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城 聡一 院長、城 雄幸 先生の独自取材記事

城医院

(豊中市/庄内駅)

最終更新日:2021/10/12

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庄内の地で65年以上の長きにわたって地域に根差した診療を続ける「城医院」。城雄幸先生が1989年に先代から受け継いだクリニックで、何よりも患者が話しやすい環境を大切にするその姿勢が、町の人からも愛されてきた。2021年5月には、雄幸先生の息子である城聡一先生が3代目院長に就任。クリニックも移転新築し、新体制での診療がスタートした。親から子へ、互いをリスペクトしながら受け継がれるクリニックを取材した。

(取材日2021年4月1日)

3代にわたって幅広い世代に愛される町の診療所

5月に新築移転したばかりだそうですね。リニューアルするにあたって何かこだわったところはありますか?

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【聡一院長】クリニックらしくない建物にしたほうが目立って認知してもらいやすいかなと思い、アメリカ留学時代に住んでいたアパートをイメージした外観と内装にしました。院内はすべてバリアフリー対応になっています。トイレは人工肛門などを保有している方も利用しやすいように、オストメイト対応となっていて、スイッチや水栓など可能な所はすべて非接触式にしました。移転新築を計画していた時期と新型コロナウイルスの流行が重なったことで、院内の感染対策を工夫することができたのは良かったですね。また、移転開業するにあたって、夜の診察時間を短くして木曜は休診にしました。これは、診察後の消毒作業に時間を要するようになったことと、症状のある患者さんの診察や新型コロナウイルスのワクチン接種を診察時間後に行うのを想定してのことです。特に木曜日の夕方は、当面新型コロナウイルスワクチンの専用日にすることを検討しています。

これまでの医院の歴史についても教えていただけますか?

【雄幸先生】この医院は1955年に私の父・城一雄が開業しました。当時は、診療所から庄内の駅も神戸線も見えるほど何もない場所でした。母と父が歩き回って探した場所ですから、思い入れもあります。父は皮膚科を診療していたので、私も診るようになりました。患者さんとのお付き合いも長く、0歳から90歳代の人までが来てくださっています。地域のかかりつけ医として、守備範囲を広く診察を行ってきました。

医院の診療体制はどのように変わりましたか?

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【聡一院長】基本的にはこれまでの父の方針を踏襲していますが、継承するにあたって診療科の整理は行いました。糖尿病内科、循環器内科、内科、小児科を標榜し、古くからの患者さんを引き続きフォローさせていただきながら、専門性を生かした適切な医療を提供できればと思っています。薬については今後、原則として院外処方となります。これは、感染症対策として院内に滞在する時間を短くすることを目的としています。また、院外処方であれば、患者さんに適した薬を新薬を含めてすぐに提供したり、他院から紹介された患者さんに以前と同じ薬を処方したりすることができるからです。

子どもからお年寄りまで、守備範囲を広く対応されていますね。

【雄幸先生】私は循環器科が専門ですが、患者さんは小児科の医師だと思っているのではないかと思います。怖がらせないように診察するという姿勢ですから、子どもさんも泣かせません。泣くと顔色も熱も変わってしまい見極めができないのです。大人の患者さんも、まずは僕のところに来て、話をしようとしてくださいます。結果として守備範囲が広くなりました。診療所の医師は、話しやすいのが一番だと思うのです。手に負えるかどうかという判断はしっかりして、必要があれば紹介するというシステムが大切です。医師を怖がらないで、とにかく来てもらうということが必要だと思います。

心に刺さる言葉で、治療へのやる気を引き出していく

お二人とも、後を継ぐことに迷いはなかったのですか?

