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川上 剛 院長の独自取材記事

川上医院

(大阪市鶴見区/徳庵駅)

最終更新日:2019/11/13

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JR東西線・学研都市線・徳庵駅から徒歩10分ほどのところにある「川上医院」。大阪市鶴見区で明治時代に開院し、地域の「かかりつけ医」としてその歴史とともに地元住民からの信頼が厚い。広めの待合室の掲示板には「骨粗しょう症」予防を呼びかける手書きイラストが描かれている。また、ブログも開設し、薬の飲み方の工夫、花粉症、風呂の温度といった日々の健康に有用な記事も患者に発信したいと随時更新している。「来院のハードルを下げたい」という5代目院長の川上剛先生に話を聞いた。
(取材日2017年4月26日)

地元からの信頼が厚い歴史ある医院

こちらはとても歴史ある医院と伺ったのですが。

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当院は、1873年に開院しました。初代から数えて私で5代目になります。私の高祖父は、緒方洪庵が開設した蘭学の私塾で学んだそうです。通いの学生だったので名前が残っていないのですが、明治時代に地域密着型の医院を始めた先駆け的存在だそうです。そばに寝屋川が流れていますが、昔は天王寺から船で通院していた話も聞いています。患者さんの中には「ひいおじいさんの頃から川上医院にお世話になっていた」という人もいるくらいです。父の川上晉から院長を2016年9月より引き継いでいます。

小さい頃から将来は医師になろうと思われていましたか?

生まれながらに自宅が医院だったので、小さい頃から何となく「自分も将来は医師になって後を継ぐんだろう」とは思っていました。中学生までは勉強もできたのですが、高校生の頃に反抗期になって一時、成績が落ちました。でも、少し人生の寄り道をしたとき「人助けをする職業は何か」と考えてもう一度頑張ってみようと目が覚めました。一念発起して埼玉医科大学に進学。6年以上関東にいたので地元が恋しくなり、卒業後、関西に戻りました。関西医科大学附属滝井病院(現・関西医科大学総合医療センター)で研修医を2年間勤め、その後、奈良社会保険病院(現・大和郡山病院)で1年、洛西ニュータウン病院で勤務医を5年間勤務。その後実家の川上医院に戻りました。

先生のご専門について教えてください。

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父と同じく消化器内科です。大学では総合的に内科全般を勉強しましたが、その中で胃カメラに興味を持ちました。もともとカメラが好きで、昔は銀塩の一眼レフカメラを持っていました。祖父がカメラ好きだった影響ですね。自分は研究職よりも人とふれあうことのほうが好きだったので、実践的にカメラを通して体の内部を診ていくことに面白さを感じました。一番多い時期は、数多くの胃カメラ検査をやっていました。これだけやっていると経験値で、どの方法が患者さんにとって苦しいのか、年代別による反応などがわかってくるんですね。だから、胃カメラでも口から入れるのか鼻から入れるのか、麻酔をするのかしないのか、長所も短所も全部説明した上で、どの方法で胃カメラを実施するかを患者さんに尋ねるようにしています。

見えない病気や患者のニーズを読み取るのも医師の役割

患者さんを診察するにあたって心がけていることは何でしょうか?

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例えば、患者さんが「おなかが痛い」と言うので胃カメラで診察してみても「何もありませんよ」と帰されることがありますよね。僕もはじめは「痛いのであれば病気でないとおかしい」と思っていたのですが、患者さんのニーズを読み取ることが大事だと気づいたんです。胃カメラはあくまで過程であって、患者さんが何を言いたいのかを読み取るのが内科のドクターの仕事だと思います。胃カメラで胃がんや胃潰瘍が見つかったら治療法は決まっています。でも、そんなに悪くないのに「こんなに痛いのに何で病気じゃないんですか」と怒る患者さんもいる。痛みと病気は比例するわけではありません。「病は気から」という言葉があるように、メンタル的なことが原因で胃の動きなど機能性が悪くなっていることもあるんです。病気以外のメンタルが原因で身体のバランスが悪くなっている人にどういったアプローチをしてあげたらよいかを考えています。

患者さんに対して具体的にどのようなことを実践されていますか?

