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岩崎 洋 院長の独自取材記事

岩崎医院

(堺市北区/北花田駅)

最終更新日:2019/09/20

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どこか懐かしい雰囲気を感じる東浅香山エリア。府道沿いの看板を目印に、路地に入ると「岩崎医院」がある。2010年に父親からクリニックを継承したのは、岩崎洋(ひろし)院長。半世紀以上、地域の健康を見守ってきたクリニックという自負を持ちながらも、誠実な対応に患者想いの一面がうかがえる。同院は、職種間連携を重視した在宅医療に取り組み、外来診療においては「クリニック全体で患者に気を配ること」を強みに、患者から選ばれるクリニックをめざしている。外科の医師としての勤務経験を生かし、幅広い診療を提供している岩崎先生の熱い想いや、今後の展望を聞いた。
(取材日2019年9月2日)

在宅医療における職種間連携を重視

まず、クリニックの概要について教えてください。

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当院は父が開業して以来、50年以上この地で外来診療を行ってきました。私のことを幼少期から知っている患者さんも多いんですよ。今は父が築いた基盤を私が受け継ぎ、昔からお世話になっている地域の皆さんに恩返しをするつもりで診療しています。また、訪問診療にも対応し、患者さんを診させていただいています。かかりつけ医に通えなくなり、在宅医療を実施しているクリニックに切り替えた際、担当医が変わることはあります。患者さんからすると、心を開いて何でも相談していた相手とは違う医師が自宅に来るわけですから、不安になる方も少なくありません。かかりつけの医師が訪問診療に対応できれば良いのですが、常に緊張感と隣り合わせの訪問診療は医師にとってもハードルが高く、なかなか開始できずにいるところも少なくありません。今後さらに必要となる分野だけに、多くの先生方と連携をしながらより質の高い医療を提供できればと思っています。

在宅医療を実施するにあたって重視していることは何ですか?

医師や看護師、ケアマネジャーなどの多職種が、密に連携することです。職種間の距離をなくすと、どんな状況下でもスピード感のある対応ができるんです。例えば、病院の病棟だと「これお願いします」と看護師が医師に気軽に依頼したり、「あの患者さんのことですが」と情報を共有したりしますよね。しかし、これを在宅医療に置き換えると、現状ではうまくいかないことが多いです。そもそも、医師に対して遠慮する人は多く、互いにコミュニケーション不足に陥ることがしばしばあります。多職種連携を円滑に行うには、近寄りがたいと思われやすい医師から各方面に寄り添うことが大切だと考えています。当院では、地域の訪問看護ステーションやケアマネジャーへの勉強会を開催し、自己紹介を兼ねた資料を配布することで、職種間の距離を縮めています。

在宅医療は24時間体制で提供されていると伺いました。

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当院ではまず、医師である私が患者さんからの連絡を受電します。その際、対応をスタッフに依頼せず、私自身がご自宅に訪問させていただいています。夜中でも、日が昇っていない朝方でも、「先生は寝ているかもしれないけれど、困っているからどうしても助けてほしい」という患者さんのSOSがあるからこそ電話がかかってきます。なんとなく連絡をしてみました、なんてあるはずがないのです。日中は出かけているかもしれませんが、私は夜間は自宅にいるため動きやすいので、気を使わずにいつでも連絡してくださいねと、患者さんには常々お伝えしています。在宅医療は、患者さんとそのご家族との結びつきがものすごく密接です。いい加減なことはしたくないですし、患者さんからの要望にもきちんとお応えしたいと思っています。外来診療だけでは得られない信頼関係もあるため、大切にしていきたいですね。

外来では専門にとらわれない幅広い診療を実施

それでは次に、外来診療についてお聞かせください。

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外来患者さんの7割ほどが、70歳以上の方です。そのほとんどが慢性疾患の定期受診のために通院されていますが、中には心不全を併発したり、風邪だと思っていたら肺炎だったりするケースも見られます。こうした急な事態にも迅速に対応することが、地域の開業医の役目だと思っています。また、がんは一般的には自覚症状がないため見つけにくく、症状が出てから進行した状態で見つかることが多いです。例えば膀胱がんに関しては、膀胱を全摘すると生活レベルが著しく低下してしまうことがあります。なるべく早い段階で発見をして、専門機関へスムーズに引き継げる状態にしたいと思っています。

先生の専門分野は何ですか?

