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慶元 正洋 院長の独自取材記事

慶元クリニック

(大阪市東住吉区/鶴ケ丘駅)

最終更新日:2024/10/22

慶元正洋院長 慶元クリニック main

鶴ケ丘駅から徒歩2分と交通至便な立地にある「慶元クリニック」。1994年開業の医院を理事長・名誉院長である慶元光男先生から、息子である慶元正洋先生が昨年継承。現在は光男理事長が金曜日を、正洋院長がそれ以外の曜日の診療を担当する。正洋院長は大学卒業後、大阪府内の大学病院や総合病院の外科、消化器科、救急科で研鑽を積み、日本外科学会外科専門医、日本救急医学会救急科専門医の資格も取得。「どんな患者さんも断らず、すぐに対応する」をモットーに診療にあたる。今回は正洋院長に、医師をめざしたきっかけや継承にあたり重視していること、診療にかける思いなどを聞いた。

(取材日2024年6月13日)

地域医療に携わることを念頭に置いた幅広い診療経験

医師をめざしたきっかけや継承までの経緯を教えてください。

慶元正洋院長 慶元クリニック1

父が外科の医師で、私が10歳の時に当院を開業しました。開業後は非常に忙しく、朝早く家を出て深夜に帰る生活を送る父の姿を見て「手伝いたい!」と思ったのが、医師をめざしたきっかけです。大学卒業後に現在の大阪公立大学医学部附属病院で2年間の研修を受けた後、当院近くの東住吉森本病院の外科に入職し、研鑽を積みました。いずれは当院で地域医療に貢献したいと考えていたため、内科疾患にも対応できる知識を身につけようと関西電力病院の消化器・肝胆膵内科に転職。そこで消化器疾患の診療経験を積み、胃内視鏡や大腸内視鏡の検査技術を学びました。その後再び東住吉森本病院に移り、救急・総合診療センターで3年間救命救急に携わり、勤務医としての最後の診療経験を重ねました。日本救急医学会救急科専門医の資格を取得した後、当院に戻り、昨年4月に院長を継承しました。

なぜ救急科診療に携わられることにしたのですか?

これも将来、当院に戻り地域医療に携わることを考えたからです。地域医療の患者さんに多い慢性疾患は定期的な受診が基本で、病状の変化がないことがほとんど。しかし、それでも絶対に見落としてはいけない瞬間があります。その瞬間に気づいて、適切なタイミングで地域の病院に紹介することが地域医療の大事な役割です。その瞬間を見逃さない嗅覚を養うには救急科診療が最適だと考えました。実は病院の外科や内科だと、先に地域のクリニックがその瞬間を捉えて病院に紹介してくれるので、なかなか嗅覚を磨く機会がないんですよ。特に3年間を過ごした東住吉森本病院は多くの救急車を受け入れていたため、たくさんの経験を積めました。その上、昔からあってこの地域に密着している病院なので地域性を学ぶこともでき、私が学びたいことのすべてを備えた病院でしたね。

継承にあたり、どのようなことを重視して進められてきましたか?

慶元正洋院長 慶元クリニック2

重視したことは30年という時間の重みです。長い方だと3世代にわたって通ってくださる患者さんもいます。長年の信頼があるところに、理事長の息子ではありますが、よく知らない医師が来たらぎこちなさを感じることもあるでしょう。今まで培ってきた安心感を裏切ってはいけないと理事長同様、「患者さんファーストの姿勢」を大切にしています。スタッフにも患者さんの不安を解消するために、積極的に声をかけてもらうようお願いしています。そこで得られた情報は、診療にあたる際に共有し、ある程度、患者さんの状態を理解した上で話を聞くことができる体制も整えています。長く勤めてくれているスタッフばかりで、患者さんと信頼関係を築けていることも、30年診療してきたクリニックの良い点ですね。

「どんな疾患にもすぐに対応する」がモットー

具体的な診療内容について教えてください。

慶元正洋院長 慶元クリニック3

専門の一般外科を中心に、内科や整形外科など地域のニーズに応える幅広い診療を提供しています。具体的には糖尿病・高血圧症・脂質異常症といった生活習慣病が一番多く、風邪や体調を崩した方、けがや切り傷などの外傷で来られる方もいらっしゃいます。年齢層は、下は2歳くらいから、若い方も多く、幅広い年代の患者さんに来ていただいています。最近では、糖尿病の採血結果が3分で出る機器も導入しました。糖尿病は進行すると失明したり透析が必要になったりと、生活の質を大きく落とす可能性がある疾患。早い段階で検査をして、早く見つけて治療に取りかかれるようにしたいと思っています。また消炎鎮痛に対応していたり、首のけん引機などの物理療法機器もあったりと、膝や腰の痛みの治療、首のヘルニアなどのリハビリテーションも受け入れています。今まで培ってきた外科の手技を生かしたいと粉瘤の日帰り手術にも力を入れています。

診療する上で大切にしていることは?

