繰り返す消化器の症状は不調のサイン
内視鏡検査で病気を早期発見
浜中医院
(岸和田市/岸和田駅)
最終更新日:2024/10/11
- 保険診療
がんをはじめさまざまな病気を見つける機会となる内視鏡検査。鼻や口からカメラを入れて食道や胃をチェックする上部消化管内視鏡検査と、肛門からカメラを入れて大腸などを調べる大腸内視鏡検査があり、消化器の症状を訴えて検査を受けたことがあるという人もいるだろう。また40歳以降は胃がんや大腸がんのリスクが高まることから内視鏡検査の受診が推奨されているものの、検査自体に不安や恐怖を感じ、未経験という人も少なくない。そこで内視鏡検査に取り組む「浜中医院」では静脈内鎮静下での検査にも対応。「命に関わる病気の早期発見、早期治療のためにも、違和感を感じたら検査を受けましょう」と話す濱中雄幸院長に、内視鏡検査について詳しく話を聞いた。
(取材日2024年9月28日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q内視鏡検査はどのようなタイミングで受けるべきですか?
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A
症状で言えば、胃の痛みや胸焼け、不快感が続くケースが挙げられます。薬を服用しても治らない、症状を繰り返すという方は上部消化管内視鏡検査、いわゆる胃カメラを検討したほうが良いでしょう。大腸内視鏡検査は、健康診断で便潜血の判定を受けたり、血便を確認したりした際には受診したほうが良いと思います。がんの有無をチェックするだけではなく、ピロリ菌の除菌、大腸ポリープの早期切除など、がんリスクの低減につなげるためにも、症状があれば医療機関を受診すべきです。症状がないという方であっても、胃がんや大腸がんの好発年齢となる40歳以降は定期的に検査を受け、病気の早期発見、早期治療に取り組みましょう。
- Q内視鏡検査にはつらそうなイメージがあります。
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A
上部消化管内視鏡検査の場合は鼻から入れるカメラを使うことがほとんどなので、それほど検査がつらいということはないと思います。大腸内視鏡検査に関しても基本的に大きな苦痛を伴うことはありませんが、どちらも希望者に対しては静脈内鎮静法を実施することも可能です。一度検査を受けていただければ、多くの人は「こんなものか」と抵抗感がなくなるのではないかと思います。それでも不安で受けられないという際には、検査の流れを動画で見ていただくなどして、検査自体への理解を深めてもらうようにしています。やはり「知らない」「わからない」ことが不安や恐怖を煽りますから、まずは検査のことを正しく理解することが重要だと思います。
- Q内視鏡検査はどのような病気の発見に役立つのでしょうか?
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A
上部消化管内視鏡検査では食道、胃、十二指腸を検査するので、胃がんや食道がんがないかをチェックするほか、逆流性食道炎、萎縮性胃炎、急性胃炎といった胃炎や食道炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍などが見つかります。またピロリ菌の有無を調べることも重要です。ピロリ菌は胃がんのリスクになりますし、見つかった際には除菌治療にもつなげられます。大腸内視鏡検査で特に多く見つかるのが、便潜血の陽性源である大腸ポリープです。あとは大腸がんですね。また特殊な疾患では潰瘍性大腸炎やクローン病が挙げられますが、それほど罹患率の高い病気ではないものの一定数見つかることがあります。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1診察を受けて検査が必要かどうかを判断
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内視鏡検査を希望する場合はまず診察を受ける。症状や健康診断の結果のほか、胃がん・大腸がん検診などの目的を伝え、実際に検査が必要かどうかを判断してもらう。痔など明らかな病気がある場合は先に治療を進め、検査の予約を取る。
- 2検査前日は食事や薬の服用に注意
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大腸内視鏡検査の前日は繊維質の少ない食事を心がける。クリニックによっては検査用の食事が提供されるケースもあるが、同院での提供はないため注意事項をよく確認して翌日の検査に備えよう。就寝前には下剤を服用しておく。上部消化管内視鏡検査の場合は、前日の21時までに食事を終わらせる必要がある。両検査ともに前日はアルコールの接種を控える。
- 3前処置を受けて検査に備える
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当日はクリニックを受診し、健康状態に問題がないかをチェックしてもらい、検査着に着替える。上部消化管内視鏡検査の場合は、痛みや嘔吐反射を抑えるために鼻などに局所麻酔を施す。大腸内視鏡検査の場合は自宅で下剤を飲み、大腸をきれいにしてから受診。腸の動きを抑えるため点滴を打ち、肛門に痛み止めのゼリーを塗ってもらい準備する。不安が強い場合は点滴による静脈内鎮静をかけてもらう。
- 4内視鏡検査を受ける
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上部消化管内視鏡検査では基本的に鼻からカメラを入れ、10分程度で食道、胃、十二指腸をチェック。大腸内視鏡検査は20分程度で大腸、直腸、小腸の一部を観察し、大腸ポリープが見つかった場合は事前の承諾に応じて切除してもらう。
- 5少し休んで検査結果を確認する
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検査後は静脈内鎮静をかけていなければ20〜30分、かけていた場合は1時間ほど休み、検査結果を確認する。大腸ポリープを切除した場合は大腸がんの可能性がないかを調べるため、2〜3週間後に再度受診して検査結果を聞く。