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松田 泰明 院長の独自取材記事

松田耳鼻咽喉科

(大阪市鶴見区/放出駅)

最終更新日:2024/08/26

松田泰明院長 松田耳鼻咽喉科 main

学研都市線放出駅から徒歩1分の「松田耳鼻咽喉科」。この街で生まれ育った松田泰明院長が父のクリニックを引き継いで27年になる。松田院長は患者の治癒力や生命力を引き出すような治療を心がけ、必要以上に薬に頼らない方針で診療を行う。また、子どもが多く通う同院は0歳児から受診が可能。松田院長は「子どもたちには、僕のほうが癒やされているんです」と、にこやかに話してくれた。漢方薬の処方や花粉症の舌下免疫療法にも取り組み、いつも新しい治療法や機材などについて学び続け、アップデートを続ける松田院長に、日々の診療への想いを聞いた。

(取材日2023年4月19日)

花粉症対策として舌下免疫療法を提供

花粉症の治療にも力を入れていらっしゃると伺いました。

松田泰明院長 松田耳鼻咽喉科1

今年はかなり花粉の飛散量が多かったようで、この数年来院されていなかった患者さんも多く来院されていました。ここ数年、薬局で購入できる薬も増えているので、セルフケア対応で済ませる方も少なくないのですが、今年はそれだけでは無理だったとおっしゃる方が多かったですね。当院では、抗ヒスタミン薬を中心とした経口内服薬・点鼻薬・点眼薬、テープ製剤などを中心に処方しています。そのほか、舌下免疫療法の選択も可能です。舌下免疫療法はスギ花粉症とダニアレルギーによる通年性アレルギー性鼻炎にしか使えませんが、今までの投薬治療であまり症状の変化を感じられなかった方は、検討されてみると良いと思います。

舌下免疫療法について、もう少し詳しくお聞かせいただけますか?

舌下免疫療法は、アレルゲン免疫療法の一種で、アレルギーの原因物質(アレルゲン)を少しずつ体内に吸収させることで、アレルギー反応を弱めていくための治療法です。当院では6年前から始めたのですが、3~5年という長いスパンを要する治療で、最近、治療を終えた方が少しずつ増えてきているタイミングです。治療の方法としては、舌の裏側にラムネのような薬を置き、ジワッと溶かす簡単なものですが、少しずつ体を慣れさせていくために、花粉の飛んでいない時期も毎日続けることが必要になります。

継続的に長く取り組む必要があるのですね。

松田泰明院長 松田耳鼻咽喉科2

そうなんです。すぐに結果が出るというよりも、年々少しずつ変化して改善をめざしていく、そんなイメージです。毎日の服薬、毎月の通院が必要になるので、そのあたりに困難を感じる方にはお勧めできません。ですので、どんなメリットとデメリットがあるかということをまずはしっかり説明をして、この治療法を選ぶかどうかの選択は患者さんにお任せしています。やる、やらないはあくまでその方次第です。症状の出るシーズンだけ服用する経口内服薬や点鼻薬などと違って、舌下免疫療法の場合は、副作用のリスクがあるため、花粉症シーズン中には治療を開始できません。治療を開始しようと思っても、始められるのは花粉の飛散が落ち着いた夏以降。ですので、それまでの間にじっくり考えて、治療を開始するかどうか検討していただきたいと思います。

患者の持つ治癒力や生命力を引き出すことに尽力

漢方薬も積極的に処方されていらっしゃるとお聞きしました。

松田泰明院長 松田耳鼻咽喉科3

漢方薬は西洋薬よりも、バリエーションが豊かで、症状のステージに寄り添いながら、こまやかに対応できるのが魅力ですね。漢方薬は一つの薬で複数の症状に作用するものが多いので、処方する薬を少なくすることが図れる点も気に入っているところです。耳鼻咽喉科を受診される患者さんは不定愁訴のある方が少なくないのですが、そういった症状にも西洋医学の薬よりも漢方薬のほうがマッチすることが多いですね。漢方は、長年の経験則をもとに体系化されているので、例えば、雨の日になるとめまいがひどくなるというような訴えの患者さんに対して漢方薬なら対応ができるんですね。日々勉強してアップデートしながら、より患者さんの症状や希望に添うような処方をこれからも心がけていきたいと思っています。

