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福田 優子 先生の独自取材記事

医療法人 福田クリニック

(大阪市城東区/野江駅)

最終更新日:2021/10/12

福田優子先生 医療法人 福田クリニック main

京阪・野江駅から徒歩5分。大阪市城東区にある「福田クリニック」は福田成男院長と妻である福田優子先生が夫婦で運営するクリニックだ。福田院長が胃腸科・循環器科・外科・肛門科の診療を担当し、優子先生は小児科・アレルギー科の診療を担う。特に小児科・アレルギー科では、各種ウイルスの迅速検査機やぜんそく患者向けの呼気NO濃度測定機などの設備が整っており、小さな子どもを持つ保護者にとって頼もしい存在だ。子どもたちが安心して通える理由は、熟練のスタッフの対応や診察室に置かれた豊富なおもちゃにもあるが、一番は何といっても優子先生の優しい笑顔だろう。長きにわたり小児医療においてベテランとして治療にあたってきた福田優子先生に、小児の病気やアレルギー治療の今について語ってもらった。

(取材日2017年11月9日)

さまざまな機器を駆使し、迅速・丁寧な初期診断を

まずは「福田クリニック」の小児科の特徴を教えてください。

福田優子先生 医療法人 福田クリニック1

第一に、お子さん同士が院内で感染しないよう気を遣っています。感染症の疑いのある患者さんには別の扉から入室してもらい、隔離された状況で待機できるように設計してあります。治療・待機用のベッドは全部で13床あるのですが、そのすべてが開院時間には埋まることもありますね。また、当院には迅速検査機があるので、病気の原因がアデノウイルスなのか、インフルエンザウイルスなのか、溶連菌なのかがすぐに見分けがつき、不必要な薬の投与を避けることができます。そうした原因をはっきりと見定めた上で、治療にあたることができるのが当院の強みでしょうか。「ただの風邪です」と診断されていても、結果やはり違ったという例もあるので、小さなお子さんの場合は特に初期の丁寧な診察が大切だと思っています。

特にお得意の分野は何でしょうか?

ぜんそくやアトピーなどのアレルギー症状を持つお子さんの治療ですね。当院には呼気NO検査機というぜんそく検査のための先鋭の機器を置いています。これは、吐く息に含まれる一酸化窒素の濃度を測ることで、アレルギーがあるかないかを調べる機械です。アレルギーによる咳かどうかの判別にも役立ちます。また、患者さんが日々の治療をしっかり行っていたかどうかもわかります。食物アレルギーの患者さんには、病院内の、体制の整った環境の中で少しずつ原因となる食物を試していく「食物負荷テスト」(チャレンジテスト)を行っています。年齢や過去の症状なども考慮しながら、安全に留意して適正な摂取量を見極めながらテストしていきます。また、地域の保育所や学校の先生方にも、アレルギーを知ってもらえるように働きかけることに力を入れています。

治療に際して注意されていることは?

福田優子先生 医療法人 福田クリニック2

幼児は別にして、少し大きな子には症状の原因とどれくらいの間我慢すればいいかをしっかり説明するようにしています。そうすることで、子どもなりに理解して「自分のために頑張ろう」と思ってもらえるんです。例えば、アレルギー症状で食事療法をしている子に「1時間ぐらい点滴したら、食べられるようになるからね」と話しておきます。すると、不安ながらもその時間、じっと耐えられるようになります。また、溶連菌感染症の子には、何日ぐらいしたら楽になるから、この薬をきちんと飲むようにと教えます。すると、次に同じ症状が出たときに「たぶん、これは溶連菌のせいだから、早めに病院に行こう」とお子さん自らが言うようにもなるんですよ。いつごろ、こういう状態になり、これぐらいに楽になります。ならなければ、合併症が疑われるのですぐに来てください、とある程度の目途を伝えることで、患者さん自身と親御さんの不安感も減ると思っています。

小児科専門の医師を招き、互いに高め合う

医師をめざされたきっかけについてお伺いします。

福田優子先生 医療法人 福田クリニック3

高校生の頃は、医師をめざしていたわけではありませんでした。でも、漠然と仕事はしたいなあと思っていました。私たちの世代は学歴があっても、女性に仕事の選択肢があまりない時代だったんです。そこで、結婚後も責任を持って続けられる仕事として医師を選びました。大阪市立大学の医学部を出た後、すぐに大阪市立小児保健センターで働くようになるのですが、「これは本当に勉強しないといけない。重大な仕事だ」と、身を持って実感するようになるのはそこからでしたね。病院の小児センターには命が危ぶまれるような重篤な小さなお子さんが何人も来られます。正直、力が及ばなかったことも少なからずあります。その度に初期治療の大切さを実感しました。

開業後、勤務医時代の経験をどのように生かされていますか?

