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安部 博昭 院長の独自取材記事

安部医院

(大阪市中央区/本町駅)

最終更新日:2022/01/14

安部博昭院長 安部医院 main

大阪は本町のビジネス街にある「安部医院」。院長の安部博昭先生が、義父である前院長の大橋藏一先生から長年守ってきた「大橋医院」を引き継ぎ、名称も新しく2021年5月に開業したクリニックだ。明るい笑顔と気さくな人柄が魅力的な安部院長は、日本循環器学会循環器専門医として高血圧や狭心症、不整脈など心臓や血管疾患の診療を行うほか、日本内科学会総合内科専門医として、風邪や腹痛、糖尿病など患者の幅広い悩みにも対応している。「街の中のクリニックだからこそ、まずは何でも診る」と話すとおり、専門外の相談を受けることも多いというが、それも院長がつくり出す優しい雰囲気があってこそだろう。今回は、同院の特徴や診療での心がけなど、たっぷりと語ってもらった。

(取材日2021年12月16日)

数多くのアプローチ法を持って、治療に取り組む

都会の中にあるクリニックですね。どのような患者さんがお越しですか?

安部博昭院長 安部医院1

さまざまな患者さんがお越しになられています。年齢層も幅広く、お若い方からご高齢の方まで、男女の比率も男性がやや多いものの、ほとんど半々といった感じです。周辺はビジネス街でもありますので、ビジネスパーソンの患者さんは多いですが、こんな都会の真ん中にあたる場所であっても、長年通っていただいて、かかりつけ医とされている患者さんもたくさんいらっしゃいます。当院は、まずはどういった相談も受けつけて、治療できるものは可能な限り対応し、難しいと判断した場合は迅速に適切な病院やクリニックをご紹介するというスタンスなんです。利便性の高いところにあるクリニックだからこそ、ゲートキーパー的な役割が大事だと思っています。

どのような症状やお悩みの患者さんが多いですか?

風邪、腹痛、下痢、花粉症、喘息、膀胱炎、尿路結石といった内科全般から、糖尿病、高血圧、高脂血症、痛風などの生活習慣病、更年期症状、動悸、不眠症、ストレス症状の診療、インフルエンザや新型コロナウイルスなどのワクチン接種、定期健康診断や雇入時の健康診断など、幅広く対応しており、最近は私が循環器専門医と知って、狭心症、心臓弁膜症などの心臓疾患のご相談にいらっしゃる人も徐々に増えてきています。意外なところでは、水虫や皮膚炎、子宮筋腫、痔核のご相談などをされたこともありました。専門性にとらわれず、総合的に診療することを大事にしています。

安部先生は日本内科学会総合内科専門医の資格をお持ちだそうですね。

安部博昭院長 安部医院2

ええ。最近では総合内科専門医であることはとても意味のあることだと考えています。日本内科学会の考える総合内科専門医とは「地域医療、外来診療にあってはレベルの高い一般・総合内科専門医、病棟においては患者の診断、治療において総合的に判断できるレベルの高いホスピタリストとして、地域医療ネットワーク、病院内の医療チームの要として機能する」と定められています。ですから、数年前に資格も取得しました。また、総合内科専門医だからこそ処方できる薬もあり、その一つが片頭痛の新しい注射薬です。最近では臨床の現場でも使用されていますが、あまり広く知られていないので啓発が必要と考えています。適切な治療を行うには、さまざまな選択肢が必要ですので、今後も患者さんの治療に必要な専門医資格があればまだまだ勉強をして取得するつもりです。医師は一生かけて勉強していくものというのが私の信条なんです。

毎日の診療そのものが、今のやりがい

これまでのご経歴をお聞かせください。

安部博昭院長 安部医院3

関西医科大学を卒業して、神戸大学医学部の第一内科に入局しました。第一内科では循環器内科を専門としていましたが、研修先での3年間は専門以外の胃内視鏡検査や気管支鏡検査などを毎日のように行っていました。大学病院に戻ってからは専門分野に専念する日々で、心臓核医学を用いた臨床研究に従事しました。その後、兵庫県立淡路病院に移り、カテーテル治療の研鑽を積み始めました。当時のカテーテル治療は今よりも危険を伴いましたので始めた頃は苦労も多かったのですが、懸命に取り組んだおかげで3年もたつと腕も上達しました。患者さんが元気になっていく姿を目の当たりにすることで、やりがいを感じ、より技術を磨こうと没頭し、全国の医師に教えを乞いに行きました。赤穂市民病院では循環器科部長を、愛仁会高槻病院では心臓大血管センター副センター長まで勤めましたが、2020年から義父のクリニックを引き継ぐため、当院での勤務を開始しました。

勤務医時代の経験が、今の診療に生かされていると感じるのはどんな時ですか?

