吉田 衣江 院長の独自取材記事
吉田クリニック
(大阪市東淀川区/下新庄駅)
最終更新日:2026/10/26
下新庄駅の西出口から徒歩5分の場所にある「吉田クリニック」。この地で35年以上にわたり診療を続けてきた、地域に根差したクリニックだ。現院長の吉田衣江先生は、2022年4月から父である吉田連(むらじ)理事長とともに診療を行ってきた。2026年4月からは、衣江先生の弟で、膝関節を専門とする整形外科の医師の吉田礼徳(あやのり)先生が週3日勤務。内科と整形外科の両面から、一人ひとりの健康を見守れる体制となった。生活習慣病の診療に力を入れる一方、年齢とともに増える膝や腰などの痛みにも院内で対応できるのが新たな強みだ。地域に根差したクリニックとして、患者一人ひとりにより深く向き合う診療をめざす衣江先生に、現在の診療体制や今後の展望について話を聞いた。
(取材日2023年9月20日/情報更新日2026年10月9日)
地域に根差したホームドクターをめざして
現在の理事長であるお父さまが開院し、長年地域に根差してきたクリニックなのですね。

父が開院した1990年以降、35年以上にわたって診療を続けてきました。全身を一通り診ることができるかかりつけ医をめざし、内科と小児科を中心に、リハビリテーションや小さな外科的処置も含めて対応しています。私はもともと勤務医をしていましたが、2022年4月に当クリニックに来て、父と2人体制で診療を行ってきました。その後、2026年4月からは、弟の礼徳先生が整形外科の医師として週3日勤務し、内科と整形外科の両面から診療できる体制となりました。長年父が担当してきた患者さんにも引き続き安心して受診いただけるよう、一人ひとりに寄り添った診療を大切にしていきたいと思っています。
こちらのクリニックでは、どのような患者さんがいらっしゃいますか。
内科で多いのは高血圧症、糖尿病、脂質異常症など、生活習慣病の患者さんですね。リハビリテーション科の電気治療などを目的に通っていただくご高齢の方の他、小児科の患者さんも一定数いらっしゃいます。最近は礼徳先生が整形外科を担当するようになり、腰痛や肩の痛み、膝の痛みなどを相談される方も増えてきました。また、新型コロナウイルス感染症の流行で発熱の外来も開設したのですが、そちらでは20代・30代の方が多いですね。発熱をきっかけに、おなかの調子が悪いなど、ほかのちょっとした症状のご相談をされる方も。その結果、若い世代の患者さんも増えてきました。小さいお子さんからご高齢の方まで、年齢層も幅広くなっています。
先生のご専門について教えてください。

私は関西医科大学出身で、卒業後は同大学附属病院の第2内科という医局に入りました。その科は循環器、糖尿病、腎臓、甲状腺、内分泌などを診療の対象にしている医局で、その分野に関して専門的に経験を積んできました。また、京都市立病院や洛西ニュータウン病院、音羽病院、関西医科大学香里病院などに出向した経験もあり、内科については全般的に学んでいます。勤務医としての経験を積む中で、総合内科、循環器内科、透析治療、超音波検査についても専門性を深めました。こうした経験を生かし、一般的な内科の症状から専門的な疾患まで、幅広く対応できるのではないかと思いますので、お気軽にご相談いただければと思います。
透析や腎臓管理、超音波検査の専門性を生かして診療
人工透析をご専門にされてきたと伺いました。

