田村 友彦 院長の独自取材記事
田村外科整形外科
(堺市西区/津久野駅)
最終更新日:2026/05/11
ときはま線沿いに立つ白い4階建ての「田村外科整形外科」。1973年の開院から50年以上、地域のかかりつけ医として幅広い診療を続けてきた。外科、整形外科を中心に、内科的な相談や小手術、泌尿器科、皮膚科の診療まで対応し、近年はオープンMRIやCアームエックス線装置を導入。より迅速で精度の高い診断が可能となるよう体制を整えた。2代目院長の田村友彦先生は、地域の“困っている人”に寄り添う姿勢を大切にし、往診や小規模事業所の健診など院外活動にも積極的だ。温かい笑顔と丁寧な診療を心がける田村院長に、診療のこだわりやMRI導入の背景、地域医療への思いを聞いた。
(取材日2026年4月7日)
幅広い診療と丁寧な問診で“困り事”に向き合う
医師の道に進まれた経緯を教えてください。

昔はこの医院の上に自宅があり、父が外科の医師として働く姿を間近で見て育ちました。かつては有床診療所で、入院患者さんを抱えながら一人で診療していたので、父はほとんど寝ていなかったのではと思います。そのような姿を尊敬していましたし「自分も地域の役に立てる仕事をしたい」と医学部を受験したのがきっかけです。勤務医として働いていた頃は消化器外科や整形外科、麻酔科、救急など幅広く経験しました。父が病気になったことを機に医院を継ぎましたが、地域の方々と長く関わることで、「地域の人の力になりたい」という思いが強くなりました。
診療科目が幅広い印象ですが、どのような患者さんが多いですか?
整形外科の患者さんが多いですが、内科的な相談や泌尿器科、皮膚科の症状など、ほとんど制限なく診ます。勤務医時代にいろいろな科を回ってきたので、幅広い症状に対応できますし、必要があれば個室でお話を伺うこともできます。整形外科では、交通事故によるけがや首・肩・腰・膝の痛み、スポーツ外傷、リウマチなど慢性疾患もあつかっております。特に膝の痛みで来られる方が多く、ヒアルロン酸注射にも対応しています。注射が苦手な方も多いと思うので、できるだけ痛みを感じにくいよう工夫しています。粉瘤やばね指、イボの切除などの小手術も随時行える体制を整えており、症状によってはその日のうちに処置できることもあります。また、糖尿病や甲状腺の相談、アレルギー症状、排尿トラブルなど、内科、泌尿器科、皮膚科の患者さんも多く来られます。「ここで診てもらえるだろうか」と迷う方もいますが、まず相談していただければ、できる限り対応します。
診療で大切にしていることは何ですか?

患者さんの話を丁寧に聞くことです。症状の裏側には、生活習慣や家族背景、性格など、さまざまな要素が絡んでいることがあります。問診では「いつから?」「どのような時に痛む?」と少しずつ聞きながら、頭の中で可能性を一つずつ消していきます。日本語は痛みの表現が難しく、「しびれるだけで痛くない」と言っていた方が、歩くと「痛い」と表現することもあり得ます。そうした“言葉のズレ”を埋めるためにも、丁寧に話を聞くことが欠かせません。生活の中で何に困っているのか、何ができなくなっているのかを把握し、治療方針を一緒に考えるようにしています。患者さんの中には、症状をうまく言葉にできず不安を抱えて来られる方もいます。そうした時こそ、表情や仕草、生活の変化など、言葉以外の情報も含めて丁寧に受け止めるようにしています。
地域密着の診療と、MRI導入による迅速な診断体制を
地域に根差した診療を続けてこられていますね。

