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藤田 聖子 院長、村田 美重子 先生の独自取材記事

藤田医院

(堺市北区/新金岡駅)

最終更新日:2023/12/13

藤田聖子院長、村田美重子先生 藤田医院 main

南花田町にある「藤田医院」は、半世紀以上にわたって続く地域の内科クリニックだ。一般内科診療をはじめ、胃カメラ検査やエコー検査など幅広い診療を提供しながら、近隣住民の健康をサポートしている。「医師としての多くのことを父から学びました。私にとって最高の医師です」と笑顔で語るのは、約10年前に同院の診療に加わり現在は院長を務める藤田聖子先生と、月に2回胃内視鏡検査を実施している妹の村田美重子先生だ。この2人の父親であり、今も現役で診療にあたる理事長との3人で、多様な活動を通じて地域のニーズに応えている。取材では聖子院長と美重子先生の2人に、診療に対する考えや地域への思いなど、熱い胸のうちを話してもらった。

(取材日2023年9月24日)

父から2人の娘へつながる、地域医療の架け橋

こちらは歴史が長い内科クリニックだと伺いました。

藤田聖子院長、村田美重子先生 藤田医院1

【聖子院長】南花田町に父が開業したのが1967年で、最初はここから50メートルほど離れた場所にありました。それを今から18年ほど前に移転新築したのが現在の医院です。父は、私が幼い頃から「かかりつけ医としてできる限りの健康や幸せをお届けすることで地域の方々に貢献したい」と話していました。父と一緒に診療に携わり、父の姿を目の当たりにしたこの10年で、その意味が深く理解できるようになりましたね。父の精神を受け継ぎ、内視鏡を専門とする医師である妹の力も借りながら、感謝の気持ちを皆さんにお返ししていきたいと考えています。

ここ数年の医院の活動で、特に印象的なことはありますか?

【聖子院長】絶対に忘れられないのは、新型コロナウイルス感染症への対応です。最初は戸惑いもありましたが、父は「地域のかかりつけ医として発熱の患者さまを絶対にお断りしてはいけない」と断固として譲りませんでした。その確固たる信念に感銘を受け、ワクチン接種と発熱の外来を積極的にやると決断できました。ワクチン接種開始当初は、休日を返上して接種に明け暮れる毎日。スタッフも自主的に出勤してくれました。

大変な状況を乗り越えてこられたのですね。

藤田聖子院長、村田美重子先生 藤田医院2

【聖子院長】私や父だけでは乗りきれませんでした。スタッフが本当に頑張ってくれて、感染リスクがある中、文句一つ言わずに発熱患者さまの対応をしてくれたり、時には駐車場で交通整理をしたり、診療後には遅くまで発生届の手続きをしてくれたりと本当に大変でした。でもあの激動の波を乗り越えたことは、スタッフ全員にとって大きな自信になったはずです。患者さまの中には「どこへ電話しても全部断られた。本当にありがとうございます」と遠方からお越しの方も多かったですし、泣きながら感謝してくださる方もいて、やっていて良かったとつくづく感じました。
【美重子先生】地域の患者さんのために、父と姉が頑張っている姿をいつも見てきましたし、昔も今も、裏方としての母の支えや尽力がなくては今の藤田医院は成り立たないと思っています。

ゼネラリストとスペシャリストで、患者の健康を守る

美重子先生は胃内視鏡を専門とする医師として、定期的に来られているんですよね。

藤田聖子院長、村田美重子先生 藤田医院3

【美重子先生】普段は静岡で診療を行っているのですが、月に2回、当院の胃内視鏡検査を担当しています。健康な方が今後も健康でいられるように、早く病変に気づいて早期の治療につなげるため、検査をする時は、「自分や家族の体を見ているのだから、見落とすことなく丁寧に検査をするんだ」という思いで臨んでいます。また、検査結果は写真をお見せしながらどこが問題なのかをきちんと説明し、その後の経過観察の流れや生活上の注意点などを丁寧にお話しすることを心がけています。こうして静岡から通うことを続けていられるのも、静岡で診療を続けてこられたのも、夫や家族の理解と大きな協力があってのことです。

