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吉田 衣江 先生の独自取材記事

吉田クリニック

(大阪市東淀川区/下新庄駅)

最終更新日:2023/10/13

吉田衣江先生 吉田クリニック main

下新庄駅の西口から徒歩5分のところにある「吉田クリニック」は、この地で30年以上診療を続けてきた、地域に根差したクリニックだ。吉田衣江先生は、2022年4月から勤務を開始し、父である吉田連院長と2人体制で診療にあたっている。衣江先生は総合内科、循環器内科、腎臓透析、糖尿病、超音波検査について専門としており、透析管理や心臓エコーを中心に大学病院などで経験を積んできた。同院の患者に多い生活習慣病について、「怖いのは合併症」と考え、これまでの経験を生かし、症状が悪化する前の早めの治療を心がけている。アットホームなクリニックの良さを残しつつ、より時代に合った形に進化していきたいと話す衣江先生に、診療方針やクリニックの今後の展望などについて、話を聞いた。

(取材日2023年9月20日)

父親と2人体制で、地域に根差したクリニックを

現在の院長であるお父さまが開院し、長年地域に根差してきたクリニックなのですね。

吉田衣江先生 吉田クリニック1

はい。父が開院した1990年以降、30年以上にわたって診療を続けています。内科と小児科を中心として、リハビリテーションや小さな外科的な処置も含め、全身を一通り診ることができるホームドクターをめざしてやってきました。私は勤務医をしていたのですが、昨年4月からこちらのクリニックに来て、父と医師2人体制で診察をしています。徐々に、主に私が診ていくという形にシフトしているのですが、長年通ってくださった患者さんの中には院長に見てほしいという方もいらっしゃいますね。私も院長に習いながら、患者さんに引き続き安心していただけるように引き継いでいるところです。

こちらのクリニックでは、どのような患者さんがいらっしゃいますか。

内科で多いのは高血圧、糖尿病、脂質異常など、生活習慣病の患者さんですね。リハビリテーション科の電気治療などに通っていただくご高齢の方、それから小児科の患者さんも一定数いらっしゃいます。また、新型コロナウイルス感染症の流行で発熱症状の外来も開設したのですが、そちらでは20代、30代の方が多いですね。発熱での受診をきっかけに、その後おなかの調子が悪いとか何かちょっとした症状がある際にも続けて来ていただけるようになり、比較的若い世代の患者さんも増えてきました。小さいお子さんからご高齢の方まで、年齢層も幅広くなっています。

先生のご専門について教えてください。

吉田衣江先生 吉田クリニック2

私は関西医科大学出身で、卒業後は大学の第2内科という医局に入りました。その科は循環器、糖尿病、腎臓、甲状腺、内分泌などを対象にしている医局で、その分野に関して専門的に経験を積んできました。また、京都市立病院や洛西ニュータウン病院、音羽病院、関西医科大学香里病院と数々の病院に出向した経験もあり、内科については全般的に学んでいます。勤務医としての経験を積む中で、総合内科、循環器内科、透析治療、超音波検査についても専門性を深めました。一般的な内科の症状から専門的な疾患まで、幅広くご対応できるのではないかと思いますので、お気軽にご相談していただければと思います。

透析や超音波検査の専門を生かし生活習慣病の治療を

腎臓透析をご専門にされてきたとお伺いしました。

吉田衣江先生 吉田クリニック3

私は関西医科大学香里病院で、維持透析の立ち上げを経験し、透析や腎臓の管理をしていました。当時の大学病院では、5年10年と長期的に患者さんの経過を診る維持透析は珍しい中で、その立ち上げを経験し、数多くの経験を積むことができました。現在も、週に1日だけですが、よその透析専門のクリニックに勤務しています。透析治療は専門の設備がある医療機関でないと携わることはできないので、専門的な知識の更新のために勤務を続けていますね。また、透析や腎臓の管理で得た知識を、当院の診療に生かしたいとも思っています。お伝えしましたように、当院には生活習慣病の患者さんが多くいらっしゃいます。生活習慣病の中でも例えば糖尿病は、合併症で腎臓が悪くなって透析になってしまうケースが多くあります。内科医として全身の状態を診ながら、透析にならないためのアドバイスを当院の患者さんにフィードバックができればと思っています。