その後、1996年に先に開業していた夫のクリニックと同じ場所で小児科クリニックを始めました。勤務医時代と治療内容は大きく変わりません。でも、クリニックはさらに難しいですね。病院の場合はある程度、症状が重くなってから来院される方が多いですが、クリニックの場合は「なんとなくしんどそう」「よくわからないけど咳が出る」というような子が、実は重い病気にかかっていたという例もあるのです。赤ちゃんの場合には、一見わからなくても、先天的な病気が隠れていることもあります。その意味でクリニックが持つ役割は重大です。正常と病気の境目をしっかり観察しないといけません。毎日、緊張して患者さんと向き合っています。

外来患者さんに重い病気が見つかった場合は、どうされるのでしょう?

福田優子先生 医療法人 福田クリニック4

当クリニックでの治療では間に合わない場合、すぐに提携している病院に紹介します。幸い、この付近には24時間体制の小児科を持つ病院が多いので、非常に助かっています。それは保護者の方にとっても非常に安心だと思います。特に、北野病院には当院から200人くらい紹介させていただいています。一方で北野病院の先生や、元の勤務先の大阪市立総合医療センター小児科の同僚だったOBの先生のなかからいろんな専門分野の先生に曜日を決めて来て頂いています。これにより、専門分野の治療を当院で行えるようになるだけでなく、私にとっても病院の医師にとっても学びの場となっていると思います。病院に運ばれて来る重篤な患者さんとは違う、その前段階の現場の状況を知ってもらうためにもよい勉強になっているとありがたいですが。

元気になった子どもが、その子どもを連れて来院

休みの日は何をして過ごされていますか?

福田優子先生 医療法人 福田クリニック5

若い頃に水泳をしていたので、たまにスポーツジムへ泳ぎに行ったり、孫と遊ぶ程度でしょうか。あとは、もっぱら家の掃除や料理です。食物アレルギーを持つ患者さんの親御さんには食事指導も大切になってきます。なので、料理ができるという点は女性医師の強みだと思っていますね。グルテンの入っているインスタント食品にアレルギー反応を示す子もいるので、親御さんには時にはカツオやコンブからだしをとる方法など、料理の基本から教えることもあります。

医師としてうれしかったことは、どんなことでしょう?

やはり、患者のお子さんから「病気を見つけてくれてありがとう」と言われたときですね。長年小児科の医師を務めていますので、その子どもさんが元気に回復して成人し、ご自分の子どもさんを連れておみえになる方もいます。それはすごくありがたいなあと思いますね。また、2018年3月からは当院の2階で病児保育も始めます。私自身、子どもを育てていたとき、子どもが病気になるとすごく困りましたので、いつか開設したかったんです。今のお母さん方は会社の制度で休みがとれても、休みにくい現状がありますからね。もっとも、「これ以上働いてどうするんだ」と親しい友人には言われていますが、また働くお母さんが期待していますと言ってくださることが楽しみです。

最後に、読者にメッセージをお願いします。

福田優子先生 医療法人 福田クリニック6

最近はインターネットなどでさまざまな情報に接することができます。しかし、アレルギー関連の情報の中には信憑性に乏しいものもありますので、小児アレルギー学会の公式ホームページや、学会が監修した情報を中心に参考にされることをお勧めします。また、医師でもアレルギーを専門としない先生の場合、診療を受けても症状が見過ごされ、そのまま重症化してしまうケースもあります。アレルギーに詳しい小児科の医師にかかることが大切ですね。当院ではアレルギーにしても診れますし、何かあったらすぐに病院に紹介できますので、一度相談にいらしてください。

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