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山口 大輔 副院長の独自取材記事

山口クリニック

(堺市南区/泉ヶ丘駅)

最終更新日:2023/08/03

山口大輔副院長 山口クリニック main

地域に密着した医療をめざし、1985年に開業した「医療法人山口クリニック」。現在は、山口勝治院長と息子の山口大輔副院長が診療にあたり、地域の患者の健康を温かくサポートしている。「早期発見が大切な病気は、検査で見つけていきたい」という想いから、同院では胃と大腸の内視鏡検査に力を入れているほか、内科の治療以外にリハビリテーションが受けられるなど、患者の利便性を考えた診療を実践。今回、大輔副院長に話を聞き、地域の患者に対する想いや診療スタンスについて語ってもらった。

(取材日2019年5月16日)

医師2人体制で地域に密着した手厚い医療をめざす

現在どのようなスタイルで診療を行っていますか?

山口大輔副院長 山口クリニック1

1985年に院長である父が開業し、診療してきたクリニックですが、父の年齢を考え5年前から僕も少しずつ診療に加わるようになりました。現在は、毎週月曜日は済生会千里病院で研修医の指導にあたっていますが、それ以外は内科の医師2人体制で、主に父は外来診療、僕は検査を中心に診療を行っています。担当医制にしないことで、長くかかりつけにされている患者さんのことや父がどんな診療を続けてきたかが僕もわかりますし、患者さんにとっても主治医が2人いることは安心につながっていると思います。母も看護師としてここで勤務しており、両親と一緒に診療できる時間は僕にとっても貴重ですね。親子で一緒に仕事をしていると、たまに意見が食い違うこともありますが、遠慮なく質問や相談ができる関係というのは、最高のチームだと思います。

クリニック診療に携わる前は、どのような経験を積んでこられたのでしょうか?

大学卒業後は、勤務医として消化器を中心に幅広い疾患の治療や救急医療に携わってきました。勤務していた済生会千里病院には、重症患者に対応する三次救命救急センターがあり、救急科だけでも30人近い医師が在籍していました。多くの一般的な救急科では初期診療を行った後は患者さんをそれぞれの診療科に振り分けますが、済生会千里病院では救急科が治療まで一貫して行うことが多く、治療技術の習得やどこまでが自分たちで対応できる範囲かを見極める判断力がついたことは、僕にとって大きな糧になっています。地域のクリニックにはいろんな主訴をお持ちの患者さんが来院され、中には入院や手術をしたくないという方もおられます。病気の種類だけで判断して病院を紹介するのではなく、病態を見極めた上でできるだけ患者さんの希望に即した医療を提供するように心がけています。

対応疾患や得意分野についてお聞かせください。

山口大輔副院長 山口クリニック2

消化器系の疾患をはじめ、生活習慣病、風邪や腹痛などの一般的な内科の症状、睡眠時無呼吸症候群の治療など多岐にわたる疾患に対応しています。日本肝臓学会肝臓専門医として肝臓疾患も僕の得意分野であり、C型肝炎などの慢性疾患や急性肝疾患、脂肪肝などの治療も当院では行っています。健康診断で肝障害を指摘されても、肝臓疾患は自覚症状が乏しいことが多い上、遠くの病院まで足を運ぶのが面倒で放置してしまいがちですが、何年か先に肝硬変や肝がんを引き起こすリスクがありますので、早めに相談してもらえたらと思います。一般的な内科の検査に加え、眼底検査や骨密度検査など幅広い検査を実施しているほか、健康診断や予防接種、通院ができない方への訪問診療も行っています。

内科の外来診療と同時に内視鏡検査やリハビリにも対応

胃と大腸の内視鏡検査が受けられるのも、貴院の大きな特徴ですね。

山口大輔副院長 山口クリニック3

「内視鏡検査はつらそう」という人もいますが、胃カメラでは嘔吐反射が少ない、鼻からカメラを挿入する検査方法が選択できるほか、鎮痛剤や鎮静剤を用いてできるだけ苦痛を感じにくい内視鏡検査を行っています。大腸内視鏡検査でポリープが発見された場合は、その場でポリープを切除することが可能で、病気を見つけるだけでなく早期治療という点でも大切な検査であることを知ってもらいたいと思います。堺市でも胃がん検診を含むがん検診の受診を促進しており、当院でも実施しています。身近なクリニックで内視鏡検査が受けられることは、患者さんにとって大きなメリットだと思います。ただ、もし自分が1人で診療していたら、外来と内視鏡検査の両立は難しかったかもしれません。日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医として培った経験を地域医療に生かせるのも、父と一緒に診療しているおかげですね。

