全国のドクター9,304人の想いを取材
クリニック・病院 161,131件の情報を掲載(2020年10月27日現在)

  1. TOP
  2. 大阪府
  3. 豊中市
  4. 庄内駅
  5. 城医院
  6. 城 雄幸 院長、城 聡一 副院長

城 雄幸 院長、城 聡一 副院長の独自取材記事

城医院

(豊中市/庄内駅)

最終更新日:2020/04/01

73780

庄内の地で60年以上続く「城医院」は、城雄幸院長が30年前に先代から受け継いだクリニックだ。埋め立て地だった新しい町に、人や店が増え、同院の役割は増した。そのニーズに応え続けてきた城院長は、幅広い年代の患者を診察する。何よりも患者が話しやすい環境を大切にする姿勢は、町の人からも愛されてきた。この診療所を、2019年に息子の城聡一副院長が継ぐ。大学病院で多くの糖尿病患者を診察し、若い医師たちを指導してきた聡一副院長は、日本糖尿病学会糖尿病専門医の資格を持つエキスパートだ。増え続ける糖尿病患者を、地域で支える仕組みづくりに貢献したいと言う。さらに多くのニーズに対応できる、かかりつけ医の誕生だ。親から子へ、互いをリスペクトしながら受け継がれるクリニックを取材した。
(取材日2018年4月10日)

3代続く町の診療所を守っていく

医院の歴史を教えてください。

1

【城院長】この医院は1955年に父一雄が開業しました。当時は、診療所から庄内の駅も神戸線も見えるほど何もない場所でした。母と父が歩き回って探した場所ですから、思い入れもあります。父は皮膚科を診療していたので、私も診るようになりました。当時から院内処方を行い、今も患者さんの負担減のためにその方針を守っています。患者さんとのお付き合いも長く、0歳から90歳代の人までが来てくださっています。地域のかかりつけ医として、守備範囲を広く診察を行ってきました。

院長は先代から継ぐ時に、どのような医院にしようと思いましたか?

【城院長】引き継いで建て替えた時、大きな医療器具を置いて患者さんを怖がらせないようにしようと考えました。それで、診察室も明るく広めにとって、来院しやすい雰囲気をつくったのです。診察室は大規模病院の倍くらいの面積があるのではないでしょうか。医師に質問できる環境を大切にしたいと思いました。大きな病院では、医師と話す時間も雰囲気もないと訴える患者さんは多いです。相談業務をきちんとできる医師をめざして、診察を続けてきました。

子どもからお年寄りまで、守備範囲を広くというのは大変ではないですか?

【城院長】私は循環器科が専門ですが、患者さんは小児科の医師だと思っているのではないかと思います。怖がらせないように診察するという姿勢ですから、子どもさんも泣かせません。泣くと顔色も熱も変わってしまい見極めができないのです。怖くないので、子どもも来ることを拒まないのではないでしょうか。大人の患者さんも、まずは僕のところに来て、話をしようとしてくださいます。結果として守備範囲が広くなりました。診療所の医師は、話しやすいのが一番だと思うのです。手に負えるかどうかという判断はいつもして、必要があれば紹介するというシステムが大切です。医師を怖がらないで、とにかく来てもらうということが必要だと思います。

お二人とも、後を継ぐことに迷いはなかったのですか?

20190110 2

【城院長】私の時代は、父が医者だったら継ぐのは当たり前で、他の選択肢はなかったですね。子どもの頃から言われていましたから自然と継ぎました。むしろ息子は、大学病院で医師を指導する立場にまでなっているのに、ここを継いでも良いのかと最初は思いました。
【聡一副院長】1年前に、院長が腰の手術をして、それで継ごうと思いました。大学病院で18年間医師として務め、その中で糖尿病専門医の資格を取りましたし、学位を取得して博士研究員としてアメリカに4年間の留学もしました。さらに糖尿病専門医をめざす後輩を指導する立場にもなって、教員の仕事もさせていただきました。大学病院の医師としての仕事に一定の満足を得たことが、決断の背景にあると思います。クリニックのほうが小回りが利いて、多くの人の治療に貢献できると思ったのです。

互いにリスペクトすることで治療の幅が広がる

2019年から医院の診療体制はどうなりますか?