どんな疾患にもすぐに対応することです。これは長く勤めてきた東住吉森本病院のモットーでもあります。当時はベッドが満床などの物理的要因がない限り、診療や救急搬送を断ることはほぼありませんでしたね。それを大切に、症状の度合いや初診の患者さんか長年来ていただいている方かなどで区別することなく、とにかく目の前にいる患者さんに全力で取り組んでいます。治療に関しては可能な限り、患者さんの負担が少なく安心してできる治療を優先的に選びます。例えば、糖尿病治療だと薬剤の注射と内服の2つの方法がありますが、自分で注射を打つことに不安を訴える方も多いのです。そういった場合は内服薬で対応しますし、飲むのも1日3回よりは2回、2回よりは1回で済む薬を提案するなどしています。

患者さんと接する際に心がけていることは?

慶元正洋院長 慶元クリニック4

わかりやすい説明と目に見えるものを提示することですね。患者さんの努力が目に見えれば頑張る気持ちも湧いてくるので、数値で表せるものはできる限り数値を示し、頑張りを感じてもらえるように心がけています。また、患者さんは必ず何かしらの不安を抱えているので、1つでもその不安が解消できて笑顔で帰ってもらいたいと考えています。中には改善が見込めない疾患もありますが、疾患を治療する以外にも患者さんを笑顔にしたりハッピーにしたりする方法はたくさんあります。その方法を常に探して提供し、来て良かったなと思ってもらえるように尽力しています。

兄弟で力を合わせ地域に恩返ししていきたい

近くにご兄弟の診療されるクリニックがあると聞きました。

慶元正洋院長 慶元クリニック5

私には兄と弟がいて、兄は西田辺駅近くで歯科医院を、弟はすぐ近くで整形外科を開業しています。興味のある分野が三兄弟で違っていたので、診療科はバラバラですね。その分、兄弟と連携することで自分だけでは対応しきれない地域の方々の幅広い悩みをカバーできるのは良い点です。実際に、兄弟間でよく相談もします。やはり家族だと信頼感がありアドバイスを求めやすく、答えるほうも遠慮なく言える部分があると感じています。父が開いたクリニックを30年間育ててくれたこの地域に恩返ししたい気持ちはみんな一緒ですので、兄弟で連携を取りつつ、地域医療に貢献していきます。

今後の展望をお聞かせください。

来年2025年4~5月にクリニックのリフォームを予定しています。まず待合スペースを広く取り、ゆとりを持ってお待ちいただける空間になる予定です。また、私が外科、内科分野の疾患を診るだけでなく、糖尿病内科や循環器内科などの専門の医師を招き、連携しながら診療を行っていきたいと考えています。今も幅広い疾患に対応していますが、専門外の疾患は治療が終わるまで診ることが難しい場合もあります。当院の患者さんの多くは高齢で、複数のクリニックを回るのは、交通手段もなく大変だと聞きます。当院だけで幅広い悩みに最後まで対応できる体制を整えることで、患者さん、そして地域医療に貢献していきたいと思います。他に、管理栄養士に常駐してもらい、食事や日々の生活指導も含めた糖尿病治療を始めたいとも考えています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

慶元正洋院長 慶元クリニック6

外科や消化器内科、救急科と今まで多くの症例を診てきたので、生活習慣病から外傷、お子さんの発熱や婦人科疾患も対応可能です。特に救急科で診療していた時は新型コロナウイルス感染症の流行の真っただ中だったので、お子さんの熱もたくさん診てきました。当院は発熱患者さんのための外来も開設しています。来てもらったのにうちで診られないと断ることはしません。専門性が求められる疾患は、必要に応じて専門の医師を紹介しますので、最初の入り口として利用していただければと思います。生活の中でちょっとした不安や悩みがあれば、気兼ねなく受診してください。

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