病院では消化器外科を専門に経験を積みました。ただ、医局の外科教室が胸部、呼吸器、乳腺などのさまざまな分野を診ていたため、消化器外科だけでなく、幅広く知識を吸収できました。外科を選んだ理由は、大学生の頃に病院の事務当直のアルバイトをしていたことが大きく影響しています。2次救急指定病院で、毎日多くの患者さんが運ばれてくるわけです。当時は、クリニックの継承に外科の知識は必要ないと考えていましたが、救急患者さんを前にしても慌てず、落ち着いて対応する外科医師の姿を見て、かっこいいと思ったんです。それから、術前から術後まで、一貫して患者さんと向き合える分野だと父から聞いていたので、クリニックを継承するまでにできるだけたくさんの経験をしたいと思いました。悩ましい症例は多くあれど、患者さん一人ひとりに向き合えることは、外科の醍醐味ですね。

診療で心がけていることはありますか?

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専門性にとらわれず、幅広く診ることです。継承した当初は、得意とする消化器外科の知識を生かして診療したいと思っていました。しかし実際の診療を通して、専門分野にこだわらない、患者さんにとっての最初の相談窓口になることが大切ではないかと感じ始めたのです。「内科と消化器疾患以外は診ません」ではなく、経験を生かして診断し、場合によっては信頼できる医療機関に紹介しています。現在、当院での手術は実施していませんが、私の強みとして、必要なら手術前後の流れを補助的に説明することもできますから、不安なことがあれば気軽に相談していただきたいと思います。

「かかりつけは岩崎医院」と言ってもらえるように

今後、どのようなクリニックをめざされますか?

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今後も在宅医療に積極的に取り組みながらも、外来診療をおろそかにするつもりはありません。患者さんは、内科だけでなく複数の診療科を受診されることが多いと思います。そんな方に、かかりつけのクリニックを聞いたとき、自信を持って「岩崎医院です」と答えていただけるクリニックをめざしています。そのために、患者さんの既往歴、他院での治療内容や処方薬などの状況をすべて把握し、総合的に患者さんをサポートしています。スタッフにも、来院された方への気配りを心がけるよう、伝えています。院内が混雑していても、一人ひとりの患者さんの状態を把握し、困っている様子があればすぐにキャッチしてほしいのです。診察室に入らずとも、来院された時点で私たちにとって「患者さん」ですからね。

先生のリフレッシュ方法を教えてください。

将来の健康を考え、数年前からトレーニングを始めました。そうでなくとも、適度な運動が必要な患者さんに対して、ふくよかな医師が「運動してください」などと言っても、説得力があるとは思えません。まずは自分が実践して、患者さんの見本になりたいと思ったことがきっかけです。運動が必要でも、何から始めたらいいのかがわからずに、敬遠してしまうことはありませんか。そんな方に対して「自宅で簡単にできる運動を教えますね」と、週にどのくらい、どの程度の時間で実行すればいいのかを、医師が説明できることが大切だと思います。予防医学も重視される時代ですから、患者さんご自身でも取り組んでいただくことを推奨しています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

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私自身の経験談ですが、腹痛を感じて検査を受けると、緊急手術が必要な腸閉塞が見つかりました。外科の医師としてこれまでに多くの緊急手術に立ち会いましたが、まさか自分がその状況に陥るとは思ってもいませんでした。恥ずかしながら、そのとき初めて「緊急手術が必要です」と告げられる患者さんの気持ちを理解したのです。どんなに健康でも、予防を心がけていても、病気になる可能性は誰にだってある。だからこそ病気を早期発見して、早い段階で健康な状態に復帰していただきたいと思っています。そのためにも、地域のクリニックをもっと頼っていただき、気軽に相談してみてください。些細なお話の中に、病気を発見するヒントが隠れていたりするのですよ。

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