孫 徳弘 理事長、孫 弘樹 先生の独自取材記事
医療法人 青洲会診療所
(大阪市東住吉区/東部市場前駅)
最終更新日:2026/08/25
大和路線、東部市場前駅から徒歩5分ほど。地域密着型の診療所として40年以上、整形外科を中心に、内科、皮膚科、歯科まで、幅広く患者の健康をサポートし続ける「医療法人 青洲会診療所」がある。同じ建物内に特別養護老人ホーム「あっとほうむ」があり、同施設と連携を図りながら、医療と介護が一体となったサービスを提供していることが大きな特徴だ。今回、話を聞いたのは、豊富な整形外科手術の実績をもつ、理事長兼院長の孫徳弘(そん・なるひろ)先生と、理事長の弟で歯科麻酔の専門知識を持つ孫弘樹先生。医科と歯科の両面からサポートするメリットや、医療と介護の連携について、多岐にわたり語ってもらった。
(取材日2017年7月24日)
医科と歯科の両面から健康をサポート
「医療法人 青洲会診療所」は、どのような診療所ですか?

【徳弘理事長】 1977年に父が開業し、整形外科を中心に内科、皮膚科、放射線科に及ぶ幅広い診療科目で、地域に根づいた医療を提供してきました。開業した当初は小さな診療所でしたが、患者さんのニーズに合わせてより良い医療の提供をめざすうちに、19床の入院施設を備える中規模の診療所にまで発展し、その後、社会の高齢化が進む中で、自宅で適切な介護を受けることが難しい人のために、1993年に特別養護老人ホーム「あっとほうむ」を併設するに至りました。名誉院長である父とともに働くため、1999年からこちらで勤務を始め、私が理事長に就任したのは2010年です。その翌年には、歯科医師である弟が加わり、医科と歯科の両面から患者さんの健康をサポートしています。
診療所の特徴をお聞かせください。
【徳弘理事長】 医療と介護の一体化が、大きな特徴です。短期入所生活介護(ショートステイ)、通所介護(デイサービス)、訪問介護サービスも行い、総勢約70人のスタッフが一丸となって、地域の高齢者の生活を支えています。外来診療のメインは整形外科で、変形性腰椎症や変形性関節症を患うお年寄りから、交通事故やスポーツで骨折した若い人まで、幅広い年齢層の患者さんが来られます。当診療所には、理学療法士が7人在籍しており、物理療法機器に頼るのではなく、患者さん一人ひとりに適したプログラムで歩行訓練やストレッチを行い、運動機能の維持・改善をめざします。地域密着型の整形外科診療で、ここまでリハビリテーションに重点を置いているところは少なく、近隣の老人ホームや医療施設を利用されている方が来られることも多いです。
歯科が開設された経緯を教えてください。

【弘樹先生】歯科はさまざまな科に細分化されており、中でも私の専攻は歯科麻酔という特殊な科で、主に障害のある患者さんの歯科治療を行ってきました。治療にあたっては、全身麻酔や心電図の設備が必要となるのですが、父や兄が手術を行っているこの診療所であれば設備が整っており、万が一の緊急時には、フォローアップも可能です。診療所の中に歯科を併設したことで、私がやりたかった歯科治療が実現できるようになりました。老人ホームの入居者や高齢の入院患者さんは、歯科治療が後回しになってしまうことが多いのですが、当診療所で歯科の診療もしていることで、口腔ケアや嚥下訓練にも手が届くようになりました。
手術実績が豊富でリハビリテーションに特化
整形外科の治療は、手術にも対応しているそうですが。