当院は大きな宣伝はしていませんが、患者さんが患者さんを紹介してくださり、自然と輪が広がってきました。地元の方が中心ですが、引っ越し後も通ってくださる方や、奈良・泉南から来られる方もいます。また、小規模事業所の健康診断や、地域の学校・施設への健診、往診なども積極的に行っています。規模の小さなところほど困っていることが多いので、「隙間を埋めるように動く」のが自分の役割だと思っています。長く通ってくださっている患者さんが来られなくなったら、こちらから様子を見に行くこともあります。地域の人たちと長く関わる中で、「困った時に頼ってもらえる存在でありたい」という気持ちは年々強くなっています。
MRIを導入された背景を教えてください。
以前は、詳しい検査が必要な場合は大きな病院に紹介するようにしていましたが、予約が取れるまで1〜2週間かかることもあり、痛みを抱えたまま待たせるのがつらかったのです。「すぐ診てあげたい」という思いから、オープンMRIを導入しました。オープンMRIは音が静かで、MRIなので放射線による被ばくの心配がないのが特徴です。閉塞感が少ない構造なので、狭いところが苦手な方でも受けやすいと思います。頭部の検査や、認知症の不安、外傷後の頭痛などにも対応できますし、腰痛・首痛・肩痛などの原因を早期に特定するのにも役立ちます。「MRIはハードルが高い」と思われがちですが、もっと気軽に利用してほしいですね。検査を受けることで不安が解消されれば、安心して生活できる方も多いと思います。
MRIの導入によって診療の幅は広がりますか?

大きく広がります。エックス線は骨の異常を見つけるためには役立ちますがが、神経や軟部組織はMRIでないとわからないことが多いです。腰痛やしびれの原因がヘルニアなのか、狭窄症なのか、筋肉なのかを早く判断するために役立つので、治療方針もすぐに決められます。最近は、膵臓や胆嚢などの内臓もある程度撮影できるようになり、僕自身も読影の勉強を続けています。自分の体を使って撮影の実験をしたこともあります。新しい知識を得ることで診療の幅が広がり、患者さんに還元できるのはとてもやりがいがあります。MRIを導入したことで、患者さんの不安を早く取り除けるようになったらうれしいです。「まずは原因を知りたい」という方にとって、大きな助けになる検査だと思います。
まずは相談を。早期診断が“困り事”を減らす近道
お忙しい中でも、リフレッシュの時間はありますか?

ゴルフやフットサルをしています。フットサルは月に1回、薬局の方や学生さんと一緒に2時間走りっぱなしです。診療では座っている時間が長いので、体を動かすことは大事ですね。ゴルフは毎週のように行きますが、ミスが多くて逆にストレスがたまることもあります(笑)。でも歩くので良い運動になります。自分が健康でないと、患者さんの健康も守れませんからね。
今後の展望を教えてください。
医療は日々進歩しているので、勉強を続けながら、地域の方に還元していきたいと思っています。MRIの活用範囲も広がっていますし、Cアームエックス線装置を使った小手術も行えるようになりました。また、地域の“困っている人”に寄り添う姿勢はこれからも変わりません。大きな病院に行くべきか迷っている方、症状をうまく説明できず不安を抱えている方、どのような方でもまず相談してもらえる場所でありたいと思っています。長く続けていると、患者さんの生活や家族の状況まで見えてくることが多く、その人にとって本当に必要な医療を一緒に考えることが大切だと感じます。今後も、設備面・知識面の両方をアップデートしながら、地域の方が安心して頼れるクリニックであり続けたいですね。
読者へのメッセージをお願いします。

痛みや不安があれば、まずは相談してほしいです。自己判断で様子を見るうちに悪化してしまうこともあります。スマートフォンの情報は便利ですが、誤った情報も多いので、気になる症状があれば一度受診してください。高齢の方には「メモを書いてきてくださいね」とお伝えしています。診察室に入ると聞きたいことを忘れてしまうのはよくあることです。地元の病院に行っても良くならないという方も、気軽に相談してもらえたらと思います。地域の方の“困り事”を少しでも減らせるよう、これからも丁寧に診療していきたいですね。

