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久保田 佳伸 院長の独自取材記事

久保田医院

(大阪市阿倍野区/寺田町駅)

最終更新日:2019/12/20

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大阪環状線の寺田町駅または近鉄南大阪線の河堀口駅からいずれも徒歩約10分。昔ながらの町並みを残しつつ、近年は天王寺地区再開発の影響もあってマンションも増えてきた住宅地の一角に「久保田医院」がある。1998年の開業から20年以上にわたり、乳幼児から高齢者までの地域住民の健康を守り続けている、地域のかかりつけ的な内科・小児科医院だ。近畿大学や信州大学で小児科の循環器治療を中心に専門的な経験を積んできた久保田佳伸院長は、真摯な姿勢で患者の声に耳を傾け、そのつらさを少しでも軽減することに気を配る、謙虚な姿勢が印象的だった。小学校の学校医や地域子ども会など、地域活動にも積極的に取り組みながら多忙な日々を送っている久保田院長に、いろいろと話を聞いてみた。
(取材日2019年11月14日)

子どもの風邪から高齢者の在宅医療まで幅広く対応

小児科ではどのような患者さんが多いですか?

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比較的多いのは、風邪や溶連菌などの感染症、アレルギーなどですね。アレルギーの患者さんは、保護者の方からの希望があれば血液検査をしてアレルゲンを調べ、必要に応じて抗アレルギー剤を出します。体への負担などを考えると、子どもに対して予防のために日常的な薬を出すのはあまり良くないと思っているので、普通は症状が出ているときだけ投薬します。風邪の場合、咳や鼻水といった症状を抑える薬は4~5日分出します。熱がある場合、最近は耐性菌の問題からすぐには抗生剤を出さないことになっているので、1~2日様子を見ながら、必要かどうかを判断します。ただ2〜3日熱が続くと、肺炎や髄膜炎を起すこともあるので、そういった恐れがある場合は、抗生剤を出すこともあります。

小児科の中でも循環器を専門にされていたとお聞きしました。

僕が卒業した近畿大学は、腎臓疾患を得意としていましたが、卒業後は違う分野の勉強がしたくて、小児の血液疾患に強かった信州大学に4年間勤めました。そこで小児の循環器治療に熱心な大学内のグループに感化され、近畿大学に戻ってからも心臓小児科に6年ほど勤務しました。開業してからも産婦人科の病院から先天的な心疾患が疑われる乳幼児を紹介されて診察することはありましたが、その病院が産科をやめてしまったこともあり、現在はほとんどが一般的な小児科と内科の患者さんです。ただ、そういった専門的な診療経験を積んでいますから、保護者の方が気がつかない子どもの循環器疾患を見つけることもできます。また、信州大学では白血病や再生不良性貧血、尿毒症の患者さんなども診ており、いずれも当院では滅多にない症例ですが、そういった治療の経験もあるので、万一の場合でも安心していらしていただけるのではないかと思います。

内科と小児科の患者さんの割合はどのくらいですか?

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半々ぐらいですね。内科の患者さんでは、慢性病を持つ高齢者の方が多いです。重症の方の中には訪問診療で診ている人もいます。最近もがんの手術後にどうしても家に帰りたいという患者さんがいらっしゃって、ほかの診療所では引き受けてもらえないということで、訪問診療をお引き受けしました。その方は1~2週間自宅で療養していましたが、容体が悪化して病院に戻り、数日でお亡くなりになりました。在宅医療でできることの限界も感じましたが、最期に家に帰りたいという希望をかなえることができたのは良かったと思います。ほかにも難しい状態の患者さんはいらっしゃいますが、そういった方の訪問診療もできる限り受け入れたいと思っています。

患者の苦痛が少しでも軽減されるように配慮

診療の方針や内容に特徴はありますか?