私は関西医科大学香里病院で、維持透析の部門の立ち上げを経験し、透析や腎臓の管理をしていました。当時の大学病院では、5年10年と長期的に患者さんの経過を診る維持透析は少ない中で、その立ち上げを経験し、数多くの経験を積むことができました。現在も、週に1日、別の透析専門クリニックに勤務しています。透析治療は専門の設備があるところでないと携わることはできないので、専門的な知識の更新のために勤務を続けているのです。また、透析治療や腎臓の管理で得た知識を、当クリニックの診療に生かしたいとも思っています。当クリニックには生活習慣病の患者さんが多くいらっしゃいますが、生活習慣病の中でも例えば糖尿病は、合併症で腎臓が悪くなって透析治療が必要になってしまうことが多くあります。内科医として全身の状態を診ながら、透析治療が必要な状態にならないための助言を当クリニックの患者さんにお伝えできればと思っています。
心臓超音波検査にも力を入れていらっしゃるんですね。
循環器にはいろいろな検査がありますが、私は中でも超音波検査を専門に研究や臨床を続けてきました。心臓超音波検査を受けたことがない方も多いと思うのですが、例えば健診で心電図異常や不整脈を指摘されたとき、心臓の機能に異常があるかどうかを調べる方法としていろいろとメリットがあるんです。また、超音波は生体に傷をつけたり放射線を浴びせたりすることが不要で、体の負担が少ない検査です。その上で心臓の大きさや収縮力、心臓弁膜症がないかなど、具体的に調べることができます。ただ、身近なクリニックでは心臓超音波検査ができるところが少なく、大規模病院で受けようと思うと何ヵ月も先の予約になってしまうことも少なくないため、なかなか身近な検査にならないのではないでしょうか。当クリニックでは気軽に検査を受けていただける環境を整えています。病気の早期発見につなげるために、これからも力を入れていきたいと思っています。
診療で心がけていることは何かありますか。

一つは患者さんの話をよく聞いて、丁寧に説明をすることです。皆さん気をつけていることだと思いますが、「傾聴」の気持ちを常に忘れずに患者さんに接したいと思っています。もう一つは、柔軟性を持つということです。特に糖尿病など生活習慣病の治療は自分との戦いになってきます。ルールをしっかり守れる方もいれば、ついつい誘惑に負けてしまう方もいますし、その時の状況で、できる・できないも変わってきます。治療においても、良しとされる方法を無理やり押しつけるのではなく、患者さんの性格やご事情を考慮しながら、本人がやる気になれるように手助けすることを心がけています。
内科と整形外科の両面から地域の健康を支える
医師になろうと思ったのはどのような理由からでしょうか。

ドラマのような劇的な出来事があったというわけではないのですが、やはり医師である父の影響は大きいと思います。父の背中を見ながら医師という仕事に対して誇りや憧れを感じていて、進路を考える年齢になった時に自然とめざしていたという感じですね。当クリニックで父と一緒に仕事をするようになり、患者さんから慕われている父の姿を見ると、長年地域に根差して診療を続けてきたすごさを改めて感じます。
将来はどのようなクリニックにしていきたいとお考えでしょうか。今後の展望についてお聞かせください。
内科と整形外科、それぞれの専門性を生かしながら、一人ひとりの患者さんをより総合的に診られるクリニックにしていきたいですね。礼徳先生は整形外科の中でも膝関節を専門としており、特に膝の人工関節の手術に長年携わってきました。肩や腰などの痛みはもちろん、変形性膝関節症では保存療法から、手術が必要な場合の病院への紹介まで、状態に応じた相談ができます。内科の診療中に膝や腰の痛みが見つかった場合にも、院内でスムーズに相談できるのは患者さんにとっても大きなメリットだと思います。今後は超音波ガイド下での注射治療や往診にも取り組み、診療の幅をさらに広げていきたいです。
最後に、地域の方や患者さんに向けたメッセージをお願いいたします。

勤務医の頃に比べて、今は患者さんとゆっくりお話しする時間を持てるようになり、会話を楽しみながら診療しています。生活習慣病についてはこれからも力を入れ、病気の早期発見や合併症の予防につながるよう、丁寧にお伝えしていきたいと思っています。また、整形外科の診療をより充実させるため、エックス線設備の更新も進めています。膝の痛みなど、気になる症状があれば、手術をするかどうかも含めて、まずは気軽に相談していただけたらと思います。内科と整形外科の専門性を生かしながら、患者さんが必要な診療をより身近な場所で受けられるよう、これからも地域の皆さんの健康を幅広く支えていきたいですね。

