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秋野 一男 院長の独自取材記事

医療法人 あきの整形外科

(大阪市住之江区/北加賀屋駅)

最終更新日:2021/10/12

秋野一男院長 医療法人 あきの整形外科 main

大阪市営地下鉄四つ橋線の北加賀屋駅を南東に約7分。住宅地を通り、商店街を横切った所にある大きな3階建ての「プライム加賀屋」の1階が「あきの整形外科」だ。2年前、リハビリテーションができるデイサービスを併設する医院をつくりたいと、秋野一男院長が構想を立てた移転計画。通院がつらくなった患者にも送迎つきにして体を動かしてほしいと考えたことがきっかけだ。自らもスポーツジムで体を鍛え、常に先進の治療法について仲間と一緒に勉強を重ねている院長。取材時にも、リハビリテーションに来ていた患者やスタッフに気さくに声をかける姿に、地域の人からの信頼の厚さが垣間見える。バイタリティあふれる仕事ぶりを、熱い思いとともに語ってもらった。

(取材日2017年9月12日)

理想の施設を作って、地域の医療に貢献

とても広い、設備の充実したクリニックですね。

秋野一男院長 医療法人 あきの整形外科1

25年前からこの近くに開業していたのですが、2年前にここに移転しました。以前の医院に通っていた方が高齢になって通えなくなってきて、そういう方も通えるリハビリテーション施設を併設したいと考えていた時に、ちょうどこの土地が売りに出されて3階建てのビルを新築しました。それで3階は送迎つきの、トレーニングができるデイサービス施設です。今までなら自分で歩けなくなってしまうと、寝たきりになって家に閉じこもってしまっていた人が、ここへ来られるようになった。2階にはご近所だった内科の先生と、知り合いの耳鼻科の先生に入ってもらいました。自分の理想の形ができたと自負しています。デザインも近くの方が担当していて、その方のお母さんが工事の間、毎日のように心配で見に来ていたくらい地域に密着しています。

長い間、この地域に根差して診療を続けてこられたのですね。

もう、みんな知り合いですよ。25年もいると、地域のほとんどの方が顔見知りになります。最近はこの辺りにも整形外科が増えて患者さんも分散するようになりましたが、開業当時は整形外科のクリニックがとても少なかったんです。それで、朝の4時くらいから行列ができ、警察や近所の方から苦情が来ました。午前2時から人が並び始めたときは、さすがに私も困って、患者さんに「もう少しゆっくり来て」とお願いしましたよ(笑)。毎年、町内会で「大運動会」が開催され、その救護をずっと私が担当していますので、みんながなじみなんです。私も借り物競争とかに駆り出されて楽しんでいますよ。幸い縁があってこういう自分の理想のものを建てられたし、ずっとここで根を下ろしてやっていきたいと思っています。

整形外科の医師になろうと思った理由を教えてください。

秋野一男院長 医療法人 あきの整形外科2

1981年に滋賀医科大学を卒業し、大阪市立大学の整形外科に入局しました。国立大阪病院、大阪市立大学医学部付属病院にそれぞれ2年、あとは開業までずっと十三にある大阪市立十三市民病院で勤めていました。大学の時は脊椎と手の外科を専門にしていましたが、当時は特に専門に特化するわけではなく、すべての分野を診て手術もしていました。もともとは子どもが好きだったし、おばが小児科の医師をしていて、その姿に憧れていたので、私も小児科に進むつもりでした。でも友人に一緒に整形外科に行こうと強く誘われて。将来性もあるしまあいいかなと整形外科に進んだのですが、実際になってみて、今はとても満足しています。

高齢者の「健康寿命」を延ばすために尽力

診療の際に心がけていらっしゃることを教えてください。

秋野一男院長 医療法人 あきの整形外科3

子どもや高齢者に赤ちゃん言葉を使ったりするのは嫌で、すべての患者さんにきちんとした対応をしています。手術が必要な人には手術ができる病院を紹介するし、必要ない人にはしない。例えば骨折なら手術が必要ない場合は「保存治療」で、ギブスで適切な治療をする。リハビリテーションについても、必要ない人にまでリハビリしなさいとは絶対言わない。私は以前から、とにかく痛みを取ってあげたいと思ってペインクリニックを積極的に取り入れてきました。よく紹介されているいわゆる「筋肉ほぐし」や「筋膜リリース」なども昔から治療の一環で行っています。あと最近になって体系立てて言われるようになった神経ブロック注射や、ストレッチ体操もやってきました。するべき検査はきちんとして、正しい判断で当たり前のことを保険の範囲内でするのが最善だと思っています。医師にとって一番大事なことは病気を治してあげることですから。

長年のご経験の中で、変わってきたことは何かありますか?