3

【聡一副院長】現在も、朝は月・木・金・土曜、夜は月・火・水・木曜を私が担当していて、それ以外は院長が診ています。2019年からも今と変わりません。基本的に父の方針を踏襲します。標榜科に「糖尿病内科」を加えるのと、英語での診察が可能になることが変更点です。糖尿病専門医は日本に約4600人、患者数は1000万人を突破しています。糖尿病専門医に診てもらえる患者さんは、まだまだ少ないと思いますので、一人でも多くの患者さんのお役に立てるように頑張ります。
【城院長】まだ引退しないですよ。リリーフで控えておきます。患者さんが彼に求めるものがわかってくると、このクリニックの色も自然と変わるでしょう。

副院長は、どうして糖尿病を専門的に扱う科を選んだのですか?

【聡一副院長】研修医を終えて初期出向をしていた時のことです。救急に40代の男性が意識障害で運び込まれてきました。検査をしてみると、血糖値が正常値の20倍にもなっていたのです。劇症1型糖尿病だったのですが、こんなことになるのかと驚きました。糖尿病というのは、血管の病気です。放置すれば腎不全や心筋梗塞など重篤な合併症を引き起こします。早いうちから診ることができたら、重症にならなくて済む患者さんがいっぱいいるのではないかと思い決意しました。

院長は、副院長が糖尿病専門医になったことをどう思いますか?

4

【城院長】私の時代は高血圧症の患者が多く、その対策をどうするかが急務でした。こちらは一定のマニュアルができてきたように思います。しかし今は、糖尿病の患者さんが増えて、時代は糖尿病の専門家を要求しているのです。治療方法も、われわれが学んだ時とはまったく違います。食事指導にしても、私たちの時代はどう空腹と向かい合うかという説明でしたが、副院長のやっていることを見ていると、空腹は対象にしていません。糖尿病に関しては、この10年で目覚ましい進歩があり、頼もしいと思います。違う分野で診療してくれるのは、ここでの治療の幅が広がりますのでうれしいです。

我慢しない糖尿病治療をめざして

糖尿病治療におけるポリシーを教えてください。

20190110 5

【聡一副院長】糖尿病のスタンダードの治療は、食事療法と運動療法を行うことです。食事は三大栄養素のバランスを整えることから始めます。炭水化物・タンパク質・脂質の割合を、5:2:2にします。食後の血糖値の上昇という面では、炭水化物を減らすという考え方もありますが、良い面も悪い面もあって、知識もなく行うと危険な部分があります。糖尿病の患者さんに、世間で行われている糖質制限をしなさいというのは、考えものです。糖質制限を一生できるのかというのが何よりも問題で、私は我慢をさせません。長続きしないからです。それよりも何をどう食べたら良いのか、理解することが必要だと思います。

糖尿病治療はどのように行われますか?

【聡一副院長】今は、血糖値を簡単に連続的に測れる器械があります。2週間装着し続けられる小さな器械で、いちいち針で刺して確認する必要がありません。リアルタイムに血糖を知ることができるので、それと併用して、食事の記録をつけてもらい、これを食べたらものすごく血糖値が上がるとか、食後の運動で血糖値が下がるなどと気づいてもらえるようにします。血糖値の変化を可視化して、行動の変化を促すのです。また、最近は1週間に1度注射をするだけの薬もあります。新しい薬や先進の技術を用いて、我慢しない糖尿病治療を一人でも多くの人に早期に受けていただきたいと思っています。糖尿病は30~40年付き合う病気です。自己管理できるように、患者さんのライフスタイルを把握し、個別に継続可能なことを探ります。

後を継ぐ副院長に何かメッセージはありますか?

【城院長】開業医と病院の医師との違いは、病院では医師が話すけれども、診療所で医師は聞き役になるということです。どれだけ患者さんが話してくれるかが何より大切。患者さんが話しやすく、説明のきちんとできる医師になってほしいですね。

最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

6

【聡一副院長】何かを変えるつもりはありません。祖父や父が行ってきたことは残し、新しい知識は盛り込んで治療しようと思っています。これからも患者さんが来院しやすい雰囲気を大切に守ります。糖尿病治療以外にも多くの経験を積んできましたので、どうぞ気軽になんでも相談してください。大きな病院では、何回も来ていただくことはできませんが、このクリニックには毎週通えるという利点があります。お一人お一人に合わせた、最適な治療を行えるように努力します。

Access