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樋口 洋子 院長の独自取材記事

樋口医院

(大阪市北区/天神橋筋六丁目駅)

最終更新日:2021/10/12

樋口洋子院長 樋口医院 main

天神橋筋六丁目駅の2番出口から徒歩5分。古い路地や家並みが残る街・長柄にある「樋口医院」は、戦後間もなく地域の診療所としてスタートし、今なお付近の住人から親しまれ続けている街の診療所だ。院長の樋口洋子先生が父からここを受け継いだのは、20年以上も前のこと。もともとあった医院名はそのまま、内科・小児科の看板に自身の出身である泌尿器科を加え、以来、小さな子どもから高齢者まで、さまざまな相談に耳を傾けながら地域医療に力を注いできた。明るい雰囲気が魅力的な樋口院長に、女性の医師として、母親として奮闘した日々のこと、地域との関わりや診療への思いなど、じっくり語ってもらった。

(取材日2017年8月23日/情報更新日2018年10月10日)

70年の歴史は、人とのつながりの歴史

ずいぶん古くからこの街で医療をやっているそうですね。

樋口洋子院長 樋口医院1

もともと祖父が本庄でやっていた医院を伯父が継ぎ、弟である父がここに移って小さな木造の医院を開いたのが1947年で、今年でちょうど70周年になります。そこから私が全面的に引き継いだのが、22年前のことです。私の住まいはすぐ近くにあり、患者さんも古くからの方が多く、皆さん顔なじみで、買い物に行けばしょっちゅう顔を合わせています。父の代からの年配の患者さんが私の幼い頃を知っていて、いまだに「やあ、お嬢ちゃん」なんて声をかけてくれます(笑)。だから必然的に地域のかかりつけ医というか、地域医療というものが当院の柱になっています。

このあたりは子どもが多いようですね。

一時期ほどではありませんが、新しくマンションなどが建ってから、また増えたようですね。父からは医院だけでなく学校医も引き継いでいて、小学校で就学時検診をしていると、生まれてすぐに予防接種をしたことのある、以前からよく知っている子ばかりです。やはり、その子たちのことをわかっているのは大きいですね。たとえ顔色が悪くても、もともとそういう子なんだと知っていれば、貧血などと慌てずに済みますから。それがわかってこそ、学校医だと思っています。その地域の子どもたちの成長を見守ることも医療の一環ですから。この学校医をやっているうちは、引っ越すわけにはいきません。そのうち、「あなた、もう赤ちゃん産んだの?」なんてことになって、その赤ちゃんも、すぐに大きくなっていくわけですね。

地域診療について、院長の考えを教えてください。

樋口洋子院長 樋口医院2

地域の診療所というのは、とにかくなんでも診られることが役目だと考えています。喉に魚の骨が刺さった、目にゴミが入ったといって来てくださる方も実際にいらっしゃいます。ですから、本当の意味での救急というのでしょうか。普通、病院の救急といえば心臓や脳など、専門的な準備をして待ち受けることができますが、診療所の場合はどんな処置を求めて来られるかわかりませんから、瞬時に見定めて判断するという、難易度の高い部分があります。それには普段から皆さんの顔をよく観察して、いつもとは違うことに気づくことが大切なんです。さらには、患者さんの家族関係までよく把握しておくことも重要だと考えています。

結婚や子育ても医療の糧に

院長が医師になった経緯を教えてください。

樋口洋子院長 樋口医院3

父やいとこ、親戚に医師が多かったので、人の命を助ける仕事の魅力を幼い頃から感じていました。なので、医師という仕事は身近な存在でした。しかし、私はどちらかといえば本を読んだりするのが好きで、文化系の大学を受験することも考えました。実際受験もしましたが、周りの影響もあり、兵庫医科大学に入り、医局は泌尿器科を選びました。教授は小児泌尿器が専門で、子どもの泌尿器系の奇形の手術を得意とされていました。その医局がとてもいい雰囲気で、国家試験の勉強に机を貸してもらえたり、小児泌尿器ということで子どもの患者さんをたくさん担当させていただきました。

それからすぐに結婚されたそうですね。

大学卒業と同時に結婚しました。主人は眼科医師で、東大阪市で開業医をやっています。それから子どもを4人出産し、子育てをしながら勤務医の仕事をしていました。子どもは母とシッターさんで面倒を見てもらっていましたが、子育てしながら医大まで通うのが難しく、大阪中央病院へ移り、常勤だったのをパートにしてもらい、それから父の医院を手伝い始めました。そんな中でも子どもたちの学校のPTA役員を務め、そこで子育てをしているお母さん方と親しくできたことは、とてもいい経験になったと思います。

当時の奮闘ぶりが目に浮かぶようですね。

樋口洋子院長 樋口医院4

4人もいると病気やけがはしょっちゅうですから、子どもを抱えて走ったり、私もいろんな経験をしました。だから、今もお子さんを観察していると、だいたいのことはわかりますし、お母さん方の気持ちにも寄り添うことができます。やはり少々大変でしたが結婚して子育てをした経験があったからこそ得られたものだと思っています。

話を聞く、それも医師の大切な役割

医師会での活動を教えてください。

樋口洋子院長 樋口医院5

大阪市大淀医師会の活動に参加しています。大淀というのは旧大淀区の名残りですが、小さなエリアですから何をするにも全員で一丸となり取り組んでいます、北区の健康まつりやレクリエーションなども、全員で仲良く取り組んでいます。やはり地域連携といいますか、病院と診療所、あるいは診療所同士、全員で連携して協力し合うことは必要で、困った症状の患者さんがいれば協力して助けることができます。これは、医師会があるからこそできることなのです。

院長は大阪府女医会の副会長も務めておられますね。

副会長の末席でこんなことを言うとおこがましいかもしれませんが、私は、「女医」と呼ばれることがあまり好きではありません。医療をする上では女性も男性も関係ないと思うんです。「女のお医者さん」という立場で「女性」だからよりわかる医療、女性の特性を生かした医療ができたらいいと思っています。「女のお医者さん」の集まりで女性医師がより活躍できる場をつくっていこうと活動しています。

最後に、診療にあたって大切なことを教えてください。

樋口洋子院長 樋口医院6

やはり病気を治すだけではなく、その方の人生全体を考えることですね。心地良く生活ができて健康寿命が長いことが何よりで、手術をして病気が良くなったとしても、リハビリテーションが続くつらい日々を過ごすより、年齢や状況によっては手術しないほうがいい場合だってあるわけです。そういう方がよく相談に来られ、大きな病院を紹介すると、勧められた治療についてまた相談をしに来られるケースがあります。気軽に何でも聞ける昔ながらの町医者の役割を担えていると感じることができ、とてもうれしいです。それこそ、顔見知りの患者さんが多いので、愚痴を話したり、朝のゴミ出しに行って近所の奥さんとお話ししたり、なんでもありです(笑)。中には私の顔だけ見て帰っていくお年寄りもいらっしゃいますが、とてもうれしいことですね。だから、ちょっと気になることがあれば遠慮なく、どうぞ気軽に相談にいらしてください。

自由診療費用の目安

自由診療とは

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