ニキビと違い自然治癒はしない粉瘤
手術が難しくなる前に相談を
慶元クリニック
(大阪市東住吉区/鶴ケ丘駅)
最終更新日:2025/12/29
- 保険診療
皮膚の下のできものの中で最も数が多いといわれる粉瘤。原因は不明で、年齢を問わず全身のどこにでもできる可能性がある。最初は痛みや腫れもないので、背中など自分の目が届かない所にできた場合、人に指摘されて初めて気づく人も多いそう。押すと中から垢や皮脂などの老廃物が出てきたりもする良性の腫瘍だが、自然治癒することはなく、根治をめざすには手術が必要になることも。「慶元クリニック」の慶元正洋院長は、「表面に開いた小さな穴から菌が侵入して、炎症が起こると悪化しやすいです。そうなると手術の難易度が上がり、手術痕も大きくなってしまいます」と警鐘を鳴らす。そこで、粉瘤の詳細、できた際の注意点、「くりぬき法」という処置術、術後に気をつけるべきことなどを教えてもらった。
(取材日2025年9月18日)
目次
悪化すれば手術が必要な粉瘤。手術痕も小さく済むよう「くりぬき法」の日帰り処置術にも対応
- Q粉瘤とは何ですか?
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A
▲自然治癒することはなく、場合によっては手術が必要なこともある
「表皮嚢胞」とよばれる良性のできもので、全身のどこの皮膚にも発症します。皮膚の下に袋状の構造物ができて、その袋の中に脱落した角質や皮脂などがたまって徐々に大きくなります。多くの場合、皮膚が盛り上がったやわらかい「しこり」として認識されます。しこりの中央に開口部があるのが特徴で、強く圧迫すると開口部より不快な臭いのする老廃物が排出されることがあります。内部の角質が増えるにつれて少しずつ大きくなり、数cm以上になることもあります。症状や外見が似た病気には脂肪腫、ニキビ、石灰化上皮腫などがあります。
- Q粉瘤の原因や、できた時の注意点について教えてください。
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A
▲症状の悪化を防ぐためにも、自己判断せず受診することが大切
粉瘤の原因はわかっていないのが現状です。ただ大きくなった場合、老廃物を無理やり絞り出す行為は、感染症を引き起こす恐れがあるため望ましくありません。粉瘤はその進行度合には個人差があり、何十年たってもほぼ変わらない場合や、大きくなってもまったく炎症を起こさないこともあります。そのため「しこり」に気づいてから10~20年近くたって、初めて受診される患者さんも少なくありません。
- Q診療の流れについても教えてください。
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A
▲切開法やくりぬき法など、患者に適切な処置を行う
炎症を起こしていない粉瘤の場合、外科的処置で粉瘤を袋ごと取り除きます。具体的には局所麻酔の注射をして切開し、粉瘤の袋と内容物を取り出して縫合します。その際、粉瘤の袋を破らずに全摘することによって再発が起こらないようにするのが原則です。一方で感染した粉瘤の場合は、粉瘤の内部や周囲で膿がたまった状態なので局所麻酔の注射をして皮膚を一部切開し、たまった膿を洗い流します。その後、炎症を鎮めるための処置を1週間ほど続け、残った腫瘍の状況に応じて手術や追加の治療を行います。
- Q「くりぬき法」とはどのような方法ですか?
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A
▲傷口が目立たない方法もあり、見た目にも配慮
皮膚生検用の医療器具で、粉瘤の開口部ごと皮膚を丸くくりぬきます。そこから粉瘤の中身と袋を引き出して取り除く方法です。 メスで大きく切開する切開法とは異なり、傷を最小限に抑えられるのが最大の特徴です。一方で大きなサイズや炎症後で癒着の強い粉瘤には適応になりません。さらに切開法よりも再発率が高いとされているため、その適応には慎重な判断が必要です。
- Q術後の過ごし方を教えてください。
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A
▲「お気軽にご相談ください」と話す慶元院長
ガーゼ・絆創膏は必要に応じてドラッグストアなどで購入していただき、翌日などから適宜ご自分で張り替えてください。シャワーは手術当日から浴びても問題ありませんが、入浴に関しては出血のリスクを考慮して控えてください。翌日以降はシャワー浴にて石けんで傷を洗っていただきますが、清潔さの観点から術後数日間はシャワー浴のみでお願いをしております。浴槽での入浴は約5日後を目安として可能になります。

