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大谷 眞一郎 院長の独自取材記事

大谷クリニック

(大阪市西区/肥後橋駅)

最終更新日:2019/11/29

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大阪市西区京町堀、靭公園からほど近い場所に「大谷クリニック」がある。高祖父にあたる初代院長が明治時代に開業してからおよそ130年。変わらぬ場所で移り行く時代を見届けてきた歴史ある同院で地域医療の重責を担う5代目院長の大谷眞一郎先生は、2019年9月に同院を継承。にこやかで優しい物腰と穏やかな語り口からは普段の診療の際の人柄がうかがえる。同院は地域のかかりつけ医として子どもから高齢者まで幅広い世代が頼りにしており、またビジネス街という土地柄企業の健康診断や人間ドックのニーズも多い。「1世紀以上にわたり積み上げてきた実績と信頼の厚さを感じ、身が引き締まる思いです」と話す大谷院長に伝統あるクリニックを担っていくことへの思いや今後の展望について話を聞いた。
(取材日2019年10月21日)

開業から約130年、5代にわたり地域医療に貢献

約130年続く歴史あるクリニックを継承されるのにあたりどのような思いがありましたか?

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開業は1890年、明治時代に私の高祖父がこの場所で「大谷医院」を開き、代々継承してきました。私で5代目の院長となります。開業時から変わらず長きにわたりこの場所で診療を続けており、長男である私は子どもの頃から当然医師になると周りから思われ期待されていました。生まれた時から人生のレールが決められているようで反発心もあったんですよ。もともとはイルカの研究など海洋生物学を学びたいと考えていた頃もありました。でも、小学生のいとこが小児がんで亡くなったことをきっかけに医師として命と向き合うということを真剣に考え始めるようになりました。

クリニックを継承されるまでのご経歴をお聞かせください。

約30年と一番長く勤務していた多根総合病院は救急病院でしたので、的確な救命のために必要な処置を行わなければいけない常に緊張感のある現場で日々奮闘していました。苦しい状況の中自分だけでなく、スタッフと協力しながら同じ思いで患者さんを救命すること、その大切さを実感しとてもやりがいを感じていました。医療もスポーツと同じでチーム一丸となって同じ目標に向かうために協力することが大切なんです。また、救急で受け入れた患者さんを最後までケアさせてもらうことにもとてもやりがいを感じていましたね。開業医になると日々の診療はしますが、クリニック内で対処できない症状の患者さんは病院に紹介することになります。将来的には実家を継がなければいけないことは頭にありましたが、私としてはそういった患者さんを引き受けて最後までケアする役割を全うしたいという思いもどこかにありました。

その思いの中でこの歴史あるクリニックを継承することに決まり、お考えに変化はありましたか?

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長らく救急救命の第一線、多くの患者さんと向き合ってきたことで「医療では父を超えたかな」と思ったこともあったんです。以前ここで外来の診療をした時に、院内処方で使える薬が限られており、病院に比べると検査に使える道具が圧倒的に少なく、そのギャップに驚きました。そこでハッとしたんです。CT、MRIなど先進の設備がそろって、使いたい薬が使用できる。さまざまなデバイスがある病院で疾患のコントロールができるということは当然のことなんだなと。町の診療所の場合は限られたデバイスの中で患者さんの日々のケアをしなければいけません。「自分が今病院で治療ができるのはすごいことではなく当然のことだったんだな」と痛感しました。むしろ地域の診療所の限られた状況の中でさまざまな対応をしてきた父にはまだ全然及ばないんだと気づいたとともに、自分自身も新たな目線で地域の患者さんをサポートしていきたいという強い思いに変わりました。

専門性にとらわれず地域の患者の健康問題を幅広く診療

患者さんに多い主訴と力を入れている分野についてお聞かせください。

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患者さんの年齢層は幅広く、小さなお子さんから高齢の方までさまざまな主訴を抱えて来られますが、多いのは風邪などからくる体調不良や腹痛を訴えられて来られる方ですね。まだ代替わりしたばかりですが、私自身循環器を専門としておりますので、そのあたりをもう少し力を入れて診療していきたいと思っています。エコーの機械も以前は心臓の超音波検査ができないものだったのですが、血管や心臓の検査も全部できる新型のエコーを導入しました。ですから胸痛や胸苦しさなどの症状がある方も診断を行い、適切に対処しやすくなりました。もちろん、今まで代々の院長が大切にしてきた専門性にとらわれず、幅広く地域のかかりつけ医として皆さんの健康をサポートしていきたいという思いは変わりませんが、さらに専門性も持ちながらより良い医療を提供していきたいと思います。

