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坂 哲郎 院長の独自取材記事

さか耳鼻咽喉科

(大阪市旭区/森小路駅)

最終更新日:2019/10/29

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京阪本線・森小路駅から徒歩約1分のビル1階に「さか耳鼻咽喉科」がある。開業25年という歴史ある耳鼻咽喉科のクリニックで、小さな子どもから若者、高齢者まで、幅広い層の患者がさまざまな症状で受診する。とりわけ子どもの受診が多く、キッズスペースやキッズシートを備えたトイレなど、子ども連れに配慮した設備が充実している。院長の坂哲郎先生が大切にしているのは「患者様第一主義」の治療。複数の治療法がある場合、それぞれについてできる限りわかりやすく丁寧に説明した上で、患者の意志を尊重して治療法を決定する。また、早くから補聴器専門の診療を行い、補聴器の貸し出しにも対応。坂院長に地域医療を支える医師としてのこだわりなどについて話を聞いた。
(取材日2018年8月29日)

直接感謝される仕事にやりがいを感じた

先生はこの辺りのお生まれですか?

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1998年まで、父親が現在のクリニックから歩いて7〜8分のところで耳鼻科を開業しており、そこが私の生家です。住居と診療所が一緒だったので、子どもの頃から父親の仕事ぶりを見て育ちました。プロスポーツ選手になりたいと考えたり、自動車とか法律関係の仕事も面白そうだなと思ったりもしましたが、他の仕事についての具体的イメージがわかず、高校2年生の時には医師になると決めていました。

お父さまの働く姿を見てどんな印象を持ちましたか?

普通は、接客する方がお客さんに「ありがとうございます」と言います。ところが父の医院では、多くの患者さんが父に「ありがとうございます」と言って診察室を出られていました。小さい頃にそのことに気づき、医業というものは人の役に立ち、直接それを感じ取れるやりがいのある仕事だなと思ったのが、医師を志す動機になりました。

地元で開業された理由をお聞かせください。

開業場所を探しているとき、森小路の駅からすぐの場所で、開業できる耳鼻咽喉科の医師を探しているという話が父のところに持ち込まれました。物件を見にいくと、少し広さが足りないと思いましたが、森小路には父の患者さんがたくさんおられました。その頃には父も高齢になっていましたし、医院を続けられなくなると誰かが患者さんを引き受ける必要があると考え、地元での開業を決めました。

現在のクリニックは広さがありますね。

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最初の場所で16年間診療した後、2軒隣にあった現在の場所に移転しました。内装や造りについては、スタッフの意見を入れながら設計担当の方が困るくらいこだわりました。例えば、診察室の流し台は、通常は壁に向かって設置します。しかし当院では、患者さんに背中を向けて作業するのは失礼というスタッフの意見をくみ、患者さんのほうを向いて作業できる場所を造りそこに流し台を設置しました。点滴用の部屋を設けて感染症の患者さんの隔離スペースにも活用しています。また、ネブライザーを設置している場所は、診察室から独立させると管理上問題があるのですが、開放型にすると診察室でのやりとりが聞こえてしまいます。そこで、間仕切りで半開放型にしました。換気扇の音が邪魔をするので、診察室の声はほとんど聞こえません。

患者の意志を尊重して治療方針を決める

どんな患者さんが多いのですか?

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6歳以下のお子さんが全体の4割を占めています。キッズコーナーやおむつ交換台、キッズシートを備えたトイレは必須の設備です。高齢の方もお越しになり、ベビーカーや車いすでも快適にご利用いただけるよう、院内をバリアフリー化しました。クリニック前の道路と玄関との段差にはスロープを設置したので、道路から車いすやベビーカーのまま診察室に入っていただけます。

「患者様第一主義」を掲げられていますね。

大学病院時代は、研究・教育のために患者さんが本意としない治療をお願いして受けてもらうこともありました。もちろん研究・教育は大切ですが、医療を提供する側の事情を優先する姿勢にはずっと違和感があり、開業後は基本的には患者さんの望まない治療はしないという方針を取っています。治療法によって効果が決定的に違う、あるいは生命に関わるというなら別ですが、効果に大差がないのなら患者さんの意志を尊重して決めるべきと考えています。もちろん、それぞれの治療法についてしっかり情報を提供した上でのことです。

