく安静にしてもらいました。症状が落ち着いて、患者さんが体を起こしたのですが、その動作の間で一瞬ですが、顔をしかめたんです。その表情を見て、これは打撲ではないと直感しました。腸間膜あるいは小腸の損傷の可能性が浮かんだのです。設備の関係もあって、他の医療機関を受診してもらったところ、損傷が発見されました。肩の痛みを訴える患者さんで、実は心筋梗塞の初期症状だったということもありましたね。どちらも当院では5年に一度あるかどうかという症例ですが、患者さんの一瞬の変化に目を止めて、必要な治療を判断する点で、特に救急医師の経験は役立っているなと考えています。

院内処方や訪問診療も行っているそうですね。

4

当院の患者さんは、3割が60歳以上の方です。お年を召した方にとっては、道路一本渡ることもひと苦労。ですから、一つの施設の中で診療を受けて薬をもらえれば、負担も減ってうれしいことではないでしょうか。訪問診療については、10件くらいのお宅へ定期的に伺っています。中には私の顔を見るだけで安心すると言ってくれる方もいます。医師の仕事は、体がバランスを崩している部分を整えるお手伝いではないかと、勤務医時代に考えるようになりました。その思いから、体の健康はもちろん、心の部分でも寄り添えたらと思っています。

健康に関するあらゆる悩みを引き受ける「よろず医者」

医師をめざしたきっかけを教えてください。

5

私の代になって、当院は改装を行いました。父の時代、待合は畳敷きだったのです。冬はそこに火鉢を置いて、その周りで患者さんが座っている。その中で、両親は立ち動いているわけです。物心ついて以来、そんな光景を当たり前のように見ていましたから、医師になって父の後を継ぎたいと自発的に考えるようになりました。深夜に急病の電話が鳴り、それを受けて診察室に明かりを付ける父の姿に、この土地にどっしり腰を据えた「町医者」の自負を見たように思います。夜中でも連絡がつく医師が身近にいる、というだけでも患者さんは安心するので、私も可能な限り対応しています。

山本院長が思う、地域の開業医の役割とは?

私の中にある、「町医者」としてのあるべき姿は、どんな悩みや症状にも対応する「よろず医者」です。これには、父の影響も少しありますね。患者さんはいろいろな症状を訴えて足を運びます。それに対して、たとえ最終的には他の医療機関を紹介することになっても、受け入れて、症状に応じて適切な治療や提案を行う医師が身近に存在しているだけで、安心につながるのではと思います。高血圧で内科を受診している患者さんが、やけどをしてしまったとします。普段通っている医院の、よく見知った医師にやけども診てもらえたら安心ですし、遠方に出向かずに済ませられるなら便利ですよね。

今後の展望や、読者へのメッセージをお願いします。

6

父は、亡くなる半年前まで、この診察室で患者さんと向き合っていました。私も、体が続くかぎり、この地域のかかりつけ医、よろず医者として、現役で健康のお悩みを解決していきたいと考えています。そのためには、自分が健康であることも大切ですから、1週間に2回はジムでトレーニングをしています。ベンチプレスやスクワットなどをセットで。あとはおいしい食事と、適量のお酒で気分転換をしています。繰り返しになりますが、痛みや不調を感じたら、医院の標榜科はこうなっているから、自分の症状は当てはまらないのでは、などと考えず、相談に来てほしいです。必要な治療を判断し、回復へ向けてのサポートをしていきますので。

Access