奥田 健 院長の独自取材記事
奥田内科医院
(堺市北区／百舌鳥駅)
最終更新日：2024/09/12
阪和線の百舌鳥駅から北東へ徒歩2分。世界遺産、百舌鳥・古市古墳群の一つである仁徳天皇陵古墳や、大山公園からすぐ近くの「奥田内科医院」。長年、地域に密着した医療を提供してきた山田内科医院を奥田健院長が2020年に継承し、2022年に「奥田内科医院」として開業後、2023年10月に現在の場所に移転した。モダンな外観の新築3階建ての建物で、待合室はぬくもりのある木目調、診察室は清潔感のある白を基調としている。外来は予約優先で、電話のほか、メッセージアプリケーションからも24時間予約を受けつける。オンライン診療や訪問診療にも注力し、地域に密着するだけでなくさまざまな世代に寄り添った診療体制を整える37歳の若き院長に、患者に対する思いや今後の展望を聞いた。
（取材日2024年8月16日）
「地域のかかりつけ医」として、幅広く診療を展開
開業に至るまでの経緯をお教えください。
大学を卒業後、将来の開業を見据えて幅広い疾患を診られるようにと、心臓や腎臓、糖尿病を専門とする内科に入局しました。その中で、大阪ろうさい病院に2年間配属されたことが、堺市とのご縁の始まりでした。その頃、当院の前身である山田内科医院の院長の息子さんから、手伝ってほしいとお声がけをいただき、週に1～2回のペースで勤務することになったのです。院長がご高齢であったこともあり、継承開業の打診をいただいて、準備期間を経て2020年に継承しました。そして2022年に改めて奥田内科医院として開業に至りました。開業にあたりロゴマークも作成しました。健康を意味するハートとダイヤモンドをイメージし、患者さんにとって大切な資源である健康、つまりダイヤモンドを輝かせることに貢献したいという気持ちを込めました。
昨年現在の場所に新築移転されたそうですが、特にこだわられたことは何ですか？
できるだけ早く治療を開始できるよう可能な限り検査装置を充実させたいと思い、血液検査や腹部と胸部のエックス線検査、心電図検査、血糖測定、尿検査などの検査体制を整えました。内科のクリニックでは珍しいかもしれませんが、患者さんからのご要望に応えて、骨粗しょう症の治療にも対応しています。診察室にはモニターを8台設置して、患者さんへの説明の際に使用しています。口頭ではわかりにくい説明も、目で見てみるとよりわかりやすくなるかと思います。また、新型コロナウイルス感染症の流行の真っただ中に開業したこともあり、感染症対策にも力を入れています。専用の出入り口のある隔離室を設け、大型空気清浄機を導入しました。患者さんだけでなく、スタッフの健康も守りたいと思い、院内の動線にもこだわりました。
特に得意とされる分野は何でしょうか。
私の専門分野は糖尿病です。日本糖尿病学会糖尿病専門医の資格も取得しており、大学病院でも糖尿病の患者さんを中心に診療していました。しかし多くの患者さんと関わる中で、もっと安心して、気軽になんでもご相談いただきたいと思うようになりました。そのためには幅広い医療知識と技術が必要だと考え、今も研鑽に励んでいます。当院では内科の看板を掲げていますが、風邪や生活習慣病の治療だけでなく、整形外科や皮膚科、小児科の疾患の相談も受けつけています。必要に応じて地域の専門の医療機関におつなぎする体制も構築していますので、安心してご来院いただければうれしいです。私自身、患者さんと向き合うことを大切に診療しているので、医療クラークにカルテの入力をお願いしています。スタッフは他に、薬剤師の資格を持つ事務長をはじめ臨床検査技師などが在籍しています。山田内科医院時代から働いてくれているベテランぞろいです。
訪問診療やオンライン診療にも注力しSNSも活用
訪問診療にも注力されているそうですが、その背景や特徴を教えてください。
この辺りはご高齢の方も多くお住まいの地域ですから、認知症などのさまざまな理由から通院できない方を対象に訪問診療を行っています。病院レベルの検査体制をめざして、携帯用の超音波検査装置も取り入れました。ご自宅にいながらにして精密な検査が可能です。高齢化が進む中で介護を必要とされる方はこれからますます増えていくでしょう。介護と医療の連携の必要性は、より求められるようになっていくのではないでしょうか。当院では、地域のケアマネジャーさんとの連携強化を一層進めるだけでなく、地域の医師として、そして堺市介護認定審査会の一員として、介護サービスの紹介も行っています。現在、火曜日の午前中は非常勤の先生に外来診療を手伝っていただいているので、この時間を訪問診療にあてています。多くのご要望をいただいているので、今後は訪問診療体制をさらに拡充する予定です。
