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中山 祐史 先生の独自取材記事

中山内科医院

(堺市北区/中百舌鳥駅)

最終更新日:2023/08/03

中山祐史先生 中山内科医院 main

子どもの頃から育った中百舌鳥で、地域に密着した診療を行う「中山内科医院」の中山祐史先生。毎朝、予約患者の内視鏡や超音波の検査を行ってから診察を開始するが、患者が多い時には初代院長で父の中山美治郎先生も診察に入るという。開院当初から地域の人たちのために尽力し、患者からも親しまれている医院である。祐史先生は大学病院などで幅広く研鑽を積み、その経験を生かして院内での検査から病気の早期発見をめざす。休日には家族での旅行や、スポーツ観戦を楽しむと語る祐史先生。穏やかでやわらかな表情と、内に秘めた情熱で真摯に患者に向き合う姿が魅力的であった。

(取材日2018年7月18日)

大学病院での経験を生かし、地域に貢献

お父さまが開院された医院と伺っています。どんな思いで後を継がれたのですか?

中山祐史先生 中山内科医院1

開院は1979年で僕は小学2年生でした。それ以来ずっと地元の人たちに育ててもらって今の自分があると思っています。子どもの頃から父の往診によくついて行ってました。夜中でも電話がかかってくると、父はすぐに駆けつけるんですね。診察して「大丈夫ですよ」という一言で患者さんが安堵される場面を何度も見て、頼りにされるいい仕事だなと感じていました。いつ呼び出されてもまったく文句を言わず、患者さんが困っているのだから行くのが当たり前という父の背中を見て、僕もそんなふうに地域に貢献したいと思うようになりました。勤務医をしている頃から週1、2回はここでも診察をし、2010年ごろからはほぼ僕がメインで診ています。患者さんにも慣れてもらいながら、少しずつシフトしていったのでスムーズに交代できましたね。

どんな患者さんが来られていますか?

開院当時、この辺りは田んぼや畑ばかりで、夜になるとカエルの大合唱が聞こえて来るようなのどかな場所でした。その頃からの地元の方が今も通ってくださっていて、ID番号が1桁の患者さんもおられるんですよ。そんな患者さんも、80歳近くなり、「若い先生が最期までしっかり診て、私を看取ってくれよ(笑)」とおっしゃってくれています。最近はマンションなどが次々に建って新しい方も増えました。子どもの患者さんも0歳からいますよ。父の頃は小児科も標榜しており、僕も勤務医の頃、小児科専門のクリニックで勤務したり、医師不足だった丹後の病院に当直に行ったりして、小児科も勉強しました。必要であれば専門の病院を紹介しますが、何かあれば気軽に相談してほしいですね。

先生のご専門は内科の消化器系なのですね。

中山祐史先生 中山内科医院2

はい、大阪医科大学卒業後、大阪市立大学医学部の第3内科に入局し、消化器疾患・肝胆膵の疾患を専門にしていました。大学院にも進み、大学病院や民間病院で多くの経験をさせてもらったことが、今も役立っています。B型肝炎やC型肝炎の治療を行う上で僕は、日本肝臓学会肝臓専門医でもあるので、ここでもその治療ができます。もともと内科、中でも消化器系を選んだのは、患者さんが最初に受診する入口のような分野であることと、検査を自分で行い、例えば肝臓がんなどは外科的な処置もして治療を完結できる幅広さが魅力だったからです。

院内の検査で病気の早期発見に尽力

こちらの医院でも検査設備を整え、診療に生かしておられるそうですね。

中山祐史先生 中山内科医院3

検査はほとんど毎日行っています。気になる症状があった時に、エコーや胃カメラの検査がすぐに当院でできて、自分で診断をつけ必要な治療をすぐに開始できるのがメリットだと思います。大学病院で検査をしてもらうには、紹介状を書いて予約して結果を待って、とどうしてもタイムラグが起こってくるでしょう。残念ながらそれでは遅いこともあるので。特にこれといった症状がなかったとしても、検査をするとがんの末期というケースもあります。その場合、患者さんも後悔するだろうし僕ももっと早く見つけられたらと悔しく思うでしょう。患者さんにも後悔してほしくないので、年に1回は定期検診を受けてもらうように勧めています。

診療時に心がけておられるのはどんなことですか?