ストレスや睡眠不足が原因で胃の調子が悪いけれど、検査では特に問題がないという人に対して、何かしてあげられないかと思っていた時に漢方薬と出会いました。漢方薬の中にはストレスや胃の過緊張を和らげる成分が入っているものもあり、ほかにも冷えや便秘に適したものが多くあります。一口に「胃が痛い」と言ってもいろいろありますよね。「胃の痛みだからこの薬を処方」と、症状だけを見て処方するのではなく、その人の体型や体質に合った漢方薬を処方しています。患者さんの悩みでいうと「市販薬は効きすぎておなかが痛い」という人もいますが、西洋薬と漢方薬の良いところをうまく併用することで、これまで難渋していた治療がうまく進んだというケースもありますよ。

患者さんのエピソードで印象に残っていることはありますか?

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ある時「おなかの調子が悪い」と来た患者さんがいたのですが、何か嫌な予感がして心電図を撮ったら心筋梗塞だったことがありました。おなかが痛いのではなく、胸が痛かったわけです。自分は消化器内科の医師である前に内科の医師でもあるのだから、部分的に診るのではなく、体全体のことを考えなければいけないと思うんです。人間、老いには逆らえませんから、年齢に応じてある程度このような病気が考えられるという予想はつきます。その中でも多かったのが、症状がない骨粗しょう症ですね。「私は大丈夫」と年齢の割に自分の体力に対する過信があり、自転車で転んで骨折したりします。だから疑わしい人は「一度診察に来てください」と呼びかけるポスターを貼っています。スタッフとイラストも工夫して本屋にある手書きのポップのようなものにすれば、目に留まるかと思って作っています。

検査の充実のほか、食事指導にまで対応

生活習慣病への食事指導についても工夫されているようですね。

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「一日の塩分摂取量を6g」などと言っても「どうやって計るの?」と思いませんか? それよりは「具体的にこういう食生活にしたほうがいいですよ」と説明してあげるほうが患者さんに伝わりますよね。当院では、食事指導のリーフレットを渡しています。戦前に比べて糖尿病や高血圧、高脂血症が増えたことを考えても、食事の欧米化による影響は明白です。パン、ラーメン、パスタなどは意外に油分が多いです。白米をベースとし煮炊き物や野菜たくさんのお味噌汁といった粗食を推奨しています。日本人である以上、やはり昔ながらの和食が体に良いです。

全身を測定できる骨密度測定装置を導入されているそうですね。

以前にも簡易な検査機器はあったのですが、新たに導入したものは全身用エックス線骨密度測定装置で、大規模病院レベルで導入されるくらいの大きさになります。検査時間も約3~5分以内で行うことができ、骨折しやすい部位をより正確に測定することができます。骨粗しょう症は自覚症状を感じにくく、重症骨折をして初めて診断されることも多いため、検査を受けて早期に診断することが大切です。女性ホルモンが減少してくる50歳以上の女性、男性でしたら60歳以上の方は検査を受けることをお勧めします。

今後の展望について教えてください。

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まずは相談しやすい医師になることです。患者さんがざっくばらんに喋りやすい環境をつくりたいと思います。自分ができないことでもサヨナラでなく、大学病院や中核病院を紹介することも開業医の役割だと思います。あとは、関西医科大学出身の開業医の知人もいますので、「この症状であればこの先生に」と的確に判断していきたいです。それから、人手は限られるのですが、当院は立地が悪いので、診療時間内で送迎車を出すなど臨機応変に対応しています。曽祖父の代から来ている患者さんでは、3駅くらい向こうから来ている人もいて、体調が悪いのに自転車で30分かけて来ると危ないですよね。実際に「胸が痛い」となったら、たとえ近所でも徒歩で来院が困難なこともあると思うのです。地域密着型の医院として、患者さんのニーズに応えられるよう、幅広く対応していきたいと思います。

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