胃内視鏡を専門とする医師がクリニックに来ていただけるのは非常に心強いですね。

【聖子院長】私や父を内科中心としたゼネラリストとするならば、美重子先生は内視鏡のスペシャリストです。鎮静剤なしの胃の内視鏡検査は鎮静剤ありに比べると、患者さんの嘔吐反応を抑えてスムーズに実施するのが難しいのですが、美重子先生は経験を生かし負担の軽減につなげようと努めてくれています。美重子先生は勉強熱心な方で、専門とする分野に限らず、漢方やその他内科の勉強もしている姿を見て、とても心強く感じています。
【美重子先生】現在漢方の専門家をめざして勉強していますが、大学生の頃、風邪をひいたときに父が漢方を勧めてくれたことが漢方に興味を持ったきっかけでした。父は独学で漢方を勉強したのだと思いますが、私も父のように常に新しい知識を取り入れたいと思っています。

やはりお父さまの存在は大きいのですね。

藤田聖子院長、村田美重子先生 藤田医院4

【聖子院長】私がまだ小さい頃、母からよく聞かされていたことがあります。「お父さんは患者さんの話をよく聴く人なのよ。一見世間話のようだけど、聴いてもらえてスッキリしました!とみんな喜んで帰っていくの。医療って検査や薬だけじゃない、心を診る。そういうものよ」と。当時の私にはピンときませんでしたが、今ではすごく理解できます。父にとって医師の仕事は人生そのもので、診療が終わると、医学講演会の動画を見たり医学雑誌を読んだり、ずっと勉強しています。「常に最新の知識を頭の中にたたき込んでおかねばならない」と常日頃から言っています。今年から導入した電子カルテも最初は難しいと思っていたようですが、今では普通に私と変わらないスピードで入力しています。本当に知的好奇心とパワーにあふれています。まだまだ第一線で元気に診療を続けてほしいです。

音楽を通じて健康のきっかけと元気を届けたい

院内で定期的にコンサートを開催しているとお聞きしました。

藤田聖子院長、村田美重子先生 藤田医院5

【聖子院長】もともとは健康情報を発信したかったのですが、それだけでは少し堅苦しい気がして、どうしたものかずっと悩んでいました。しかしある時ふと、講演とセットで音楽を披露してみては?と思いついたんです。ピアノは私が弾きます。そして幸い弦楽器や管楽器などを演奏する仲間がたくさんいますので、彼らに声をかけてみると二つ返事でOKをもらえました。バイオリンやチェロやクラリネットなど、毎回楽器を変えて、彼らと私のアンサンブルということでプログラムを組んでいます。クラシックに限らず歌謡曲も演奏します。健康教室のほうは、整形外科や耳鼻咽喉科など他科の先生を講師としてお招きし、普段の当院ではできないお話をしていただきますのでたいへん好評です。コロナ禍で約3年間中断していましたが、2023年から再開しました。かかりつけの患者さまだけでなく、どなたでもご参加いただけますので、ご興味があればぜひ!

講演とコンサートのかけ合わせ、とてもユニークで素晴らしい試みですね。

【聖子院長】2016年当初は10人程度から始まった会ですが、今では100人近くの方にご参加いただいています。会場は当院の2階で、普段は点滴室になっていますが、当日はベッドをすべて別室に収納し、中央に講演と演奏のスペースを設け、グランドピアノを配置します。曲目は誰もが知っているものをメインにし、クラシックの少し重めのものを1、2曲混ぜ込みます。また、歌詞カードをお配りしますので、唱歌や歌謡曲のコーナーではご参加の方全員が歌ってくださいます。お越しになった時にはちょっと緊張されていても最後にはどなたも笑顔でお帰りいただけます。「こんなに間近で生の演奏を見たのは初めてで楽しかった!」と笑顔で言ってくださることが、次回への練習の励みになっています。診察室ではできない会話があったり笑顔を拝見できたり。地域の皆さんと一つになれることがとてもうれしく、音楽の力って本当にすごいと毎回感動しています。

最後に、地域の皆さんに向けてメッセージをお願いします。

藤田聖子院長、村田美重子先生 藤田医院6

【聖子院長】父が、患者さんのためになりそうなら積極的に新しいものを取り入れてきたように、私も常識にとらわれることなく、より良い治療を学び、当院に取り込んでいきたいです。これからも進化し続けるクリニックでありたいので、ぜひご要望やご意見があれば、遠慮なくお話しください。
【美重子先生】がんは早期発見・治療で回復を図れる病気です。ですから今健康だと思っている方もぜひ、時間を見つけて検査を受けていただきたいと思っています。自分が健康であり続けることは、大切な人の健康にもつながるでしょう。市が無料で行っている検診などもありますので、ぜひご活用ください。不安なく検査に臨めるよう全力でサポートします。

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