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【雄幸先生】私の時代は、父が医師だったら継ぐのは当たり前で、他の選択肢はなかったですね。子どもの頃から言われていましたから自然と継ぎました。むしろ息子は、大学病院で医師を指導する立場にまでなっているのに、ここを継いでも良いのかと最初は思いました。
【聡一院長】医師として大学病院に18年間勤め、その中で日本糖尿病学会糖尿病専門医の資格を取りましたし、学位を取得して博士研究員としてアメリカに4年間の留学もしました。さらに糖尿病専門医をめざす後輩を指導する立場にもなって、教員の仕事もさせていただきました。大学病院の医師としての仕事にある程度満足したことが、決断の背景にあると思います。それに、クリニックのほうが小回りが利いて、多くの人の治療に貢献できると思ったのです。

院長は、どうして糖尿病を専門的に扱う科を選んだのですか?

【聡一院長】研修医を終えて初期出向をしていた時のことです。救急に40代の男性が意識障害で運び込まれてきました。検査をしてみると、血糖値が正常値の20倍にもなっていたのです。劇症1型糖尿病だったのですが、こんなことになるのかと驚きました。糖尿病というのは、放置すると腎不全や心筋梗塞など重篤な合併症を引き起こします。早いうちから診ることができたら、重症にならなくて済む患者さんがいっぱいいるのではないかと思い決意しました。

糖尿治療におけるポリシーを教えてください。

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【聡一院長】患者さんがより良い方向に進んでいけるように、一人ひとりの患者さんに「刺さる言葉」を投げかけるように心がけています。糖尿病の治療というのは血糖値だけを見ていればいいというわけではなく、食事や運動といった生活習慣を改善することも重要です。言葉がけ一つで、患者さんの意識がガラリとかわることもあるので、行動変容を促すような関わりや言葉がけを意識することが大切だと思っています。目の前の血糖値だけを見て終わるということはしたくないんです。また、食事指導についても、私はできるだけ我慢をさせないようにしています。長続きしないからです。それよりも何をどう食べたら良いのか理解することが必要だと思います。

専門性の高い医療を、気軽に受けられる診療所をめざす

糖尿病治療はどのように行われますか?

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【聡一院長】これまで糖尿病専門医としてたいへん多くの症例を経験し、現在も常時多くの患者さんをフォローしています。糖尿病というのは、初期から末期まで長い時間のある慢性疾患で、合併症もさまざまな程度で存在します。患者さんがどのステージに位置するのかを正確に把握し、それ以上悪くならないようにする方法を一緒に考えていきたいです。近年では、血糖測定のデバイスや新薬の登場で、開業医でも大学病院に近いレベルの医療を提供できるようになってきています。特に新薬は、処方制限の関係で2週間ごとの通院が必要ですが、開業医であれば大学病院と比べて待ち時間も少ないため、患者さんの負担が少なく通院ができると思います。そうした開業医ならではのメリットを生かし、新しい薬や先進の技術を用いて、「我慢しなくていい糖尿病治療」を一人でも多くの方に早期に受けていただきたいと思っています。

新院長となられた聡一先生に何かメッセージはありますか?

【雄幸先生】開業医と病院の医師との違いは、病院では医師が話す側だけれども、医院では医師は聞き役になるということです。どれだけ患者さんが話をしてくれるかが何よりも大切なのです。患者さんが話しやすく、説明がきちんとできる医師になってほしいと思います。これからは患者さんが医師を選ぶ時代ですから、ちゃんと選んでもらえるような医師になることを期待します。

最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

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【聡一院長】今後も温故知新の心で、祖父や父が行ってきたことは残しつつ、新しい知識も盛り込んで診療をしていこうと思います。私自身、糖尿病治療以外にも多くの経験を積んできましたので、どうぞ気軽になんでもご相談ください。大きな病院では何回も通院することは大変ですが、地域のクリニックには毎週でも通うことができるというメリットがあります。これからも患者さんが来院しやすい雰囲気を大切に守りながら、お一人お一人に合わせた最適な治療を提供できるよう努力してまいります。
【雄幸先生】気軽におしゃべりに来てください。私が目標としているのは、診察だけをする病院ではなく「相談所」。難しい医学用語で説明をして、患者さんに「はい」と言わせるのではなく、患者さんが気軽にわからないことを相談できる場所でありたいですね。息子もその点は上手なので、それはクリニックが新しくなっても変わらない部分だと思います。

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