地域性や患者さんのニーズに合った診療を心がけておられるそうですね。

この辺りは、50年ほど前にニュータウンとして開けた街です。新たに引っ越してこられたファミリー世代も増えてはいますが、やはり街全体で高齢化が進んでおり、当院にも昔からお住まいのご高齢の方が多く通われています。子どもの頃から顔見知りだった近所のおじちゃんおばちゃんが、年を取って病気になってしまうのは寂しいことですが、お世話になった人のために一緒に病気と向き合い、恩返しできることにやりがいを感じています。高齢の患者さんは内科の病気以外にも腰痛や膝の痛みがあり、整形外科に通われている方も少なくありません。そこで当院では、理学療法機器をさまざま取りそろえ、リハビリテーションにも対応できるようにしました。1回の通院で内科診療とリハビリが同時に受けられることで、患者さんにとても喜ばれていますし、むしろ内科の診察後のリハビリを楽しみに通院されている方もおられますよ。

診療スタンスについてお聞かせください。

山口大輔副院長 山口クリニック4

健康に対する意識の高さや治療への期待度は、人によってさまざまです。「心配なので病気のことをもっと詳しく知りたい」という人もいれば、「深刻でないことがわかればそれで十分」という人もいますし、「詳しい検査をしてほしい」と患者さんから言ってこられることもあれば、「検査はいらないから薬だけほしい」と来院される方もいます。詳しい説明を必要とされている方には、納得していただけるように丁寧に説明し、逆に「難しい話を聞いてもわからない」というお年寄りの方には、コミュニケーションをしっかり取ることで安心感を与えながら、サポートしていきたいと思っています。できるだけ時間や費用をかけずに治療したいといった要望も可能な限り把握し、その方に合った治療を進めていくようにしています。

昔も今も、患者に親しまれる活気あふれるクリニック

同じ内科の医師であるお父さまから学ばれることも多いのではないですか?

山口大輔副院長 山口クリニック5

クリニックの2階が自宅だったので、子どもの頃から父が診療している姿を見てきました。家では厳しく頑固なタイプの父でしたが、患者さんからは「優しい先生」と慕われていました。相手の話をよく聞く姿勢が、患者さんにとって親しみやすかったのではないでしょうか。確かに一緒に診療をしていると、患者さん一人ひとり丁寧に接していることが、本当によくわかります。治療技術で勉強になることもありますが、どちらかといえばそうした患者さんとの接し方で学ぶべきことが多いですね。僕が診療に加わり、時間的にも気持ちの上でも余裕が持てるようになったからか、父はこれまで以上に伸び伸びと診療しています。今が一番、診療を楽しんでいるように見えますね。

5月にクリニックをリニューアルされたそうですが、こだわった点などはありますか?

スタッフが効率良く仕事ができるように動線を確保したほか、以前はカーテンで仕切られていた診療室を半個室の造りにしました。また、受付スタッフが待合室にいる患者さんの様子をしっかり確認できるようなレイアウトにし、下駄箱の下2段は、殺菌灯をつけました。1番のこだわりは、患者さんが過ごしやすい空間になるよう、院内全体を清潔感のある明るいデザインにしたことです。当院は開業当初から多くの患者さんが来院してくださり、それこそ有床診療を行っていた時期もあり、昔も今も活気あるクリニックです。その活気を今後も絶やさないように、患者さんに親しまれるクリニックづくりと診療を続けていきたいと思っています。

最後に、今後の展望をお聞かせください。

山口大輔副院長 山口クリニック6

現代の医療技術では防ぐことができない病気で亡くなる方もおられますが、もっと早い時期に手を打って治療しておけば、という方も少なくありません。救える病気で命を落とさないためにも、早い段階で病気を見つけ早期治療をすることと、予防を心がけ病気を防いでいくことが大切だと思っています。これからも、困ったことがあれば何でも相談してもらえる、信頼されるかかりつけ医をめざし、地域の患者さんの健康を支えていきたいですね。

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