先生が治療の際に大切にされていることを教えてください。

患者さんの治癒力や生命力を引き出して、治癒に導くというのが理想です。患者さんの状態を無理やり変えてしまおうとしない、ということですね。診療方針で「体と心に優しい診療」と掲げているのはそういうことなのです。また、処方する薬は必要最低限と考えています。例えば風邪はほとんどがウイルス性で、本当に軽い症状だったら「薬はなくてもいいけど、どうしますか?」と僕は言います。薬については授乳中の人からよく相談を受けますが、さまざまな研究データが出ていて、授乳中でも使える薬はあります。妊娠中の方には、「大丈夫だと思うけど産婦人科の先生と相談してみて」と言うこともあります。妊産婦さんの中には薬は絶対に駄目だと思って我慢している人が結構いるようなので、不安や疑問があったら、まずは相談してほしいですね。

お子さんの来院が多いと伺いました。

松田泰明院長 松田耳鼻咽喉科4

患者さんの層は0歳からお年寄りまでと幅広いですが、子どもの割合は高いと思います。正直にお話しすると、僕はもともとは子どもの診療が苦手だったんです(笑)。ですが、自分に子どもができて、ミルクを飲ませたり、おむつ替えをしたりするうちにどんどんかわいくなってくるということを経験して接し方も変わりましたね。子どもは褒められると喜びますよね。でも、「よく頑張っているね」と子どもを褒めると、親御さんも喜ぶんです。すると親が喜ぶのを見て子どもが喜ぶ。そういうことが次第にわかってくるようになりました。

すべては患者とより良い治療のために

ここ数年で感じていらっしゃる変化などはありますか?

松田泰明院長 松田耳鼻咽喉科5

今は、インターネット上にたくさん情報があって、患者さん自身もあふれる情報の中で不安や疑問を逆に深めてしまっている部分があるように思います。思い込みの中で悩みを深めずに、まずは気軽に来院して相談していただきたいと思っています。こちらがこの治療がいいと思っても、患者さんが納得されるかどうかはまた別なので、患者さんの本音を知りたいという思いもありますね。医師には本音をなかなか言いづらいという患者さんもおられると思うので、もし僕に話しにくい場合はスタッフに話してもらえたらうれしいです。

医師会の副会長などもされていらっしゃると伺いました。

大阪府耳鼻咽喉科医会で副会長をしており、講演なども行っています。勉強会などを通して知り合いになった先生方の中には、電話一本で連携できる関係の方も。専門外のことを聞かれたときに紹介できたり、薬の飲み合わせで副作用が出る可能性がある場合に確認できたりするのでありがたいですね。また、大阪府耳鼻咽喉科医会には開業医だけでなく病院の先生も参加しています。同じ耳鼻科でも僕らのような診療所でできることは限られていますから、手術・入院が必要な場合は病院に紹介することも。そういった際に、人脈が役立ち病診連携を取ることができるのが強みです。先生によって得意な手術がありますので、患者さんの病気によって紹介先も変えるなど、幅広い選択肢があることはとてもありがたいです。

読者へのメッセージをお願いします。

松田泰明院長 松田耳鼻咽喉科6

来院くださる患者さんのためになるように、日々幅広く情報収集に努めています。医師の仕事というのは、毎日がテスト問題を解くようなものだと思うんです。患者さんの症状や背景にあるものは、みんな一人ひとりまったく違うので、同じ症例というのはないんですよね。医師にとって患者さんの診療は、毎回違うテストを受けている感じです。テストを解くには勉強が必要じゃないですか。ツールや知識、技術などあらゆる面でアップデートしていかないと最適解を出すことはできないので、日々勉強、これからも勉強です。皆さんのお役に立てるよう、今後も研鑽を積んでまいりますので、何かお困り事があったら、気軽に相談に来てほしいですね。

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