平井 崇 理事長の独自取材記事
ひらい医院
(大阪市西成区/西天下茶屋駅)
最終更新日:2025/12/24
西天下茶屋駅から徒歩3分、線路近くの柳通に面する「ひらい医院」。1978年に先代が開業し、2007年に現在地へ移転した歴史ある医院だ。平井崇院長は近畿大学医学部卒業後、大学病院で研鑽を積んだ消化器内科の医師だ。「患者さんを最後まで診られる環境に身を置きたい」との思いから開業医の道を選んだ。小学校6年まで西成区に住んでいたため、この地域への愛着も深い。「患者さんと真剣に向き合うこと」を最も大切にし、一人ひとりに丁寧に向き合って診療を行う。その丁寧さは、診療時間が長いとスタッフから指摘されるほど。一般内科・消化器内科の検査・治療に幅広く対応するとともに、不定愁訴などの悩みにも30年の漢方処方経験を生かして対応する。地域に根差し2世代で通院する家族も多い同院で、平井院長の診療への思いを聞いた。
(取材日2025年12月9日)
父子2代にわたり患者と真剣に向き合うかかりつけ医
まずは、ひらい医院の歴史と継承の経緯についてお聞かせください。

当院は1978年に、婦人科医だった父が内科・小児科として開業したのが始まりです。その後、私は1994年から診療に携わり、2007年に現在の西天下茶屋駅近くの場所に移転して院長に就任しました。実は私も小学校6年生まで西成区に住んでいたので、この地域への愛着があるんですよ。下町の風情が残り、気さくな人が多い街ですよね。道に迷った方が地元の方に当院の場所を尋ねたところ、「商店街を抜けて線路を渡ったらすぐですよ」と即答されたそうで、そんなエピソードからも地域にしっかりと根差している医院なのだなあと改めて実感しています。
先生が医師、特に消化器内科医を志されたきっかけは何でしたか?
中学生の時に、私をとてもかわいがってくれていた身内が膵臓の病気で入院したことがきっかけです。よくお見舞いに行っており、「消化器の病気をちゃんと治療したいな」と思うようになり医師を志しました。そして近畿大学医学部を卒業後、大学病院の第二内科に入局しましたが、大学病院では、どうしても患者さんを最後までフォローするのは難しいものでして。やがて、患者さんを最後までちゃんと診たいという思いが強くなっていき、開業医の道を選んだのです。父の姿を見ていたことももちろんありますが、継続的に患者さんと向き合える場所で診療がしたいという医師を志したきっかけが私の背中を押してくれました。
消化器内科がご専門と伺いましたが、どのような診療をされていますか?

内科一般の中で消化器も診るという総合的な診療スタイルです。大学病院の第二内科では消化器だけでなく糖尿病や内分泌・代謝についても学びましたので、これらの分野はすべてしっかり診ることができます。患者層はご高齢の方が中心で、生活習慣病の管理が多いですね。30〜60代の健診で引っかかった方の精査などにも幅広く対応しています。また、風邪やインフルエンザの初期症状である発熱、咳、くしゃみ、喉の痛みなどの呼吸器系の不調を訴える患者さんも診ています。それに特徴的なのは、現在の40〜50代の患者さんの多くがご高齢の患者さんの息子さん、娘さんで、つまり2代にわたって通院されている点ですね。1978年の開業から地域に根づいて、家族ぐるみで診させていただいてきているのはうれしいですね。
幅広い症状に親身に対応し、疾患の早期発見につなげる
疾患の早期発見に尽力されていると伺いました。

身内の膵臓の病気のことがあったので、早期発見は特に意識しています。まず検査を長く受けていない方には積極的に勧めますし、血液検査のデータで少しでも怪しいなと思ったらすぐに精密検査を受けていただくようご提案しています。エコー検査では主訴の部位だけでなく、他の臓器も含めて総合的に診ていきます。胃の症状で来た患者さんの触診で下腹部に違和感を覚え、エコーで確認したところ子宮に疾患が見つかるということも経験上あり得ます。本当は胃ではなく心臓に問題があることも。そのため、決めつけることなく幅広い可能性を視野に入れる意識を常に持って検査にあたっています。
多様な症状に対応されているそうですが、どのような患者さんが来られますか?
一時は「ここは心療内科ではないですか?」と言われたこともあるぐらい、不定愁訴の患者さんも多いんです。例えば「なんだかつらい……」と訴えている場合は、「どんな時につらくなるの?」「いつからつらいの?」「何かきっかけはあった?」と親身になってお話を伺うようにしています。まず血液検査をして、異常がなければストレスなど精神的要因を考慮し、漢方薬などで対応します。実は父が婦人科医で東洋医学に取り組んでいたこともあり、私も当院で診療を始めて以来、30年の漢方処方経験があります。西洋医学だけでなく東洋医学的アプローチも可能なので、さまざまな悩みに対応できるんです。
診療で最も大切にされていることは何でしょうか?

何より、患者さんと真剣に向き合うことですね。繰り返しになりますが、患者さんの訴えをちゃんと親身になって聞くのが私の診療スタイルです。実は、スタッフから「一人あたりの診療時間が長い」と言われることもあるんですよ。診察では症状だけでなく、いつから症状があるか、食生活はどうかなど生活背景も含めて総合的に診ていきます。長年の経験から、患者さんの話を聞いていると普段の生活がバーッと見えてくるのです。丁寧すぎるのかもしれませんが、一人ひとりの患者さんと真剣に向き合うことが、私の診療の原点です。
不定愁訴などの悩みも一緒に解決していきたい
スタッフの皆さんや検査環境について伺えますか?

2007年の移転時から常勤職員が変わらない、本当に信頼できるスタッフです。「全部助けてもらっている」というのが正直な気持ちですね。受付でも患者さんといろいろ話してコミュニケーションを取ってくれるので、とても助かっています。スタッフ全員、コミュニケーション能力が高く、私の長い診療時間をサポートしてくれています。設備面も充実していて、エックス線検査、エコー検査、胃の内視鏡検査、動脈硬化検査、骨密度測定など、総合的な検査ができる環境を整えています。医院のホームページもリニューアルしてコラムも充実させ、患者さんへの情報提供にも力を入れています。
今後の展望についてお聞かせください。
「なんの欲もないんです」というのが本音です。新しく何かをやりたいというより、今の状況をもっと充実させていけたらいいなと思っています。特にご高齢の患者さん一人ひとりにどのような治療計画を立ててあげることがその方にとって一番いいかということは今後も考え抜いていかなればなと思っています。将来的に当院に通うのが難しくなった方には往診を提供することも考えています。また病診連携では、大阪公立大学附属病院や南大阪病院など、診診連携では循環器内科や皮膚科、泌尿器科、婦人科など、それぞれの専門の先生方と連携しています。今後もそれぞれに違った悩みを持つ患者さんにとって当院でできる最適な医療を提供し続けていきたいと考えています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

どんな些細なことでもいいので、悩み事や気になることがあったら、気軽に相談に来てください。不定愁訴と言われるような不調に対しても、検査を行い漢方薬などで対応できます。当院では、患者さんご自身の健康状態を確認するために定期的な受診を通じて、病気の早期発見や適切な治療を受けられるようにアドバイスします。また、各専門の先生に診てもらったほうが良い分野については、適切な医療機関に紹介する役割も担っていますので、まずはご相談いただければと思います。私たちは患者さんと真剣に向き合う姿勢を最も大切にしています。一緒に悩み事の解決策を見つけていきましょう。これからも地域に深く根差し、皆さんの健康に貢献することができれば幸いです。