心臓超音波検査にも力を入れていらっしゃるんですね。

循環器にはいろいろな検査がありますが、私は中でも超音波検査を専門に研究や臨床を続けてきました。心臓超音波検査は受けたことがないという方も多いと思うのですが、例えば健診で心電図異常や不整脈を指摘されたとき、心臓の機能に異常があるかどうかを調べる方法として心臓超音波検査はいろいろとメリットがあるんです。超音波は生体に傷をつけたり放射線を浴びたりすることが不要で、体に負担が少ない検査です。その上で心臓の大きさや収縮力、心臓弁膜症がないかなど、具体的に調べることができます。ただ、身近なクリニックでは心臓超音波検査ができるところが少なく、大きな病院で受けようと思うと何ヵ月も先の予約になってしまうことも多いため、なかなか身近な検査にならないのではないでしょうか。当院のようなクリニックでも気軽に検査ができれば、病気の早期発見につながりますので、力を入れていきたいと思っています。

診療で心がけていることは何かありますか。

吉田衣江先生 吉田クリニック4

一つは患者さんの話をよく聞いて、丁寧に説明をすることです。皆さん気をつけていることだと思いますが、「傾聴」の気持ちを常に忘れずに患者さんに接したいと思っています。もう一つは、柔軟性を持つということです。特に糖尿病など生活習慣病の治療は自分との戦いになってきます。ルールをしっかり守れる方もいれば、ついつい誘惑に負けてしまう方もいますし、その時の状況で、できる・できないも変わってきます。治療においても、やり方を無理やり押しつけるのではなく、患者さんの性格やご事情を考慮しながら、本人がやる気になれるように手助けすることを心がけています。

アットホームな良さを残しつつ、時代に合った変化を

医師になろうと思ったのはどのような理由からでしょうか。

吉田衣江先生 吉田クリニック5

何かドラマのような劇的な出来事があったわけではないのですが、やはり医師である父の影響は大きいと思います。医師という仕事に対して誇りや憧れを感じていて、進路を考える年齢になったときに自然とめざしていたという感じですね。一緒にクリニックで仕事をするようになり、今でも患者さんから慕われている院長の姿を見ると、30年間地域に根差して診療を続けてきたすごさを改めて感じます。

今後の展望について、将来はどのようなクリニックにしていきたいとお考えでしょうか。

当院の良い面を残しながら、時代に合わせてクリニックのつくりなども変えていけたらと思っています。例えば当院は規模も小さく、すごくアットホームな雰囲気です。リハビリテーションも、大きな部屋で患者さん同士談笑しながら行うことができます。オープンで良い反面、治療内容によってはプライバシーが保たれる空間も必要です。目的に応じて適切な対応ができるように、リフォームなども進めていけたらと考えています。また、ご高齢の患者さんが増えているので、往診にももう少し力を入れていきたいですね。それからもう一つ、病気の予防につながるような啓発もしたいと思っています。生活習慣病で怖いのは、合併症です。皆さん健診でひっかかっても症状がないと放置してしまいがちなのですが、合併症が出てからだと治療も大変になってしまいます。早め早めの治療をしていただけるよう、情報提供をしていきたいですね。

最後に、地域の方、患者さんに向けたメッセージをお願いいたします。

吉田衣江先生 吉田クリニック6

これからも、地域に根差した全身を診ることができるホームドクターをめざして、引き続き診療をしていきたいと思っています。勤務医のときと違って、今は患者さんとゆっくりお話をする時間が取れるので、私自身、皆さんとの会話を楽しみながら診療しています。中でも生活習慣病に関しては専門として力を入れていきたいと思っていますので、気になることがある際は、気軽に受診していただけたらうれしいですね。

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