【徳弘理事長】勤務医の頃、数多くの手術を手がけた実績を生かし、膝や腰を中心に人工関節手術や、お年寄りに多い大腿骨頸部骨折(太腿の骨折)と多岐にわたって手術を行っています。現在の診療で多いのは、変形性関節症による人工関節置換手術です。初期段階は関節注射による保存療法が中心ですが、進行すると痛みが強くなり、日常生活の動作が難しくなってくるため、変形した関節を人工関節に置き換える手術が主流になります。手術は自分の技術の成果を直接実感できる、医師としてやりがいを感じられる仕事なので、今後も技術更新をしていきながら、より良い手術をしていきたいと思います。
歯科では、どんな診療を行っているのでしょうか?
【弘樹先生】知的障害や運動機能の障害があって、通常の歯科に通うことが難しい成人・小児の歯科治療を行っています。治療方針は一般の歯科とほとんど変わりませんが、できるだけ不安やストレスを与えないよう、治療に対するモチベーションを高めていきながら、無理のないよう治療を進めていきます。人間は自分が何をされるのかわからない状態が一番怖くて、そこに痛みが伴うとさらに恐怖心が増します。子どもの頃に受けた歯科治療がトラウマになって、治療したくても怖くて通院できず、悪くなった歯を放置している人は実際に多くて、実は私が歯科麻酔に進んだのも、私自身が歯科恐怖症だったからなんです。当診療所では歯科恐怖症への対応として、薬を使った精神鎮静法や全身麻酔下での歯科治療を行うことで、リラックスした状態で治療を受けていただけるよう工夫しています。
理事長がご両親から受けた影響は? 弟である弘樹先生はどんな存在ですか?

【徳弘理事長】 医師に憧れたのは父の影響ですが、夢で終わらせずに医師をめざせたのは、母のおかげです。父がどんなに素晴らしい仕事をしているのか、どれほど地域の患者さんに慕われているのか、母がこんこんと話して聞かせてくれ、それで自分も父のような医師になりたいと思うようになりました。弟は、中学時代はバスケットボール部のキャプテンをやり、空手や柔道などの武道を経験して、今もケアマネジャーの資格を取ったり、救急蘇生法の勉強会に参加するなど、いろんなことにチャレンジするタイプです。最近は筋力トレーニングに夢中で、診療所内でよく腕立て伏せをしていますが(笑)。弟は友達が多く、歯科を併設した時もたくさんの後輩が手伝いに駆けつけて、うらやましいと思いましたね。
医療と介護の連携を深め、誠心誠意で患者に接する
理事長はどんなお兄さんでしたか?

【弘樹先生】1歳違いの兄弟ですが、子どもの頃から勉強もスポーツも優秀だった兄は、学校の先生から気に入られていて、「その弟」というポジションで、私はいろんな面で得をしてきました。先日も知り合いに、兄の手術について褒められて、鼻が高かったです。昔から兄にはお世話になってばかりで、筋トレのし過ぎで腰を痛めた時も、すぐに兄に診てもらいました(笑)。
医療と介護が一体型であるメリットはなんですか?
【徳弘理事長】医療と介護が別の施設で行われる場合、顔が見えない状況で紙だけのやり取りになってしまい、情報共有がうまくいかないことも多いです。その点、同じ建物内であれば連携もしやすく、患者さん一人ひとりへの手厚い健康管理につなげることや、緊急時の対応もスムーズです。何かあった時にすぐに医師が駆けつけてくれることは、大きな安心感につながるのではないでしょうか。
【弘樹先生】「あっとほうむ」ができた当時は、診療所と特別養護老人ホームが併設したスタイルは、どこにもありませんでした。20年以上前にそういった施設を作った父は先見の明があったと思います。財政難の理由から、老人ホームは増やせなくなってきていますが、医療を伴う介護施設をさらに充実させ、地域の患者さんのニーズに応えていきたいですね。
今後の展望をお聞かせください。

【弘樹先生】今まで作った入れ歯はなかなか合わなかったけど、「ここで作ったのは大丈夫、使える」と喜んでいただければうれしいですよね。障害のある人、歯科治療恐怖症の人、認知症の人、どんな人でも、どんな条件であっても、最高の歯科治療を提供していくことが私の理念です。「ここなら何とかしてくれる」。そんな、信頼される存在をめざしていきたいですね。
【徳弘理事長】患者さんに喜んでいただける医療の提供をめざせているのは、明るく親切な看護師や事務員、熱心で患者さん思いの理学療法士、心から頼れる弟がいてくれるおかげです。私は的確な診断をして、適切なケアをして、患者さんに良くなってもらうことに努める。いいスタッフに恵まれていることが、当診療所の最も誇れるところです。老若男女問わず、すべての患者さんに満足してもらえるよう、これからも誠心誠意で患者さんに接していきたいと思います。

