松永 敦 院長の独自取材記事
大北メディカルクリニック
(大阪市北区/大阪駅)
最終更新日:2026/04/15
大阪駅、梅田駅から徒歩5分という便利な場所にある「大北メディカルクリニック」。耳鼻咽喉科を標榜する同院の院長を務めるのは、大阪大学や東京大学で、音声外科分野のスペシャリストとして研鑽を積んだ松永敦先生だ。専門である喉の治療はもちろんのこと、日常的な風邪の症状から、声帯ポリープやいびきといった専門的な悩みまで、幅広く力を注いでいる。さらに同院では予防医療を重視し、「腸活」のためのアドバイスなど、耳鼻咽喉科領域にとどまらない、体全体の健康を踏まえたアプローチを実践。松永院長に、現在の診療に至った治療哲学から、医療にかける思いまでじっくりと話を聞いた。
(取材日2026年3月24日)
症状の奥にある根を見つめ、健やかな未来を育む
まず、先生のこれまでのご経歴を教えてください。

医師になって37年になります。関西医科大学を卒業後、大阪大学の耳鼻咽喉科で臨床を学び、その後は東京大学の音声言語医学研究施設で喉頭生理学の研究に打ち込みました。再び大阪大学に戻ってからは臨床面で音声機能外科を専門とし、神戸女学院大学で音声学の講師を務めた経験もあります。長い医師人生を通して多くの患者さんを診させていただきましたが、わたしが特に大切にしてきたことは、一人ひとりの患者さんとしっかり向き合い、十分な時間を確保して診察にあたることです。丁寧にお話を聞き、患者さんと深く向き合ってきました。
耳鼻咽喉科ではどの領域を専門に研鑽されてきたのですか?
わたしが特に力を入れてきた専門分野の一つが、声に関わる音声外科分野です。東京大学の音声言語医学研究施設で助手を務め、歌を歌うときの喉頭生理学を研究テーマにしていました。長年にわたり音声医学の臨床と研究に携わり、東京や大阪を中心に、多くの患者さんの手術も手がけてきました。
耳鼻咽喉科が診る範囲は、耳・鼻・喉だけではないと伺いました。

耳鼻咽喉科というと、耳・鼻・喉だけを診る科だと思われがちですが、本来は首から上の、脳と目と歯を除いた部分の内科部門と外科部門を合わせた、とても広い領域です。呼吸器の入り口である鼻、消化器の入り口である口や喉も担当しますから、呼吸器科や消化器科の領域にも深く関わります。さらに、粘膜を専門的に診たり、外部からの侵入に対する体の防御機能を考えたりする面もあります。加えて、顔面の皮膚、神経、五感のうち視覚を除く、触覚・嗅覚・聴覚・味覚も耳鼻咽喉科の領域です。ですから、耳鼻咽喉科を突き詰めようとすると、本当に幅広い知識と技術が必要になるのです。
全身を一つのつながりとして診る統合的視点
ご自身の闘病経験が、現在の診療に大きな影響を与えているそうですね。

はい、35歳のときに自らがんを経験したことが、わたしの医師としての在り方を考える大きな転機となりました。手術に加え、食事や生活習慣を徹底的に見直したところ、自分自身が本来持つ力を高めていくことが、健康な体を取り戻すためにとても大切だと身をもって実感しました。この経験から「自然治癒力を高めるアプローチで、もっと多くの患者さんの力になれるのではないか」と考えるようになり、その思いをかたちにするため、「大北耳鼻咽喉科」から「大北メディカルクリニック」へと名称を変更。耳鼻咽喉科という枠にとらわれない診療体制を整えました。
ご自身の闘病経験からの治療法について、詳しく教えてください。
自分の経験を患者さんにも還元したいと考え、食事や栄養バランスに関するアドバイスを行ってきました。多くの方々の健康をサポートしてきましたが、さらに良い方法を模索する中で、腸内環境の改善をめざす「腸活」にも着目。腸内環境に応じて食事のアドバイスも行います。こうした多角的なアプローチによって患者さんのQOLの向上をサポートしたいと考えています。
どのような症状で来院される患者さんが多いのでしょうか?

風邪や、なぜか止まらない咳など、長引く体調不良で来られる方が多くいらっしゃいます。特にここ数年は感染症の流行があり、以前とは異なる体調の変化や、これまでになく長引く症状にお悩みの方からのご相談が増えていると感じます。感染症についてはさまざまな意見がありますが、わたしは特定の原因だけを考えるのではなく、考えられるあらゆる原因を踏まえながら、丁寧な問診を通して患者さん一人ひとりの状態をしっかりと理解し、治療にあたっています。
幅広い分野に対応されているのですね。
はい。アレルギーや自己免疫に関するご相談はもちろんのこと、突発性難聴に対しては、当院では点滴による治療も選択肢の一つとして提供しています。また、いびき症・睡眠時無呼吸症候群に関しても、レーザー治療やCPAP療法など、患者さんの状態に合わせた治療法を提案しています。
予防医療を重視した先回りの診療
日々の診療において、先生が大切にされているポリシーは何ですか?

患者さんの困っていることに応えるのは医師として当然のことですが、もう一歩先に進んで、患者さんご自身もまだ気づいていない「こうすればもっと健康になれる」ことを提案する、予防医療を重視しています。例えば、診察の中から「このままでは将来、大きな病気につながるかもしれない」というサインを見つけたとします。そのときは、「今の症状とは別に、一度こちらも見ていきましょう」とお声がけをします。おせっかいに聞こえるかもしれません。ですが、こうして患者さんの全体を診ていくと、耳鼻咽喉科領域のアプローチが、婦人科系の不調や頭痛といった、一見関係なさそうな症状の改善につながることもあります。
先生が考える「理想の健康」とは、どのような状態ですか?
わたしの理想は、最終的に薬に頼りすぎることなく、日々の食事で健康を維持できるようになることです。ただ、忙しい現代社会で完璧な食生活を送るのは非常に難しいでしょう。ですから、できるだけ時間的なロスなく、無理なく日々の生活に取り入れられる食事の工夫なども含め、患者さんと一緒に考えています。
今後、オンライン診療を導入されると伺いました。

はい。きっかけは、長年続けてきたSNSでの情報発信があります。以前から写真や動画を投稿するSNSで情報発信をしていたところ、フォロワーが20万人ほどになったんです。それにより、多くの方から病気や体調に関するご相談がメッセージで寄せられるようになったのです。ですが、匿名のやりとりでは、その方のお顔も本名も、これまでの詳しい病歴もわかりません。それでは医師として本当に責任あるアドバイスはできないと考え、保険診療が可能なオンライン診療を導入し、より多くの方々の声に応えたいと考えています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
長引く不調や、思うように改善しない症状に悩んでいる方もいらっしゃるかもしれません。特に、わたしの専門分野である音声外科に関すること、長年取り組んできたアレルギー・自己免疫に関するお悩み、突発性難聴・めまい・耳鳴りでお悩みの方は、一度ご相談いただければと思います。地域の医療におけるハブのような存在として、必要であれば大型病院へご紹介することも可能です。患者さん一人ひとりに対して、指針を提示しながら治療を進めていきますので、お困りの方はぜひお気軽にご来院ください。