SNSを活用して、さまざまな医療・健康情報を発信されているそうですね。
SNSでは、主に医療や健康についての情報を発信しています。自身の体をご自身で守れるよう、違和感があればすぐに気づいてもらえるよう、もっと医療の知識をつけてほしいと思い始めました。アカウントの開設当初は20～30代の若い子育て世代に向けて、私自身も悩まされている花粉症のことや、新型コロナウイルス感染症について発信していました。だんだんと見てくださる方の年齢層が上がってきたこともあり、今では、中高年を悩ます糖尿病や高血圧症、歯周病などの情報や健康診断の結果の見方、美容に関する情報など、幅広くタイムリーに発信しています。読み物としても楽しんでいただけたらうれしいです。
メッセージアプリからの相談や、オンライン診療にも対応されているそうですね。
なんでも気軽にお尋ねいただきたいと思い、メッセージアプリを利用して相談ができるシステムを整えました。特に小さなお子さんの急な発熱や発疹などは、親御さんの不安も大きいでしょう。そんな時に利用していただければと思います。AIでの自動応答ではなくて、きちんと個別に直接お返事いたしますので、どうぞご安心ください。他に、お仕事で忙しい方や、お子さんを連れての来院が難しい方にも医療を届けたいと考え、オンライン診療にも対応しています。メッセージアプリでのビデオ通話を通して行いますので、気軽に受診していただけるのではないでしょうか。お薬は郵送やお近くの薬局で受け取ることができますよ。また、メッセージアプリを通して、外来診療やワクチン接種の予約も可能です。
安心と笑顔、そして元気を与えるクリニックにしたい
理念である「安心、安全、信頼」の実現のために、取り組まれていることを教えてください。
勤務医時代に糖尿病を専門に診療する中で、医学的なエビデンスに基づいた診療を行うだけではなく、患者さんの気持ちに寄り添うことも大切だと感じることがしばしばありました。その経験から、今は患者さんを家族のように考え、会話を通してご本人の意思を最大限に確認した上で尊重し、理解するよう努めています。どうして当院を選んでくださったのかをくみ取って、ご本人と一緒に治療の方針を考えていきます。健康に関する不安だけでなく、健康診断や予防接種のご質問、福祉サービスのご相談など、なんでもお気軽にお尋ねいただけるよう、対面でのコミュニケーションを大切にしています。
スタッフの皆さんにも、接遇面を重要視するよう伝えられていると伺いました。
理想とするクリニックと患者さんとの関係性は、テーマパークのキャストとゲストの関係性です。テーマパークはゲストの皆さんに笑顔と元気を与える場所で、キャストはその世界観にふさわしいよう接しますよね。実は私もテーマパークが大好きで、長期休暇には家族と一緒に足を運ぶことが多いんです。この理想の実現のためにも、スタッフにも私の思いを伝え、共有しています。業務上の役割もありますが、時には手を止めてでも患者さんと笑顔で会話をすることで、少しでも安心して笑顔でお帰りいただけるようスタッフ一同で努めています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
先代院長の時代からの患者さんや、SNSをご覧になって来院される方も多数いらっしゃいます。そんな信頼や期待を裏切らない医療の提供をめざしています。日々研鑽を重ね、アレルギー治療の舌下免疫療法やアナフィラキシー症状に対応する注射薬の処方など、新しい治療法を導入しています。初めて当院をご利用くださる方からのメッセージアプリやお電話でのご相談にも対応しています。より専門的な治療が必要な場合は適切な医療機関におつなぎしますので、どんなことでもまずはご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とは人間ドック／3000円