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内科・小児科の両方を診療することで、一人の患者さんを一生診ることができるのが強みだと思っています。実際に4~5歳頃から持病で通い始め、30歳ぐらいになった現在も通院を続けている患者さんもいらっしゃいます。もちろん途中で引っ越されてしまう場合もありますが、この辺りは長く住んでいる人が多いようです。子どもを中心とした地域の活動も活発で、住みやすい地域なのかもしれないですね。校区としても人気があるらしく、ほかの地域から転入してきたりして、今年は子どもの数も増えました。僕は子ども会にも参加していて、子どものお祭りを企画したり、キャンプに連れて行ったりといった活動もしています。また、当院では、季節ごとに院内を装飾しており、子どもに少しでも居心地がいいと思ってもらえるよう取り組みも行っています。

診療において心がけていることを教えてください。

まず患者さんの言うことをよく聞くことですね。特にお母さんの言うことは「そんなことはないんじゃないか?」と疑問に思うことがあっても、頭ごなしに否定したりせず、しっかり耳を傾けるようにしています。あとは朝昼夜と3つの時間帯に分け、夜は8時30分まで診療していることでしょうか。夜の時間帯の診療は、お勤め帰りの人が来やすいのではないかと思っていましたが、そういった患者さんは意外と少なく、夜になって熱が上がった子どもを仕事から帰ったお父さんが連れて来るケースが多いです。夜間の小児科の救急医療機関もありますが、普段かかっている診療所で診ることができれば、そのほうが良いですからね。

患者さんとの接し方について心がけていることはありますか?

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言葉の使い方には気をつけています。ある時感染症で来られた患者さんに「隔離します」と言ったところ、患者さんから「隔離」という言葉には抵抗があると言われ、それ以来隔離するとは言わずに「こちらのお部屋にご案内します」という言い方をしています。患者さんはきつい、苦しい思いをして来られているわけですから、それ以上不快な思いをしないよう気を配らなくてはなりません。患者さんが安心して過ごせるような環境づくりも大切ですね。実際に感染症が疑われる患者さんは、職員用の出入り口を使い、ほかの患者さんとは別の部屋にご案内しています。また、1月から3月までは、熱のある患者さんと一般の患者さんとの来院時間を別にして、院内感染の防止に努めています。ほかにも、インターネットから予約できるようにしたり、待合室にウォーターサーバーを設置したりして、患者さんが来院しやすく、待ち時間も少しでも快適に過ごせるようにしています。

進化する医療の知識を蓄え、時代に合った治療を

先生が小児科医師になろうと思った理由を教えてください。

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もともとこの場所で同じ小児科・内科として開業していた母の影響が大きいですね。父も内科医師でしたが、病院の勤務医をしていました。ちょうどベビーブームの頃で子どもの数が多く、日曜でも子どもが4~5人家の前で待っていて、母の診察が終わらないと遊びや買い物に連れていってもらえなかったり、夜間も多いときは2~3人診察したり往診に行ったりと大忙しでした。そういった姿を見て、大変だけれども大事な仕事なんだという印象を持っていました。母は20年ほど大阪市立高松小学校の校医を務めていて、亡くなった後は僕が校医を引き継ぎました。それ以来20年間同校の校医をしています。

仕事をする上でのモチベーションは何ですか? また、リフレッシュのためにしていることはありますか?

モチベーションは、結局この仕事が好きだということ、なのでしょうね。自然と「頼ってくれるならできる限りのことはしよう」という気になるんですね。リフレッシュとしては、長期間の休みは取れませんが、温泉が好きなので、日曜の休みを利用して妻と出かけたりしています。近くなら日帰りで行ったり、日曜に出かけて1泊して月曜の朝帰ってきたり。その場合は朝ご飯を食べる時間はないので、月曜の朝起きたらすぐに帰ってきて診療します。一番遠い所では山梨県まで行って、朝3時頃に出て帰ってきたこともあります。

では最後に、今後の展望をお聞かせください。

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現在ではADHDなど発達障害児が増えていることもあり、児童精神科にも興味を持っています。今年は日本小児科医会が主催する子どもの心についての勉強会にも参加しました。さすがにこれから専門医資格などを取得するのは難しいと思いますが、勉強はしていこうと思っています。子どもの心の診療は、これからますます重要になっていくはずです。現実にお子さんのことで悩んでいるお母さんから相談を受け、専門の医療機関を紹介することもあります。ほかの分野でも若い先生たちと交流を持ち、日々進化する医療の知識をどんどん蓄え、時代に合った診療ができるように心がけていきたいですね。

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