わかりやすい説明を大事にされています。

私やスタッフが普通に使っている言葉の中にも、患者さんにはわかりづらい言葉がたくさんあります。例えば、「炎症が起こっていますね」といった場合、炎症のイメージは何となくわいてくるのですが、炎症とは何かというと具体的にわかる方はそれほど多くないと思います。また、診察室では緊張しておられる方もおられ、お話ししたことが伝わっていないと感じることも少なくありません。今年で開業25年になりますが、わかりやすい説明、よく伝わる説明については至らない点も多く、まだまだ勉強中です。

治療方針の「可能な限り早く治る治療法を選択する」について教えてください。

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すべての症例でスピードを優先するのではなく、結果として患者さんにとって良い治療法を選択するということです。例えば、急性中耳炎で膿がたまっているという場合、薬で抑えるほか、鼓膜を切開して膿を出すという治療法もあります。いま仮に、急性中耳炎で痛くて泣いているお子さんがいるとすると、薬で抑えるよりも、切開したほうが痛みが早く取れます。炎症を起こしている鼓膜には麻酔が効かないので、切開する際は痛みがありますが一瞬のことです。長く痛みに耐えるよりも、瞬間的な痛みで治るほうが患者さんにとって良いと考えるわけです。ただし、痛みが強くなくて泣いてもいないという場合は、切開の痛みがトラウマになることもあるので、この限りではありません、と説明します。

補聴器専門の外来を開設して利用のハードルを下げる

子どもの治療の際はどんなことを心がけておられますか。

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お子さんが怖がらないように、話し方や声の調子などに気をつけていますし、そのための手間は惜しんでいないつもりです。とはいえ、嫌がってどうしようもないお子さんの場合には、できるだけ短時間で安全に治療するために、保護者の方に加えて、複数のスタッフで押さえなければならないこともあります。当院の待合室には、診療時のお子さんの抱っこの方法についてのポスターが掲示してあります。私が柔道の経験から考案した方法で、お子さんに負担をかけずにしっかりホールドできます。医療関係者にも評判がいいです。

補聴器専門の外来を開設しておられますね。

大学病院で補聴器の外来を立ち上げた経験があり、多くの要望があると予想して開業時から始めました。当時は今よりも補聴器の認知度は低かったのですが、開設以来予約がいっぱいの状態が続いています。いつから補聴器を使えばいいのかわからないという方が多く、補聴器をつけることに抵抗を覚える方も少なくありません。当院では認定補聴器専門店と連携しており、補聴器を試していただけます。おかげで最初のハードルが下がり、補聴器自体の性能も飛躍的に向上しているので、使ってみるとその良さを実感される方が多くおられます。また、私は身体障害者福祉法第15条の指定を受けていて診断が可能であることと、当院で補聴器適合ができることも利用者が多い理由だと思います。

今後の目標を教えてください。

アレルギーの舌下免疫療法を昨年から行うようになりました。根治をめざせる可能性のある治療ですので、適応のある患者さんをより増やしていきたいと考えています。また、設備についても時代のニーズに見合った水準をクリアしていきたいと考えています。大阪府耳鼻咽喉科医会の副会長などの役職については、引き受けた限りはその責任をきちんと果たすべく努力をし、任期を全うしたいと考えています。

読者にメッセージやアドバイスをお願いします。

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何か困っている症状があるなら、迷わずに受診してください。痛みや不調を我慢して時間を費やすのはもったいないですし、早く受診すれば症状の悪化も防げます。また、診察の際に症状について積極的に話してくださるのはとてもいいことです。ただし、あれもこれもと調子の悪いところを挙げ過ぎると、不定愁訴と判断され、まず初めに治療すべき症状が後回しになったり、必要でない検査を受けたりすることになりかねません。何が一番困っておられる症状なのか、何とかしたい症状は何なのかを整理して伝えていただければ、医師は大事なことに絞ってよりしっかりと診察できます。

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