中川 美和子 院長の独自取材記事
中川眼科クリニック
(堺市堺区/堺東駅)
最終更新日:2022/10/25

「中川眼科クリニック」は白内障手術や一般眼科診療において豊富な経験を持つ中川美和子院長が、1988年に開業した眼科医院。南海高野線・堺東駅から徒歩5分とアクセス至便な場所にあり、院内に入ると「こんにちは」というスタッフの明るい声が出迎えてくれる。清潔感にあふれ広々とした検査室や、患者からのプレゼントだという折り紙や写真が飾られた待合室から、家庭的で温かいクリニックであることが伝わる。中川院長のモットーは「丁寧な診療を心がけること」。診療では常に大きな病気の見落としがないか目を光らせ、特に自覚症状が乏しいといわれる緑内障の早期発見に力を注いでいるという。そんな中川院長に、開業の経緯から診療のポリシー、プライベートまで、さまざまな話を聞いた。
(取材日2020年7月16日/情報更新日2022年10月19日)
これからも医療でこの町を支えていく
眼科の医師をめざされたきっかけや、開業されるまでのご経歴を教えてください。

もともとは薬剤師をめざしていたんです。しかし、高校の先生から「薬剤師は医師の指示で患者さんに薬を出している。もっと主体的に取り組める医師のほうが君に向いているんじゃないのか」と言われ、医師になることを決断しました。眼科を専攻した理由の一つも、目という一つの器官を極めてみたいと思ったことがきっかけです。高校の時の恩師は、物事にじっくりと取り組むことが好きな私の適性を見抜いていたのかもしれませんね。大学を卒業してから開業するまでは、大阪市立大学医学部附属病院や景岳会南大阪病院で、白内障の手術など外科的な処置を中心に担当していました。治療を終えて喜ばれる患者さんを見て、改めて医師という職業にやりがいを感じました。
開業のきっかけは?
1人目の子どもが生まれることになったのですが、やっぱり仕事をしながらの育児って大変でしょう。そこで、実家の近くならサポートが受けられるだろうと思って、地元で開業することにしたんです。1月に出産して、9月にはここのクリニックのオープンでしたから、それは大変でした。ですが、それでも仕事を続けたいと思えるほど、医師という仕事にやりがいを感じていたんです。幸い、義母は女性が働き続けることに対して理解のある人で、夫も子育てに関して主体的な人でした。2人には今でも感謝しています。おかげさまで、当院が開業してからもうすぐ33年です。地元の堺で長きにわたって医療で貢献できていることを、誇りに思っています。
土曜日や日曜日にも診療をされているのですね。

はい、お休みでないと来られないビジネスパーソンの方や学生さんもいるでしょうし、症状が急変した時に地域で頼れるクリニックがないと困る人もいるだろうと、開業当初から土曜も日曜も開けています。最寄りの堺東駅は、地域住民だけでなく通勤や通学で利用される方も多い、大きな駅なんです。患者さんの層も小さな子どもからビジネスパーソン、主婦、高齢者まで幅広いのでいつでも頼っていただきたいと思います。来られている方の症状も広範囲に及びますが、目は繊細で特徴的な主訴も多くあるので、適切な検査やこまやかな対応を心がけています。
緑内障などの早期発見・早期治療に注力
具体的には、どのような主訴が多いのでしょうか?

例えば、小さなお子さんですと、花粉症やアレルギーなどによる目のかゆみや腫れ。ご高齢の方ですと、急に視力が落ちてきた、涙目や飛蚊症といったお悩みが多く寄せられます。ほかにも、学校や職場での検診で引っかかったという方や、白内障などのご相談で来院されています。コンタクトレンズの処方を希望する方も多く、昔に比べて年齢の幅が広がってきました。下は小学校の高学年くらいから、上は70代の中高年の方まで。コンタクトレンズの素材や機能の多様化によるものだと思います。
診療の際に、患者さんに対して気をつけていることを教えてください。
説明をしっかりと行うことですね。できるだけ、患者さんが理解しやすい言葉で話しかけ、治療内容に対して納得して受けていただけるように気をつけています。患者さんが訴えるお悩みに対して、検査や治療するのはもちろんですが、年齢によって気をつけなければならない病気もありますから、そういった症状の見落としがないよう細心の注意を払っています。例えば、小学生なら視力が低下して近視が進んでいないかどうかや、40歳以上の方に関しては緑内障を発症していないか、診察の際には必ずチェックするようにしています。
こまやかな診療を心がけているのは、なぜでしょうか?

地域の皆さんの健康を支えるのが私の仕事ですし、役割であると思っているからです。特に緑内障は中高年に多く、日本では40歳以上の方の約20人に1人が罹患しているという統計結果もあり、中途失明原因の上位に入るとされています。初期の自覚症状はほとんどなく、患者さんが見にくくなってきたと感じた時には既に視野障害が進行している場合が大半で、一度欠けてしまった視野は元には戻りません。ですので、早期発見して進行を遅らせることが重要なのです。当院でも、ほかの病気でお越しになった方で、緑内障を早期の段階で発見し進行を遅らせるための治療に入られた方もいらっしゃいます。また、状態によっては手術が必要な場合もありますが、その際は大阪市福島区の福島アイクリニックや、近隣の病院を迅速にご紹介しておりますので、ご安心いただければと思います。
患者の気持ちにも寄り添った丁寧な診療を心がける
待合室には、患者さんの折り紙や写真など作品が飾られているのですね。

ええ、そうなんです。患者さんの中には、上手に折り紙などの作品を作る人や、写真を撮ることが趣味の方もいらっしゃって。すてきな作品だったので、たくさんの方に見ていただきたくて待合室に飾らせてもらったんですよ。最初の問診でプライベートまで踏み込むことは少ないですが、たくさんお話ししていると、趣味などの話に花が咲くこともあるんです。ご趣味だけでなく、生活背景やご職業を知ることで、診療に結びつくこともあるため、患者さんとの交流やコミュニケーションは欠かせないと思っています。
ところで、中川先生はご趣味はありますか?
テレビやインターネットで野球観戦することです。主人がもともと、横浜を本拠地にする球団のファンなんですよ。一緒に見てるうちに私もすっかり好きになってしまって。主人も開業医なのですが、最初に育児のためにわざとお互いのクリニックの休みをずらしたこともあって、球場に一緒に観に行ったりすることはできないのが、少し残念です。
ご自身の健康で、気をつけていることはありますか?

数年前から歩いて通勤するようにしたり、腹筋などの軽い運動をしたりするようになりました。それから体重が増えにくくなりましたね。ほかにも、目のために紫外線対策を行って、緑黄色など野菜中心の食生活に気を配っています。健康は日々の心がけ。皆さんも、目が疲れているなと感じた時や十分な栄養量が取れていない時は、手軽にサプリメントに頼ってもいいので、少しの努力を大切に取り組んでほしいですね。
最後に、読者の方へメッセージをお願いします
当院はまもなく開業して35年目を迎えます。最近は、幼い頃から通ってくださっていた患者さんがご自身のお子さんを連れて通ってくれるようになりました。当初から、丁寧な診療をモットーとしてきましたが、患者さんのお悩みの傾向も長い年月で変化し、その変化に対応すべく、今まで以上により詳しく見落としがないように診察するよう心がけています。目の不調は軽視しがちですが、つまずいて転んでしまったり、交通事故を引き起こしたりと大きなケガに結びつくこともあります。どういった小さなお悩みでも構いません。いつでもお気軽に受診してください。