一般的にイメージしにくいといわれるカテーテル手術や内視鏡検査も、実際に自分自身で行っていたので、どういったものか把握できているのは大きいですね。治療内容も説明しやすいですし、手術後の状態経過も把握しやすいので、しっかりとした治療サポートが行えます。また、胃内視鏡検査や気管支鏡検査、内視鏡的胆管膵管造影検査などさまざまな診療に携わっていたことで、循環器以外にもいろんな病気のことがわかりますので、さまざまな角度から患者さんにアドバイスができていると思います。

現在は、どういった時にやりがいを感じますか?

安部博昭院長 安部医院4

やっぱり患者さんと直接向き合っている時です。大きな病院で長く勤めると、患者さんを直接拝見する機会が少なくなっていきます。経営マネジメントや後輩への教育も重要な仕事ですが、やはり医師にとってのやりがいは、自分の患者さんのために必要な治療を考えたり、治療に向けて新しいことにチャレンジしたりすることだと思います。今は毎日のようにいろんなことを相談されるので、大きなやりがいを感じています。

患者との会話の中から、治療へのヒントを見つける

患者さんと接する際に、気をつけていることはありますか?

安部博昭院長 安部医院5

いわゆる「3分診療」はしないことです。なぜなら、お話しする中で、治療につながるヒントを見つけられるからです。私はいつも自分でドアを開けて患者さんを待合室へお呼びしに行くのですが、その時から診察は始まっています。例えば座られている姿でお元気そうかも把握できますし、歩く様子からも関節が痛そうであるなどさまざまな情報が得られます。それから「今日は寒いですね」といった時候のあいさつや世間話から始めて、患者さんが話しやすい雰囲気をつくることも大切です。また、皮膚の状態も大切な健康のバロメーターですのでよく観察しています。中には急いでいる方もいますが、必ず一言二言お声がけしています。すると「実は……」などと症状を話し始めてくださるケースも案外多いものです。声かけは本当に大事にしていて、当院に来たついでというか、通院のタイミングで、患者さんのお困り事や病気の前兆を拾い上げることができたらと思っています。

貴院では、漢方での治療も取り入れているそうですね。

はい。きっかけは義父からの勧めでした。実は、当初はあまり信用していなかったのですが、こむら返りや、飲みすぎて二日酔いになりそうなとき、実際に役立つことを目の当たりしてからは目の色を変えて勉強しました(笑)。私が学生の頃には取り上げられていませんでしたが、今の学生教育にある程度漢方が組み込まれているほどポピュラーになっているようです。調剤薬局によっては漢方の取り扱いがないところも多いのですが、当院は院内で処方していますので、そこも安心して来ていただけるポイントです。最近は、費用や薬局に行く手間など患者さんの負担を軽減する意味でも、原点回帰で院内処方をされるクリニックが増えてきているようです。当院もできるだけ続けていきたいと考えています。

最後に、今後のビジョンと読者の方へメッセージをお願いします。

安部博昭院長 安部医院6

当院を継承して半年ほど過ぎ、徐々に患者さんのニーズもわかってきました。今後はエコー検査や血管年齢測定器など検査機器の充実を図ってさらに診療の幅を広げ、総合的な診断を行う「内科診療」、専門性の高い「循環器治療」、そして不定愁訴などの「漢方治療」の3つを柱として、地域の皆さんの健康を支えていきたいと思っています。前院長は本当に親身になって患者さんに寄り添った診療をされる人です。私もその意志を引き継いでいくつもりです。「こんなこと相談していいの?」などと考えずに、いつでも「ちょっと見てくれる?」「相談していい?」と頼ってください。それが街のお医者さんの仕事だと思っています。

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