まず、薬が良くなりました。例えば骨粗しょう症の骨を強くするための薬とか、神経痛の痛みに対する薬とか、いい薬で病気が治療できるようになりました。だから、高齢者の「健康寿命」を延ばすことが私の役割だと感じています。認知症にならずに、自分で動けるように。ロコモティブシンドローム(運動器症候群)にさせない。足腰が動かなければ自分で動けなくなってしまう。動けないと認知症になるリスクも高くなる。脳のトレーニングをするよりも、体を動かすことのほうが、認知症予防になるというのは科学的にも証明されてるんです。患者さんの痛みをなくして、自分で動ける状態にしておいてあげたいという意識が一層強くなりました。

先生ご自身の健康法は何かありますか?

秋野一男院長 医療法人 あきの整形外科4

週3回、スポーツジムでトレーニングをしています。まずエアロバイクが40分、腹筋、ストレッチ、仕上げに500m泳ぎます。午後診療のないときは必ず行ってます。テニスも週2回1時間ずつくらい、ゴルフにも月1~2回友人と行きますよ。カラオケも好きで、持ち歌が100曲くらいあって、同じく100曲持ち歌のある仲の良い先生と、歌いに行くことはよくあります。妻とは旅行に行って、最近は「半島シリーズ」が多くて、津軽半島や能登半島、北海道や九州なども、現地でレンタカーを借りて2日で500kmくらい走るんですよ。医師仲間からも刺激を受けて楽しんでいます。

開業医として、ますます研鑽を積む

他の先生方との勉強会にも熱心に参加されているそうですね。

秋野一男院長 医療法人 あきの整形外科5

大阪市立大学医学部付属病院から開業した整形外科の医師でつくっている「市整会(大阪市大整形外科開業医会)」という会があり、その中で私は理事を務めています。この市整会で、よく勉強会を行っていますよ。開業医だけの会を持っている大学の医局というのはあまりないのですが、とてもアクティブに活動していて、例えば介護のことだとか、テレビで紹介されていた治療は有効かを話し合ったり。講師の先生を呼ぶこともあります。大学病院に勤めていてはわからないことも、開業医としてのプライドを持ってスキルを磨き、常に恥ずかしくない最新の治療をできるように、親しい先生たちと情報を共有しながら勉強を続けています。

開業医としてのやりがいについて、詳しくお聞かせください。

毎日いろんなタイプの患者さんがたくさん来てくださっていますので、タイプに合わせた説明や治療をしていくことが必要だと考えています。毎日運動できる人もいれば、そうでない人もいる。ある将棋の名人が「得意の手があるようでは素人。プロはどんな型でも勝たないといけない」と言ったそうですが、どんな患者さんにも治療のより良い効果を上げてこそ医師だと思っています。大病院の整形外科の医師はまず手術を重要視しますが、手術が必要でないけれども苦しんでいる方はたくさんおられます。開業医は、そういう患者さん一人ひとりに応じた対処方法を見つけ、治してあげること。幾通りもある治療法をどう選択していくかというのが開業医だからこそのやりがいです。

今後の展望や、めざしておられる方向性についてお聞かせください。

秋野一男院長 医療法人 あきの整形外科6

「介護と医療」という日本の抱える課題が大きいですね。2025年問題と言われていますが、団塊の世代が高齢化してきた時に整形外科の医師として何ができるか。せっかくこういう施設を作ったのだから、例えば家族がケアマネジャーに介護について相談するような、地域の高齢化対策の拠点となっていきたいと思っています。私の息子も整形外科医で、今は大阪府済生会千里病院で勤務医をしていますが、将来的には一緒にやっていくつもりで、このクリニックを作っていますからね。立派にし過ぎて赤字ですが(笑)、充実した施設を作ったのだから、立派な医療を提供していきたいと思っています。「地域全体の高齢化問題」というと背負っているものが大きい気もしますが、引退はまだまだ考えずに、ずっと仕事を続けて結果を出していきたいと思ってます。

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