丁寧にわかりやすく伝えることです。高齢の方は理解が難しいことも多いですが、検査を勧めるにも納得して受けてもらいたいので時間をかけて説明します。無理強いして診察に来なくなっては逆効果なので、特定健診の結果などをもとに「脂肪肝だとは思うけれど、たまにこういうケースでがんが隠れていることもあるから」と嫌われないように(笑)。大学病院での経験から、がん治療の早期発見の大切さが身に染みて感じています。また、高血圧や糖尿病などの生活習慣病は、バランスの良い食事を3食規則正しくとるだけで改善に向かうこともあると経験上よくわかっているから、体験談を伝えつつ患者さん自身が意識して健康寿命を延ばせるように働きかけています。

勤務医の頃と今とでは、どんな点に違いがありますか?

中山祐史先生 中山内科医院4

一つ目は、病院ならほかに先生がいるけれど、開業医では代わりがいないという点ですね。医者になって体調を崩したのは一度だけなのですが、3年目くらいの時に40度の熱を出して倒れたことがありました。医者が熱を出すなんて、自己管理ができない恥以外の何ものでもなく、患者さんに申し訳ないし情けないし……。2日休んでさぞ怒られるだろうと病棟に行くと、「先生、来てくれて良かった! 私たちは先生がいないとどうしようもないから」と歓迎されたんです。患者さんにとって医者の存在はそれだけ大きいものだと実感しました。それ以来、自分の体調管理は徹底しています。もう一つは、大学病院では専門のドクターから知識が自然に入ってくるけれど、開業医ではこちらからアプローチしないと日進月歩の情報が入って来ない点です。患者さんに先進の治療を提供するために積極的に研究会などに参加して、新しい治療法などの知識を得るようにしています。

心の通う診療を大切にするかかりつけ医に

印象に残っている患者さんとのエピソードを教えてください。

中山祐史先生 中山内科医院5

研修医時代に初めて1人で患者さんを担当した時のことです。大手企業で地位ある紳士な方で、僕みたいな「若造」に安心して任せてもらえるか不安でした。指導してくださっていた先生からは、「知識も経験も浅いのは仕方ないのだから、真心こめて接するしかないだろう」と言われて、誠心誠意向き合いました。末期がんだったので、できる限りの治療をした後、家に帰ってもらいました。急変して救急車を呼んだ時に、その方は僕が勤めていた病院に行ってほしいと救急隊に頼み「あの先生に看取ってもらいたいから」とおっしゃったそうです。その時は満床で受け入れられず、空いたらすぐに移ってもらうことになっていたのですが、残念ながらその前に亡くなってしまいました。後でその話を聞いて、自分の一生懸命していたことが通じたのだと自信が持てました。医師として最初の、今でも思い出す患者さんです。

今後の展望についてお聞かせください。

これからも地域密着で地元に貢献できる医院でありたいと思っています。もっと勉強して患者さんに先進の医療を還元していきたい。数は多くないですが、居宅と施設へ、どちらも2週間に1回の訪問診療も行っています。末期がんなど重症になるといつ呼ばれるかわからないし、変わったことがあると電話もかかってくるから大変ですが、地域の方のためになるなら続けたい。高齢化社会で今後増えるでしょうし、24時間365日の対応が最大の問題なので、知り合いの先生方と協力・連携しながら工夫してやっていこうと思っています。

最後に、読者の方へのメッセージをお願いします。

中山祐史先生 中山内科医院6

病院や医師に遠慮して受診をためらったり、聞きたいことを言い出せなかったりする方がよくいらっしゃいます。どんな些細なことでも、気になることは気軽に聞いてもらいたいですね。40歳以上はがん年齢といいますから、何かしらの症状があれば受診してほしいし。症状がなくても、年に1回は定期検診を受けることもお勧めです。胃が痛いという人すべてに胃カメラをするわけでもないし、必要ない検査や嫌がる人に無理やりの検査はしませんから(笑)。でも少しでも心配があれば、人間ドックに近い検査はできるので、念のため受診しておくと安心だと思います。

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