こちらのクリニックは検診や人間ドックの受診も多いと聞きました。

現在のビルに建て替え「大谷クリニック」という名称となったのが1990年ですが、その少し前から企業から相談を受けることがたびたびあったそうです。この辺がオフィス街として栄えてきて、健康診断の要望が高まってきたことから、建て替えを機に、人間ドックや健康診断、がん検診などのフロアを設けました。ビルの1階が内科・小児科の診療フロアで、2階・3階が健康診断や人間ドックなどの検査専用フロアとなっています。会社が行う健診や市民健診のほか、入社前健診、生活習慣病検診、半日人間ドック、各種がん検診などさまざまな検査に対応しており、申し込みや予約はホームページでも受けつけています。

検診の重要性について先生のお考えをお聞かせください。

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「自分だけは大丈夫」そうなんとなく思っている方もいるかもしれません。しかし、病気こそ分け隔てなくやってくるものです。どんな人にも平等に公平にやってきます。間違いなく言えるのは、ケアしない人はやはりそれだけのリスクが高くなるということです。自分の体であっても、人は一人で生きているわけではないので、体調を崩すことで周りに迷惑をかけてしまうこともあるでしょう。社会というチームの中で生きている一人として責任を持って自分の体をケアしてほしいですね。特に主婦の方は家族の健康をサポートしていても自分の健康に手が回っていない方も多いと思います。実感としても主婦の方の受診率は低いと感じていますので、大切なご家族のためにもどうか自分のことも大切にしていただきたいです。

どれだけ時代が流れても、変わらない医師としての本質

長く第一線でご活躍されていた中で、今の診療に生かされていると実感することはありますか?

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これまで本当にたくさんの患者さんを診療してきたので、小さい変化を敏感に察知する力には自信があります。医療というのは科学ですが、科学だけでは説明できない第六感というものがあるんです。患者さんとのコミュニケーションを大切にし、会話の中からその第六感でヒントを見つけていくという感性の部分は長年の診療で培われてきたと思います。学生時代に教わった「診療は扉を開けた時から始まっている」という言葉を今も忘れず、診察室の扉が開けられたその瞬間から顔色や息遣いの一つ一つまで見逃さないように心がけていますね。

地域の患者さんに対する思いをお聞かせください。

130年変わらぬ土地でずっとやってきて、代々伝わる伝統という雰囲気の中でそれが安心感につながるとおっしゃられる患者さんもいらっしゃいます。祖父の時代から通われている患者さんは「ここじゃないとダメ」と言ってくださる方もいて、うれしい一方で身が引き締まる思いです。何かあったらここに相談したら安心できる、そう思い続けていただけるクリニックであるために、スタッフ一丸となり地域の健康に寄り添い続けていきたいです。130年前から大きく時代は変わりましたが、「命のはかなさ、命の丈夫さ」は同じです。どんな時も誠実に向き合う医師としての姿勢は、どれだけ時代が流れても変わることはないでしょう。

今後の展望をお聞かせください。

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地域の患者さんに安心していただける場所であり続けたいですね。「できたら行きたくないな」と思われる場所ではなく、ちょっとした心配事があれば「とりあえず診てもらっておこう」と来ていただける雰囲気を大切に、何か気になることがあれば気軽に相談できる町のかかりつけ医としてこれからも地域の皆さんとともに歩んでいきたいです。今後もこの場所で医業の継承をしていくことも大切だと考えています。幸い2人の娘も医師の道へ進んでくれましたので、この先も続いていってくれればうれしいですね。

自由診療費用の目安

自由診療とは

【半日人間ドック】Aコース/4万2700円(所要時間3時間)、Bコース/3万250円(所要時間2時間30分)

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